ポークビッツ博士のB級映画探索隊
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原始怪獣現る The Beast from 20,000 Fathoms 1953年

震災時にはいろんな方々から暖かいお言葉を頂戴いたしました。
とても心強く、そしてまた嬉しかったです。
本当にありがとうございました!

タイトル変更し、気分一新でがんばります!


原始怪獣現る 1953年米


監督 ユージン・ルーリー
原作 レイ・ブラッイドベリ
特撮 レイ・ハリーハウゼン

この作品、ゴジラの元ネタとして有名ですが、
ハリーハウゼン大先生の特撮デビュー作でもあります。




舞台は北極。

トム教授とその仲間たちはここで秘密の核実験を行っていました。
今回もうまくいった模様です。

「よし、データの回収だ、一緒に来てくれ。」

同僚一人を伴い、トムは現場にある観測機械の元へ向かいました。





するとそこは北極なのにグリグリ動きまくる恐竜の姿が!

そう彼らは北極の深海に眠る一億年前の恐竜を
核実験により甦らせてしまったのです。


二人はこいつに襲われ同僚は死亡。

しかしトムは奇跡的に気を失っただけですみました。






「だからね、怪獣が現れたんだって。ほんとだってば!」

救出されて病院のベッドに横たわるトム。
軍の関係者は頭でも打ったんだろうと、いっこうに取り合ってくれません。

彼らに見切りをつけたトム君は、
別の人物に話を持ちかけることにしました。




病院を抜け出し、トムが向かった先は
古生物学の権威エルソン教授の研究室。

そこには30年間休みなしで働いているという、
す○屋もびっくりのエルソン教授と
お約束の美人助手リーちゃんがいたのでありました。

「30年ぶりの休暇じゃ。キャンプにいく子供のような気分じゃよ。」

エルソン教授は久々の休暇を前に、超ゴキゲンでありました。

そこへやってきたトム。

自分は科学者で放射能の研究をしていると告げます。

そんな男が何しに?

