星組大劇『1789』観劇感想⑨ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

の続き右矢印

 

フェルマリ(有沙瞳・天飛華音)

ちゃぴマリーがある意味自分が退廃的であることを自覚しつつもどうしようもなく、

見て見ぬふりをして過ごしている感があり、ある意味新しいアントワネット像だとしたら、

くらっちマリーはちゃぴちゃんよりも幼く愛らし気で年齢や責任に精神的成熟さが

追いついていないというか、それこそ自分たちが想像するアントワネット像といった風。

 

カジノで遊び、アクセルとの恋に一喜一憂し、ちょっとしたことで癇癪を起して嘆き、

王太子の死で人目も憚らず深く哀しみ。どちらのマリーも同じではあるのですが、

ちゃぴちゃんの場合は謎の存在感と貫禄が流石トップ娘役といった風で

(考えたらまだ新公学年だったんですが)おいおいと思う行動も、

そしてよく考えたら(何を呑気にと言った意味で)突っ込みどころ満載な

1幕ラストのソロ部分も(笑)刹那的なゆえの行動だとも。

 

くらっちの場合はただ王室に生まれて嫁いでしまっただけの平凡の少女で

ちょっと頭もお花畑で、パレロワイヤルの時なんて少しメンヘラな部分もあったりで。

それでも一つ一つの経験が彼女の精神を大人にし、自分の立場を理解していく。

元から理解していたちゃぴちゃんとは違ったアプローチのように思えます。

 

最初のアプローチが違う分、2幕のアントワネットも違って思いますね。

ちゃぴトワネットがベールを脱いだのであれば、みほトワネットはややまだ

あどけなさが残りながらも母親、そして女性としての自愛に満ちた表情に、

ようやく王妃としての立場と覚悟を決めたのだと。、、、これがもう少し早ければえーん

 

個人的な感想としては、1幕はちゃぴちゃん、2幕はくらっちのが好きだなぁと。

初演の衝撃もありますが、やっぱり某作品のステレオタイプにゴリゴリ固まってしまった

アントワネット像を壊してくれた、新しいアントワネット像に感銘を受けたのと、

この作品でちゃぴちゃんが一皮むけたのもあり。最初の「♪全てを賭けて」での

登場シーンで、一気に引き込まれたのは今でもよく覚えています。

 

一方、今回は集大成のくらっちは、2幕での王妃の務めを自覚しての「♪全てを賭けて」

リプライズと「♪神の裁き」が、これまでの力全てを出し切ってて。

特に、透明がかった「♪神の裁き」声、音圧ともに圧倒されました。

その前のフェルゼンやオランプとのやり取りの表情がまたいい。

ちょっぴり、前回『赤と黒』で撃たれる前のルイーズの表情を思い出しました。

 

・・・ここだけの話。アントワネットもそれはもう素晴らしかったのですが、

娘役としての集大成がアントワネットであれば、演者としての集大成は

ルイーズの方だったかなと。まぁあちらはヒロインだし、がっつり歌もあったしですが。

本当に演技も歌も素晴らしくて(礼君と二人で歌うシーン、二人とも首筋に

めっちゃ血管浮き出てて本当にすごかった)あぁ、辞めるのかな、、、とも思ったりで。

 

まぁそういう意味では、集大成と言える役が全く別のお役で2回も観れたとも

言えますけどね。出来たら外部でも舞台に出てほしいところですが、、、

彼女の姿を宝塚ではもう見れないのが本当に残念でなりません。

 

玉姫、乳母、バテシバ、ルイーズ。考えたらくらっちが演じた役で好きなのは

黒髪が多い気がする(笑)ティアも好きだったけれど、あれも考えたら黒髪だわにやり

 

天飛フェルゼン。あり君より学年が上なのもあり、若いけどくらっちアントワネットも

若く作られているので、年のころは同じようにも見える。

気品もあり、アントワネットを思う誠実さもにじみ出てて、軍人らしい芯の強さ

(あと普通に恰幅も良いw)演技は抑え目ながらも熱さもあり。

 

今回の改変で言いかたはあれですが割を食ってしまった感もありますが、

出番の少ない中でも存在感を発揮していたと思います。

願わくば、アントワネットとのデュエットを聞きたかったところではありますが。

 

アントワネットとの演技も良かったですが、ロナンとの演技も良かったですね!

戦いのシーンでは一応市民で手加減していたところを背中を叩かれてしまい、

愛する人の前で少し恥にも思ったのか向きになって戦ったり。

そんな相手と再び会ったときはわだかまりを捨てて素直に礼を言ったり。

フェルゼンのまっすぐさと人の良さがよく表れていたと思います。

 

 

ちょっと学年の話をしていたので、初演と再演で何年目で演じたか比較をば。

前に書いてるのが月組、後ろが星組。名前は省略。

ロナン    (研15)(研15)

オランプ   (研8・研5)(研8)

アントワネット(研7)(研12)

アルトワ   (研13)(研15)

デムーラン (研13)(研12)

ダントン   (研15)(研12)

ロベピ    (研8)(研10)

ソレーヌ   (研9・研7)(研11)

リュシル   (研12)(研5)

マラー    (研15)(研19)

シャルロット (研4)(研7)

ペイロール (研16)(研15)

ラマール  (研11)(研9)

トゥルロワ  (研7)(研5)

ルイ     (研18)(研15)

ネッケル  (研14)(研18)

ポリニャック(研16)(研20)

フェルゼン (研4)(研8)

ピュジェ  (研40)(研31)

 

全体的に星組の方が学年上?(でもないか?)奇しくもロナンは同じ学年ですね。

星組版、95期と98期で主要中の主要の役を7人も占めとる(笑)

飛鳥さんが研40だったのもビックリでしたが、みきちぐさんがもう

研31にもなっているのもびっくり叫びあんなダンスキレッキレなのに。

 

続く右矢印