星組大劇『1789』観劇感想⑩ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

の続き右矢印これで最後!

 

王族(瀬央ゆりあ・ひろ香祐・美玲ひな)

みやトワ伯はとにかく“神”妖艶さと色気駄々洩れで、「私は神だ」と言われたら

「彼こそが神なのだ」と思わず納得!自分の魅力と媚薬で(笑)常に陶酔している感じ。

なんなら、心のどこかでは本当に神だと思っている節もありそう。

 

せおトワは浮世離れして怪しい美しさはあるも、野心メラメラで冷静に現状を見極め、

もしかしたらルイよりも“わかっている”「私は神だ」も別に本心とかでは

そんなことは思って居らず、自分の立ち位置をうまく利用している感じ。

ある意味、みやトワよりも人間味を感じられる役作り。

 

とにかく美しさに見とれ、ひれ伏すばかりだったみやトワと違い、

言葉の端々に賢さというか言葉巧みに人を操る感じが兄王との違いがはっきりと。

とにかく目が笑ってないんですよね。常に頭を働かせてる感じ。

なんとなく硬派な感じもしたのもせおっちならではの役作りか。

 

パーツとか(笑)顔立ちは全然似通ってはいないのだけれど、なんとなくルイと兄弟と

言われたら兄弟な気がしてくるのは、やっぱり二人が同期だからか。

前回がどうかはわかりませんが、アイシャドウとかは同じ色使ってる?

 

そんなせおっちだから、フィナーレがいつものせおっちで「おかえり!」って

気になりますねにやり知ってるせおっちでホッとするというか(割と芝居で化ける

タイプではありますけれど・・・)次は何に出るんでしょうかね、、、気になる~

 

ルイが年寄りみたいに思ってしまうのは宝塚版の弊害なんですけど(漫画はそうじゃない)

実際は革命当時は35才なんですよね。初演もそこまで年には役作りしていないが、

包容力と達観したところがあったり、民衆を(結果的に)弾圧するのも

自分が良かれと思って自分の意思で決断した風ではありました。

 

一方、ヒーローは年相応の等身大の青年。人の好さと優しさに溢れていて、

他方自分では何も決断できない優純不断さもあって。国王に生まれていなかったら

きっと良き領主として領地を治めていただろうし、よき夫で良き父親なのも間違いない。

でも残念ながら生まれは王室。本当は良くないと思いつつ、アルトワとペイロールに

押し切られ自分の意思もしっかりと固まらないうちに民衆弾圧にサインをしてしまう。

 

しかもさらに良くないことに、現状を把握する能力もないと来ている。

今起こっていることや、サインをしたことで何が起こるか、ちょっとした仕草でも

「あ、この人わかってないな」感が伝わる演技力が凄い!

今までのルイや漫画でもそうでしたが、有能さや陰では分かっている感が

あったと思うのですが、ここまでふわふわとした作りはあまり見たことがなく新鮮。

『赤と黒』があまりに色悪だったので、その振り幅には感服しきりでした。

 

王太子の美玲ちゃん、まだ研3なのですね!これまでに何やってたかなと思ったら、

アンジェリークの若いころとかディミトリの若いころとか。なるほど子役が板についてる(笑)

初演の時もですが、「♪三部会」の「倍だねドキドキ」が可愛くて好きでした!

初演より少し子供っぽい雰囲気、実際に亡くなったのも7才だとか。。。そうか。。。

 

 

側近(輝咲玲央・白妙なつ・輝月ゆうま)

月組ネッケルは本当に国を憂いてて、自分の手ではもうどうしようもないと

分かったときに無力感に苛まれてフランスを後にしたといった風でしたが。

星組ネッケルは自分の政治力に自信を持っていてそれを試したくて、

それが無理だとわかったら「次いこか~」ぐらいのあっさりさ。

国や王家に忠実なわけでなく、あくまで職務に忠実といった風。

 

普段の色悪さは封印していて誠実そのものといった風ではありますが、

どこか裏があるんじゃないかと(笑)ついつい思ってしまうオレキザキクオリティ。

ネッケルって実はブルジョワ階級なんですよね。それでもどこか

ロイヤルな雰囲気と偉丈夫感漂うネッケル大臣でした。

 