いぶかしがるエルソン教授にトムはこう告げたのであります。





「北極でこんなん見たんです。というか襲われたんです!」


はっ!?思わず顔を見合わせるエルソンとリー。

「おいおい、冗談はよしてくれたまえ。
こいつはリドサウルス、生きてりゃ一億歳だよ。」

と大爆笑。

しかしトムは本気です。

「エルソン教授、私も科学者のはしくれです。
嘘はつきません、本当に見たんです!」

しかしエルソン教授は取り合わず、トムを追い返してしまいました。


しかしリーは違いました。

そうです、トムに一目惚れでした。




「なんで誰も信じてくれないんだ!」

激おこで病院に戻ったトムでしたが、
病室に届いた新聞の三面記事に目がとまります。

カナダで船が怪物に襲われた、という記事でした。




よっし、この船に乗ってた生き残りに会いに行こう。




生き残りの船員は、トムと同じく怪獣を見たと騒いだせいで
きちがい扱いされておりましたが
トムの説得を受けニューヨークへやってきました。




「そうそう、こいつだ!間違いない!」

エルソン博士の研究室で船員が指さしたもの・・。

それはトムが北極で見たというリドサウルスでありました。

「ねっ、これで信じてくれるでしょ?」

得意げに話すトムにエルソンは困り顔です。

「見たって言ってもね、君も科学者ならわかるだろ?
目撃例だけじゃ実在する証拠にはならないんだよ。」

するとトム
「じゃ教授、太陽が欠けて宇宙に飛んでいったとします。
私なら太陽のかけらを探しに宇宙へ行きますよ。」

・・・・?
何のことかよくわかりませんが、この言葉にエルソン教授はなぜか納得。

「よしそれじゃ探しに行こう、リドサウルスを!」





そこでエルソン教授はリドサウルスが現れたという
報告があった場所を地図にプロットしていき、
やつが潜んでいそうな海溝を特定しました。

「よし、潜るぞ。」





30年ぶりの休暇の事などどこへやら、
エルソン教授は潜水艦にのると
深海へ降下していったのであります。

するとそこには案の定ヤツの姿が・・。

陸上とつながる受話器を握りしめたエルソン教授、
興奮しすぎて逃げることすら忘れ、実況を始めました。

「リー、聞こえるか?まさに生物学の奇跡じゃ・・・。」

「教授、そんな事より早く逃げないと!」


「ワシは大丈夫じゃ。それよりなんて大きさだ・・。
背びれが二枚あるが、何より特徴的なのが口・・・・ぐふっ。」

口が・・といった瞬間、教授の声がとぎれました。




「教授!教授うぅぅぅぅ!」

しかし深海から返事はそれきりありませんでした。


沈痛な面持ちのリーの肩をそっと抱き寄せるトム。


もちろんその優しさの裏には、カチコチの下半身がありました。

ええ、男とは放射能なしでも巨大化するのです。


そんな中、政府に置かれた対策本部に
リドサウルス上陸の知らせが入りました。





トムは武器を持ち替え、政府の対策本部に向かいます。




一方のリドサウルス。

車を踏みつけビルを壊し、警官を食べたりとやりたい放題。





逃げまどうニューヨーク市民に容赦なく襲いかかる深海の悪魔!

はたしてトムは怪獣を倒し、無事に男子の本懐を遂げられるのか!



  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


原子怪獣現わる [DVD]/セシル・ケラウェイ
¥1,543
Amazon.co.jp
ちなみにタイトルにある”fathom”とは水深1.8mの事です。

それが2万なので・・・ええっと・・・・叫び

まぁ、それくらいの深海に眠っていた恐竜のお話です。



ちなみに↑のDVDの中には特別収録として
ブラッドベリとハリーハウゼンの対談が入っています。

この”レイ”コンビは高校の同級生なんだとか。

すでにどちらも故人ですが、おとなしいハリー大先生に比べて
ブラッドベリのしゃべることしゃべること!

死にそうな顔しながら、最後までしゃべり倒しています。








地震の夜



こんなに長くアメブロを離れているにもかかわらず、
数々の暖かいメッセージやコメントを頂きました。

年のせいか涙腺も膀胱も緩くなっているので、思わずどちらかが漏れてしまいそうです。

避難所で不安を紛らわすために書いたものなんで、公開するつもりはなかったんですが
安否を気にして下さった方にお礼の意味を込めアップいたします。




大きな地震は二回だった。

最初の地震の後は、誰もがまだ気持ちに余裕があったように思う。

ライフラインもなんとか保てていたし、日中は営業しているお店もあった。

しかし次に襲ってきた本震にはさすがに参った。

真夜中に突如、家中の携帯がけたたましい音をたてて鳴り始めたかと思うと
どーんという音と共に、間髪入れずに前日をしのぐ大きな揺れ。
とっさに子供を抱え立ち上がろうとしたが無理だった。

大きな箱の中に入れられ振り回されてるような状態では、
人間は何もできないことを悟った瞬間、明かりが消えた。

私たちは暗闇の中ただひたすら待った。

時間にして二、三分だったと思う。

私は家の下敷きになることを覚悟したが、幸いにしてそれはなかった。

ようやく揺れが弱まり外へ出てみると、近所の誰もが車に乗り込み
大慌てでイグニションを回している。

聞けば津波警報が出たのだとか。

私たちの住んでいる場所は、大きな川に沿った地形で海にも近く
おまけに高い建物もすぐに歩いて行ける距離にはない。


お隣さんは山手へと避難するというので、
後日の再会を誓い、私たち一家も山手へ向かうことにした。

しかし山手へ避難する車の群れは気持ちの焦りとは裏腹にいっこうに進まず、
ついに私たちは車中で津波到達時刻をむかえた。

幸いにして津波がここまで押し寄せる事はなかったが、
高台まで距離があるこんな田舎では誰もが車で避難するしかなかった。

避難に車を使うなとネットやらで言ってる人たちは、津波警報直後のわずかな時間内で、
子供を抱えて数キロ先の安全な場所まで余裕でたどり着くという
人間離れした運動能力を持ってるに違いない。

そんな人間離れした能力をもっているであろうスーパーマンの君たち
君らの持つそのスーパーパワーを是非この被災地で使ってくれ。

そんなことを考えながら私は渋滞の続く車列を離れ、もと来た道へと車を滑り込ませた。

そして一旦避難所に家族を置き、私だけが毛布と身の回りの物を集めるために家に戻った。

こういう時、明かりのない家の中では、ライト代わりの携帯が役に立つ。

そう、私の携帯も大活躍してくれた。漫画本の角にちょっと当たったがなんてことない。

この灯りがなければ真っ暗な家の中を這いずり回ることは不可能だったろう。



とりあえずみんな無事、そんな当たり前のことが何よりも有り難いと思った。


ついでにiPhoneのガラスは、もう少し硬くてもいいのではないかとも思った。







SOS地球を救え 1960年伊 秋味スペシャル

またまた天から何かが落ちてくる!
恐怖のマカロニ・アルマゲドン 第二弾

『SOS地球を救え』

Assignment Outer Space 1960年 伊 

と、その前に・・・


えっ?なんで4ヶ月も失踪してたのかって?

