7月27日15時 

指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)

チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 op.17『ウクライナ(小ロシア)』[1872年初稿版]
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op. 74『悲愴』

前回のチャイコフスキー3番、4番に続き、今回は、2,6
ノット監督の任期は、公式発表にも有ったが来年限り、
とういうことは、来年のオープニングコンサートの演目は、1, 5か、

プーチンのウクライナ侵攻以降、言い方には気を付けているが、
交響曲2番が小ロシアと呼ばれれ、別称ウクライナと、堂々と表題記載する解説はどうかなと思う

本日のコンマスは景山昌太郎、聞きなれない名だったが、主に海外でキャリアを積み、2013年より、ハーゲン歌劇場オーケストラのコンサートマスターを務めているという
ということは、水谷さんが抜けた後の、新コンマス候補ということだろう

さて今回のプログラムでも昨年と同様に、ノット監督は、従来のチャイコフスキー演奏の問題点
「これまで耳にしてきたチャイコフスキーの交響曲演奏のほとんどは、粗暴にすぎて、優美さや詩情が存分には無い」
の解決に向け、これまで経験したことの無い感動を創り出すことを、メッセージで述べていた

さて、一曲目の2番だが、私は初稿版が存在することを今日の今日まで知らなかった、不明を恥じるべきなのだろうが、普通は知らないですよね
今回は、ノット監督の表現に由ればクレイジーな初稿版が採用されたという
聴いてびっくり、1楽章から結構違う楽想が含まれていて、4楽章もなかなか終わらない
チャイコフスキーは諄いとか、冗長だとか言われることが多々あるが、その意味で初稿版は外連味たっぷり、好事家には堪らない演奏だった

後半の悲愴、少なくとも粗暴ではなかったが、適度にダイナミックで、優美さは抑え気味、そして、詩性は感じられなかった
それでも、少し前に読響で聴いた悲愴よりは格段に面白い演奏だった
管楽器は何カ所か残念なところが有ったが、フルート、クラは流石だった、

聴衆は、フェスタサマーミューザということでなのか、いつもより騒々しい人が多く閉口したが
演奏後には大きな拍手がおくられていた
それにしても、ノットの悲愴、この1回だけというのは惜しい