月組ポリニャックも優しさとマリーとの絆が見えて、パリからの脱出も

本当は王妃も一緒に脱出して欲しくて安否を心から案じている感じ。

ポリニャック夫人と言えば『ベルばら』の彼女なので新鮮に思えました。

 

白妙ニャックは一見王妃の良い相談相手というか、頼れるお姉さんというか。

フェルゼンとの仲立ちも気前よくやってる風ですが、ふとした表情が

笑ってないんですよね叫び三部会のとき、「決して勝てない仕組みだ」の所

アルトワとハモっているんですが、この時の勝ち誇った顔と言ったら!

ポリニャックが当時王妃の威をかってどれほどの権勢を誇っていたか。

ハモりは月組も同じなのですが、なんとなくすーニャックはそんなこと言わないと

思い込みがあるというか(笑)ハモってたことも今回初めて知りました。

 

極めつけは亡命時。これまで見え隠れしてたドライさが顕著にでて。

物腰は丁寧だけれども、一刻も立ち去りたい感が良く見て取れます。

ネッケルとポリニャック、二人の関係の違いも初演と見比べて楽しめますね!

 

一方、初演と全然変わらず恐怖の対象ペイロール。普通に怖い!

拷問シーンなんて、同期の礼君と息が合いすぎてさらに迫力があるものになってます。

 

感じ方の違いがあるとしたら、月組はとにかく神から神権を授かった国王や王室、

貴族の高貴さというものに陶酔していて、王に逆らうは神に逆らうのも同義であり、

神罰が食らうぞ!ぐらいの勢いで、真っ赤に燃え滾る紅蓮の炎のような人物。

それゆえに、王室をあがめ民衆を見下し、虐げることに快感すら覚えてそう。

 

一方、ポンロールはなんだか非情で冷酷な軍人といった風ではあるが、

あくまで職務に忠実なだけ。月組はとかく大貴族代表って感じではあるんですが、

コチラは貴族である前に軍人なんですよね。軍人としての規律、縦社会に生きてるから

たとえやってることは拷問であったり民衆を威圧する行為であっても、

ポンロール自身の心が全然見えない。キリングマシーンのような存在。

 

 

秘密警察(碧海さりお・稀惺かずと・大希颯)

月組ではロイヤルゆりや君の品の良さと絶妙なおとぼけ具合が出てたラマールでしたが、

月組より真面目でしっかりもの(でもから回ってしまう)コミカルさを出しつつも

場を壊さず、下二人に対しては威圧的だけど嫌味になりすぎず。

『ベアベア』でも演技が上手いと思っていましたが、間の取り方が何とも絶妙で。

 

今回はよりオランプに対する情愛というのがよく見えてた気がします。

そして、アルトワ伯に対しては職務以上の忠誠心はなく、だからかアルトワ伯に隠れ

こそこそ助けてあげるのが何ともいじらしくにやり彼女自身の誠実さも相まって、

非常に魅力的なキャラに仕上がっていたと思います。

 

それにしても、初演の時に初舞台を踏んださりお君がこんなに大きくなってと

とても感慨深い気がしますねにやりなこちゃんたちはそれより下級生ですが。。。

 

トゥルロワも月組同様同期コンビ。なんだろう、、、月組はいただけで

なんか笑えてしまった二人ですが(笑)こちらは上司も真面目になった分

二人も真面目度が上がっている気がします。月組の二人はラマール同様

オランプが好きそうでしたが、こちらはあくまで職務に忠実で何とも思ってなさそう。

 

秘密警察といえば、やはり牢獄のロナンに会いに行くところが見どころ。

牢番の人がどんどん食い気味に「知らん!」っていうのが笑えてくる(笑)

 

 

久しぶりにここまで書いた気がする。。。とりあえずここまで。

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長々とお付き合いいただきありがとうございました!!

次に観るのはもう大千秋楽の配信えーんその前にBlu-ray発売がありますね!

早く月組版と見比べをしてみたいところグー