アメバの運営からログインパスワード変えるように言われて
変えた途端、それがなんだったか忘れちゃったんだよ・・。


おまけにリセット用の登録メールアドレスも記憶になくてさ・・・


さよならボクのマイページ・・・。
切ないけど、このまま炭化しちゃおうかと思ってたんです。


でもある日、奇跡的にわかったんですよ、そのパスワードってのが。

なんとフェイス何とかのと同じだったんです!

数ヶ月に一度しかログインしないアレと一緒だっただなんて、
なんという驚きでしょうか。


てなわけでございまして、4ヶ月ぶりの復活となりました
ポークビッツ博士です。


さてこのお話、以前ご紹介した「地球最終戦争」の監督
アンソニー・ドーソンの処女作です。

内容は地球最終戦争と同じくヤバイものが地球に向かって飛んでくる
という話ですが、さぁはたして今回は何が飛んでくるのでしょうか?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



時代は2017年。(なんと恐ろしいことに今から4年後・・)

ここに宇宙ステーションへ向けて飛び立つ一台のロケットがありました。

その名はBZ88号。

乗り組むのは新聞記者の若者レイとパイロットのアル、
そしてその他数名。




目的地に着くまでは睡眠カプセルというハードな設定ですが
その場所は金星と地球の間でございまして・・・。

果たしてこの距離で睡眠カプセル必要なんでしょうか?


なんて考えてるうちに到着しちゃってんですが、
なぜかこの船宇宙ステーションのだいぶ手前に止まりました。

そんでもって、先に起きたアルがレイを起こし、
宇宙服を着用させて・・。



「よし準備OK。
背中を押してやるから
宇宙ステーションまでピョーンとひとっ飛びだぞ。」

とたんにレイの顔が青ざめました。


「へっ?と、飛んでく?連絡船とかドッキングとかないの?」


アルは朝立ちの余韻が残るレイの股間を見ながら、
横に首を振りました。

「ハッハッハ。残念ながらこの船は中国製なんだ。
でもまぁ心配しなさんな。
お前さんのその立派なロケットがありゃ、あっという間に飛んでいくさ。」


そんな訳で寝起きで宇宙空間に放り出されたレイでしたが、
ふらふらしながらもなんとか宇宙ステーションにたどり着きました。

しかし・・・そこで彼を待っていたもの、それは・・・。




「貴様ァ、一体何しにここへ来たんだ!」

指令官ジョージの冷酷非情なあしらいでした。


「いいか、貴様みたいな奴をなぁ、ここじゃ寄生虫って言うんだ。
仕事もしないくせ飯ばかり食うような能なしに名前なんかもったいない。
お前は今日から寄生虫Z-41号だ。」



