『昔の話』というシリーズの中で書いている元夫の家族に関する事やママ友関係の話は今から20~35年前の事で今現在の事ではありません。
Nさんが義父と上手くいかないことや子供の躾や教育のことで悩んでいた事は知っていましたが、そんな深刻な状態に陥っていることに気づかなかった私。
「〇〇教の人達に1800万円盗られてしまった」という話を聞いた時は、
あまりのショックで夢かドラマでも見ている様な気持ちになったぐらいでした。
でもそんな事を言っている場合ではありません。
Nさんからどうしてそんな事になったのか詳しく聞いてみることに。
すると、精神的に参っている人をターゲットとした巧妙な罠に
Nさんがまんまと引っかかってしまった事が分かったんです。
以下、Nさんの話です。
半年ぐらい前ある日突然女の人が家に来て
「とてもいいストッキングがあるんですがいかがですか?」と言われた。
「間に合っています。すみません」と断ったら
「そうですか、お忙しい時間に申し訳ありませんでした」とすぐに帰ってしまったので
「訪問販売の人って凄くしつこい人が多いのに珍しいな」と思った。
すると次の日その人が来たので
「やっぱりこの人もしつこい人だったんだ」と思って
「何度来て頂いても買うつもりありませんので」と言ったら
「違います。今日はNさんにこれをお渡ししようと思って伺ったんです」と言われた。
その女性が持ってきたのはハーブティーで
「昨日伺った時、顔色がとても悪くて元気もなかったので、少しでも良くなればと思って元気が出るハーブティーを持って来たんです」ということだった。
「赤の他人が私のことをこんなに心配してくれてわざわざハーブティーを持ってきてくれるなんて」と感激して泣いてしまった。
するとその女性が「何かお辛いことがあるんじゃないですか?もし私で良かったらお話を伺いますよ?」と言ってきたので、家に上がって貰って自分の悩みを全部話した。
話を聞いた女性に「私で良かったらこれからもお話をお聞きしますよ。だから遠慮しないで何でも言ってくださいね」と言われた。
その後家に何度も来て貰う様になって急激に親しい中になり、その女性の事を心の底から信じるようになっていた。
するとある日その女性が突然「実は私もNさんと同じような事で悩んでいたんです。でも〇〇先生の所に通うようになったらすっかり元気になって今ではこうして仕事もできるようになったんです。もし良かったら私が紹介するので一緒に行ってみませんか?」と誘われてつい一緒に行ってしまった。
初めはそこが〇〇教ということに全く気付かず、自分の様に辛い毎日を送っている人を助けてくれる「お教室」のようなものだと思っていた。
そしてその先生から「今の辛い生活から抜け出すためにはこれを家に置いておく必要がある」と言われ、勧められるままに壺や掛け軸などを購入してしまった。
気が付いた時には結婚後に貯めていたお金を全て使ってしまい
「もうお金がない」というと、「お金を貸してくれるところを知っているのでそこから借りればいい」と言われ、その時初めて「それはおかしい。怖い」と不安に思う様になった。
そして「アキさんだったら何て言うだろう。アキさんに相談しないとダメだ」と思った。
「早くアキさんに言わなきゃ。でも何て言ったらいいんだろう」と困っていた時アキさんから呼ばれて「何かあった?」と言って貰えたので思い切って打ち明けることができた。
この話を聞いてショックだったのは
「まさかNさんまでがあの悪名高き〇〇教の被害者になるなんて」ということと
「どうしてもっと早くに気づいてあげなかったんだろう」
「自分がこんなに役立たずだったなんて」ということでした。
当時大勢いたママ友の中で、
唯一心の底から信用できたのはNさんだけだったからです。
そんなに大切なママ友がそこまで悩んでいて、あんな悪徳教団に騙され続けていたというのに、私は全く気付くことができなかったわけです。
あの時ほど自分を情けなく思ったことはありませんでした。
そして一大決心をした私。
Nさんの1800万円
絶対に取り返すから
あの男を利用して
つづく。