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これは私の姉がまだ保育園の副園長として
朝早くから夜遅くまで働いていた頃のお話です。
その当時、仕事に追われていた姉夫婦。
買い物は休日に1週間分まとめ買いするのが習慣になっていました。
そんなある日のこと
いつものように大型スーパーで
一番大きなレジ袋６個分にもなる
大量の食料品を買いこんだ姉夫婦。
レジ袋にせっせと詰めている最中、
すでに詰め終わったレジ袋にふと目をやると
見知らぬ老婆がその中のひとつをサッと手に取り
出口の方に向かっていくのに気づいたんだそうです。
義兄がすぐ後を追い
「ちょっと！お婆ちゃん！そういう事しちゃダメだよ！」
と声をかけたところ・・・・
老婆：はい？
義兄：それウチが買った物でしょ。返して。
老婆：何言ってるんだい！これはアタシが買ったんだよ！
義兄：そういう嘘言ったらダメだよ！
ちゃんと見てたんだから！
老婆：知らないよ！勝手なこと言うんじゃないよ！
そう言うと、速足で逃げようとする老婆。
ちょうどその時、スーパーの警備員が
近くを通りかかったので、義兄が大きな声で
「警備員さん、ちょっと来てください！」と叫んだそうな。
警備員：どうしました？
義兄：このお婆さんが僕らが買った物を盗んで逃げようとしてるんです。
警備員：え！？お婆さん本当にそんな事したの？
老婆：そんな事してないよ！これはアタシが自分で買ったんだから！
警備員：じゃあレシートを見せて貰えますか？
老婆：そんなもんもう捨てちゃったから無いよ！
警備員：どこに捨てたんですか？
老婆：忘れたね！
義兄：(警備員に)ウチのレシートお見せしますよ。
そうすればこのお婆さんが持ってる物が
ウチの物だと分かるはずです。
警備員：そうですね。では大変申し訳ありませんが
このお婆さんと一緒に来て頂いてよろしいでしょうか。
義兄：構いませんよ。
ということで、スーパーの事務所に行った姉夫婦。
連絡を受けた店長がやってきたので、
店長・警備員・老婆の目の前で、
姉夫婦が持っている５個のレジ袋の中身と
老婆が持っていたレジ袋の中身を
テーブルの上に全部出して
レシートをチェックしていったところ
老婆が持っていたレジ袋が姉夫婦の物だという確認ができたと言います。
義兄と警備員から事情を聞いた店長
「かなり悪質だし完全に慣れてるよね？
窃盗の常習犯の可能性もあるし警察呼ぶからね」
それを聞いた老婆は突然立ち上がり
こう叫んだそうです。
違うんだよ～～！
今日は生理で情緒不安定だったんだよ～！
結局パトカーに乗せられて連れて行かれた老婆。
その後、窃盗・置き引き・万引きの常習犯で
前科9犯だったことが判明したそうです。
それを知った姉は
あのお婆さん、あんな年になるまで
一体どういう所でどういう生き方をしてきたんだろうね
そういって涙ぐんでいました。
トンチンカンでオッペケペーだけど
誰よりも心の優しい姉らしいな～っと思った私です