てな感じで誕生した寄生虫Z-41号に支給された制服ですが
バックプリントがいかしてます。

ところでこの宇宙ステーション、実はレイだけに限らず
全員が番号で呼び合っているのです。

普通に名前で呼んだ方が早いと思うんですけど、
なんかこれ、司令官の好みだそうです。




さてそんな寄生虫Z-41号に初取材のチャンスが訪れました。

なんでも先ほど自分が乗ってきたBZ88号に、
これから燃料補給をするというのです。


さっそく宇宙空間に飛び出しカメラを回すレイでしたが、
そこへ突然の隕石群が飛来しました。


隕石は大変器用にレイの脇をかすめ、
そばにいた作業員Y-13を直撃しそうになりました。



とっさにY-13を突き飛ばしたレイでしたが、
その反動で作業員Y-13が給油ホースにぶつかり
給油口から外れてしまいました。




おかげでだいぶ燃料が漏れちゃいましたが人命には変えられません。

レイは自分の活躍に酔いしれながら
意気揚々と宇宙ステーションへと引き返したのでありました。


「フッ、これでアイツも認めてくれんだろ。」


ところが・・・帰ってきたレイを待っていたもの、
それは前にも増して怒り狂ったジョージでした。




「ゴラァ!寄生虫Z-41号!貴様のせいで燃料が台無しだ!」

「おい、ちょー待てよ!待てよってば!
俺が助けなかったらY-13号死んでね?それでもいいのかよ?」

するとジョージは細い目を更に細くしてレイをにらみつけました。


「当たり前だ!人一人の命なんかより燃料の方が大切なんだよ!
わかってんのかこのウジ虫、クソ野郎!ウンコたれ!」

激しいののしりでしたが、レイはたじろぐこともなく言い返しました。

「はいは~い、残念でした。クソとウンコって同じですぅ~。
おれ新聞記者だから、そいうの敏感なんですぅ~。」



するとジョージはそっぽを向いて鼻で笑い、

「はい、もう寄生虫と話すのやめました。」

という捨て台詞と共に、レイを司令室から追い出したのでした。


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


「クソオヤジが・・。こんなとこ来るんじゃなかった。」

憮然とした表情を浮かべたまま船内をうろついているレイでしたが、
昔から捨てる神あれば拾う神ありと申しますように、
彼の前に
偶然先ほど命を救ったY-13号が現れました。




「さっきはありがとう。お陰で命拾いしたわ。」


にっこり微笑むY-13号はなんとナオンではありませんか。

「エッ、Y-13号って君だったの?
俺はてっきりオイリーなハゲオヤジだとばかり・・。」

「いやだわ。私はルーシー。ジョージの事ムカツクでしょうけど
許してやってね。彼も色々大変なのよ。」


じ、ジョージだとぉ・・・・。こっ、こいつらデキてやがるのか・・・。

その瞬間、レイの瞳の中に復讐の炎が灯りました。


Y-13、いやシールー、
お前をぜったいぜったい俺のナオンにしてやる!


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


しかし状況はにわかに緊迫しはじめます。

先ほど自分の乗ってきたBZ88に、これから司令官とルーシー
その他数名が乗り込み火星基地へ向かうと聞きつけたレイ。

そこに何か重大な秘密を嗅ぎ取ったブンヤの若造は
地球にあるコネを使いBZ88号に強引に乗船しました。


 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆レイの日記より *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 『日記さん。恥ずかしいけど正直に告白しちゃうよ。
 そう、もはやこれはジャーナリズムなんかじゃない。
 まぎれもなく奴への復讐なんだ。
 ボクちんはシールーを自分のナオンにするためだけに
 BZ88号に乗り込むのさ。秘密だよ、日記さん』

 *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆引用終わり *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆




