働くしあわせプロジェクト -14ページ目

良きものを与え続けなさい

おはようございます!

昨日はリーダー・管理職養成講座にて2時間ほどお話させていただきました。

受講者の中に、目をキラキラ輝かせながら話を聴いてくれる若い人がいらっしゃって、
講座が終わった後も、質問、相談しにきてくださいました。

後から先輩が教えてくれたのですが、彼は自費で参加してくれたんだそうです。

講師の力量もさることながら、受講生側の姿勢で得られる成果って
大きく変わっちゃうんですよね。

かくいう私も福島正伸先生の講座を立て続けに自費参加することで
人生が大きく変わっちゃった一人。

「良きものを与え続けなさい」というのは、
自分に対して投資するという意味でもあるんですよね。

今日はこれから福祉施設の職員に向けて研修に行ってきます。

今日の受講生のみなさんも、
上司に言われたから参加しているのではなく、
自主的に参加してくれている方たちばかり。

受講生側の学ぶ姿勢はバッチリなので、
これはもう講師の力量が問われますね~

自分史上、最幸の研修になるよう、楽しんできます!!

長所を活かし合う

先日、ある施設長から「コンサルタントの先生たちはどうして自分
たちでやらないのかしら」と聴かれることがありました。

この仕事(厳密に言うとぼくは自分自身をコンサルタントというよ
りも人と人のつなぎ役、人の可能性の引き出し役と思っていますが)
をしているとこうした質問を受けることは珍しくありません。

また、この質問をされる方はきっと心の奥底で「言うは易し行なう難し。
口だけの人の言うことは素直に聴けません」と言うことを暗に伝えたい
のだと思ってます。

 ぼくは、この質問は、「花」が「ハチ」に向かって「どうしてアナタ
たちは、私たちのように花にならないの?」と質問するのと一緒だと
思っています。

 もしも、すべてのハチが「きれいだから花になろう」と花になって
しまったら、花はどうなるでしょう?

 ハチがいなくなってしまったら、花は受粉が行なえないため、実を
つけること、ひいては、新しい種をまき、芽を出すことができなくな
ってしまいます。

 また、ハチにとっても花がなければ、蜜がとれなくなり、新しい命
を育むことができなくなります。

 つまりは、どちらにとっても、新しい命を育むために欠かせない存
在同士であるわけで、「お互いに活かし合うことで生成発展する」と
いうのが、すべての生き物に通ずる自然界のルールなのです。

 ぼくの周囲には、障がいのある人の働く場づくりを支援している
コーディネイター的な存在、コンサルタント的な存在の仲間が沢山い
ます。

 その中には、自らも就労支援施設をつくっている仲間、つくろうと
している仲間もいます。そして、「既存の福祉施設の底上げは大変だ
から、新しい施設をつくってしまった方が早い」という考えを持つ方
もいます。

 でも、私は、彼ら全員が就労支援施設の当事者の役割に徹してしま
ったら、(ハチをやめて花だらけになってしまったら)障がい者就労
支援の世界の成長はとまってしまうと思うのです。

 船井総研の考え方に「長所伸展法」があります。

 「相手の長所と付き合いなさい」というシンプルなルールです。

ハチも花も違う生き物なのでお互いを100%理解し合うことは難
しいかもしれません。でも、少しでも相手を理解しよう、活かし合お
うという姿勢さえあれば、相手の長所を知り、自らの成長に相手の長
所を活かすことはできます。

「理解してから、理解される」というのが人間関係の基本です。
 お互いに相手の立場や考え方を理解するように努め、共に活かし合
い、共に成長していければいいなと心から思います。

ハーモニー・オブ・ユニークネス

ぼくの好きな言葉の1つに「ハーモニー・オブ・ユニークネス」が
あります。文字通り、一人ひとりの個性が調和した状態を指します。

そうした状態はムリ・ムダ・ムラがないので“美しく”もあります。

先日、千葉県の福祉施設のリーダーのみなさんを連れて、東京都町田
市で、藍染め・草木染めなどの染色とはた織りを行なっている「クラ
フト工房ラ・まの」を訪問したのですが、一緒に同行したプラスリジ
ョンの福井祐実子さんが「美しいものを見ると涙が流れてくる」と目
を潤ませていらっしゃいました。

「クラフト工房ラ・まの」
http://www.la-mano.jp/

ぼくは福井さんのように感受性が豊かではないので、涙こそ出てきま
せんが、やはり、一貫性をもって1つの価値を追求している企業や施
設を訪問すると、いつも凛とした独特な空気を感じることができます。

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よく利用者の障がい特性や程度に合わせて取り扱い商品を増やしてい
る施設に出会います。いや、むしろ、「これが福祉施設の常識」と思
わせるくらい、ほとんどの施設が様々な自主生産品をつくったり、企
業から受注した様々な業務をこなしていらっしゃいます。

でも、本当に、パン、さおり織、封入作業etc、まったく一貫性の
ない職域を用意しないと、利用者の障がい特性や程度に合わせること
ができないのでしょうか?

ぼくは違うと思います。

「クラフト工房ラ・まの」が良い例ですが、商品のクオリティにこだ
われば、こだわるほど、本物を追求すればするほど、実は、たくさん
の手しごとが発生してきます。それを細分化することで多くの利用者
が関われる職域が増えるのです。

そして、こだわれば、こだわるほど、消費者に伝えたいことも増えて
きます。すると、「伝える」という仕事で、利用者が関われる職域が
発生します。

さらに、こだわりのある本物商品はよく売れるので「売る」という
仕事で、利用者が関われる職域が発生し、売りっぱなしではお客様が
離反してしまうので、手紙を書く、ニュースレターを送るといった
「お客様とのきずなを深める」仕事が重要となり、そこでも利用者が
関われる職域が発生するわけです。

こうして、「つくる」→「伝える」→「販売する」→「お客様とのき
ずなを深める」という1つの価値を産み出すためのプロセスを全員で
振り返り、改善活動を繰り返していると、ムダ・ムリがそぎ落とされ
て、一人ひとりの個性や能力が1つの価値を産み出すという組織の目
的と調和してきます。それが、冒頭に話をした美しさや凛とした空気
につながってくるのです。

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また、それでも、もし、1つの価値を産み出していくプロセスに、新
しい利用者の障がい特性や程度が理由で職域を用意できないのであれ
ば、それは自分の施設に、まだ、その利用者を受け入れる力がないと
いうことですから、他の施設を紹介した方が利用者も幸せになれるは
ずなのです。

あなたの組織が産み出せる力相応一番の価値は何でしょうか?

職員、利用者が心を1つにして、その価値の創出に取り組んでいると
一人ひとりの個性が調和し、美しいハーモニーを奏でるようになりま
す。

そんな組織づくりを目指していただきたいと思います。