さて、そんな訳で勝手にBZ88に乗り込んで来たレイでしたが
なんと自分の座席がありません。

椅子くれと文句をいうレイにジョージが満面の笑みで答えました。

「お前は空気椅子。」

何言ってんだこのオッサン、
とばかりにジョージを睨み付けたレイでしたがその瞬間、
自分だけヘルメットをかぶってないことにも気づきました。



「ちょ、ちょー待てよ。
てか、みんなヘルメットあるのに、
なんで俺だけノーヘルなんだよオッサン?」


「・・・。」



「コレって国の安全基準に違反してんじゃ?
俺、書いちゃうよ新聞に。」



「・・・。」


「あぁ、そういう事ね。ていうか、アンタってそういう事する人なんだ。
へぇ~。」

そのとき、無言のジョージにかわってパイロットが口を開きました。

「司令官、発射準備完了です。」

するとジョージ、再び満面の笑みで命令を下したのでありました。

「よし、エンジン点火、発射!」


打ちのめされたレイは哀れにもノーヘルで
おとなしく棒につかまる事となりました。




「・・・今に見てろよ・・・。お前の可愛いシールーを
俺様のきのこの山でパックンチョしてやるからな!」



さて、そんなこんなで火星基地に向かうBZ88の元に

別のロケットからの遭難信号が届きました。



「SOS!ロケットが制御不能で、どげもこげもならんとです!」


「了解!火星周回軌道を維持しろ、今すぐ助けに行く!」


「それができんけんSOSたい!
ばってんもうよか、俺はもうよかけん、
さっきロケットから飛び降りた奴ば助けてやってくれ。」

ひゅーぼかん。


ジョージは急いで漂流船へ向かおうとしましたが
残念ながら間に合わず、
漂流船はフォボスに衝突して木っ端微塵となりました。

しかしさっき飛び出したというアホな乗組員は、なんと

火星の水たまりに落ちたので無事でした。



み、水たまりってアンタ・・・・・・・・。



さて、そんなこんなでようやっと火星基地に到着したBZ88号でしたが、ジョージは息つく間もなく金星に向かうと言い出しました。


それは──金星の軌道をかすめて暴走する光子ロケットM-20に
ミサイルを撃ち込むためでした。


この光子ロケットは地球へまっしぐらに向かっており、

このままだと地球に墜落し、人類が滅亡してしまうのでありました。


つまりこのロケットを止めるというのが、
彼らに課せられた極秘任務だったのです。


ちなみに先ほどの遭難船も、この光子ロケットの暴走により発生した

得体の知れないエネルギーフィールドにより制御不能となったのです。



てなわけで金星についたBZ88号はM-20にミサイルを撃ち込んだのですが、
例の光子フィールドに阻まれて撃墜できませんでした。



そこで冒頭に登場したパイロットのアルが(乗ってたのね)
小型の宇宙船に乗って、M-20の光子フィールドの間隙をつき
ミサイルを撃ち込むという作戦に切り替えました。




が、これが光子フィールドに近づきすぎて失敗、
アルは帰らぬ人となりました。


「なんて事だ・・・。」

ジョージが眉間のしわをさらに寄せて嘆きました。

するとさっきまで棒につかまっていたレイが何かに閃きました。

「待てよ。ちょー待てってば。
これってさぁ、アルのおかげでフィールドの隙間がわかったって事だよね。
俺、今から宇宙タクシー使ってちょちょっとM-20に乗り込んでみるわ。
うまくいったら操縦席入ってソレ止められんじゃないかな。」


なんとレイ、アルの犠牲により判明した光子フィールドのわずかな隙間に
宇宙タクシーでもぐり込み、操縦室へと入ろうという言うのです。

そして彼はみんなが止めるのも聞かずに
宇宙タクシー乗り場に向かったのであります。



「まてZ、いやレイ・・。残念だがそいつは俺の役目だ。」

ところが宇宙タクシーへ乗り込もうとするレイの前に
宿敵ジョージが立ちはだかりました。


「俺の拳にかけてお前を行かせるわけにはいかない。
なぜならルーシーはお前のことを・・・。グフッ」

するとレイ、ジョージの台詞を最後まで聞かずに顎に一発お見舞いし、


「へへっ、こんなかっこいい役取られてたまるかよ。」

と、その場に崩れ落ちるかつての恋敵に背を向け、
宇宙タクシーに飛び乗ったのでありました。





はい、これが宇宙タクシーです。


「レイ・・・・。」


M-20へ向けて飛んでいくレイの姿を見つめるルーシーの目から
一筋の涙がほおを這って落ちていきました。

(レイ、きっと帰ってきて・・そして私を強く抱きしめて。
そして・・・できれば秋の味覚で・・・・。)



一方、そんなことは知ってか知らずか、今や熱病のようにわき上がった使命感に全身を支配されたレイ。


彼はタクシーの床に転がっていたスパナやレンチをぽんぽん投げて、
見えないフィールドに当たったのを確認しつつ、
慎重にタクシーをその隙間へと滑り込ませていきました。


しかし!!!

船体まで後一歩のところで、床に転がった工具がなくなってしまったではありませんか!

そこでレイは、なんと自分の酸素ボンベから
レギュレーターらしき装置をもぎ取ると、
ぽーんと見えない壁に向かって投げたのでありました。

バチッ。

見えない壁の場所はわかりましたが、
これでレイは宇宙服に残ったわずかな酸素だけで
任務をやり遂げなければならなくなったのです。


果たして暴走する光子ロケットを止めることができるのか?

人類最後の希望を背負い、レイは暴走ロケットの中へ!


入りました。





んで・・・止めました。


おかげで今回も地球は無事でしたとさ。


めでたしめでたし。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


秋の恵み、サイズは小さくても
国産にこだわっていただきたいものです。


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