⑦ のつづきこのお二人に関しては私なんかが語るより~なんで、あっさりめですw
嵐のように生きた男と、その男に生涯愛されていた女(柚希礼音・夢咲ねね)
フライングディスクという衝撃的な登場の仕方なナポ礼音。流石歴史に名を残す人はやる事が違うなとw
若き日のナポは夢を抱く。「人が生まれに拘らず幸せになれる世界を」「平和にみたされた世界を」
「理想の国を僕は造る」「その日が来ると信じて」「僕は眠らない」その時に備え、例え雪合戦であろうと
手を抜かないし、机が空を飛ぼうと勉学にいそしんでいますw
決して平坦な道ではなかったけれども、革命の混乱期に着々と出世の階段を上るナポレオン。
一方、一人の女性が処刑されようとして寸前で助けられます。彼女は自分の運命を信じ、何よりも自分の
子供たちの為に死を恐れなかった。そして牢から出た後も動乱期を逞しく生き抜いていきます。
やがて二人は出会い・・・その名はジョセフィーヌ。社交界の女性のほとんどが汗と煙硝の匂いが漂うナポ達を
敬遠する中、ジョセは嫌いじゃないと言い。その瞬間、ジョセのその全てに恋してしまったと言っても
過言じゃないでしょう恋に奥手だろうと、部下に笑われようとそんなのお構いなし!
ひたすらジョセに向かって突っ走っていきます
一方ジョセ、彼は嫌いじゃないけれど結婚相手だなんて考えたこともない。そもそも、ジョセの生き方では
男性は利用するものであって(もちろん自分と子供たちが生き抜くために)恋をするという対象じゃなかった。
そんな思いがけない戸惑いを感じつつ、結局生きていくためにナポと結婚します
(そこまでに至る、例のバルコニーはここでは省きますwだってあちこちで盛大に語られてますから(笑))
このように恋に溺れてしまったと周囲にも思われていたナポでしたが、理想は忘れてはいません!
平和な世を作るために軍を率いて遠征をその間にも、もちろんジョセの事は忘れてはいませんが
ナポにとって理想の世界を造るのも、ジョセを愛するのも、等しく大切な事だったんでしょうね!
(そして片方に天秤が傾いてしまった事が、ナポの失墜の始まりでもあります)
ジョセはというと、戸惑いが結局行動に出てしまいます傍にいる時はナポに恋していたけれども、
そのナポが身近にいない以上他の男にいてもらうしかない!手紙なんてくれるけれど、私の傍に
いないじゃない?ということで、イケメン軍人と愛人関係に
もちろんそんな奔放さも好きになった要因でもあるけれど、(だからこそ1度目は本当は分かっていても
許したのでしょう)2度目は流石に「ねね・・・じゃないジョセは俺のモン」と嫉妬に大激怒
(実際2度目の時はジョセは浮気じゃなかったのですが・・・まぁ自業自得ですね)
それでも(ウジェーヌ達からの嘆願があったとは言え)許してしまうのがナポ礼音ですね(笑)
この頃には、ジョセも本当に“愛”という意味を理解し(遅いよ、もう!)見かけだけではない、
内面から女性としての美しさが表れているかのようでした
そして、とうとうナポは皇帝の座に女王にはなれなかったけれども、ジョセは皇妃に
ただ、この頃から“理想を果たすための手段”が目的そのものとなってしまったナポ。もちろん革命の理念を
ヨーロッパに広めるためにた戦い続けなければならなかったし、平和の維持つまり帝政を維持するためには
後継ぎを設けるしかなかった。ジョゼも継嗣を授かろうと必死になりますが、ナポや自分の地位を
失いたくないと言うよりは、ナポの意に何とかこたえようとしてるのが更に壮絶に感じます。
ですが、結局二人は別れ・・・動揺はあったものの愛するがゆえに身をひく潔さ、例え違う女が産んだ子でも
愛する人の待望の子が生まれた時の慈愛に満ちた笑み。“勝利の女神”と民衆からは讃えられた
ジョゼですが、この時のジョゼはナポを深く愛するがゆえのリアル女神でした
一方、勝利の女神と別れてしまったナポはロシアで大敗を喫しそれでも闘い続けますが、結局は
腹心からも裏切られて志半ばで帝位を退きます。。。ただ、最後まで毅然と前を向いて全てを
受け入れる姿に、この人は真の英雄なのだなと改めて実感いたしました。
なのに、何故このような結果になってしまったのか。思えば、誰もが生まれに拘らずに生きる世界を
造りたかったのに、平和を維持するために自ら帝位につき身内を王座につけ、その平和の為に
多くの人を死なせてしまったナポ。その矛盾こそが、ナポの歯車を狂わせてしまったのかもしれませんね
そんなナポの為に、ある意味最後まで闘ったのがジョゼ。敵の皇帝であるアレクサンドルに必死の嘆願。
皇帝に会うためにと化粧を施すのですが、仕草・口調どれをとっても“老い”を感じるのです。でも、美しい。
自分の死期すら悟った全てを達観した美しさと言うべきでしょうか?その姿に皇帝も心を動かされます。
そして、全てをやりきった後に疲れた体を休めるようにベットに横たわり、そのまま息を引き取ります・・・
その数年後、『眠らない男』も永遠の眠りに思えば、“眠らない”というのは単に睡眠時間だけでなく、
ナポレオンの人生そのものを指しているのかもしれませんね・・・最期の最期まで自分の信念を
貫き通した男の後ろ姿は、ただもう“かっこいい”の一言でした。
あれ、あっさり?(笑)と自分でも思いつつ圧倒的なカリスマ性、皆を引っ張っていくパワーと吸引力、
孤独、そしてジョセが好き過ぎるところwちえさんそのもの過ぎて、宛て書きと思うぐらいにピッタリな役で。
エジプト遠征で一人元気なところなんて、まんまちえさんやん~って
浅黒いメイクが精悍さを増し、軍服姿も非常にお似合いです!戴冠式のお衣装も素敵でしたが、
すぐ捌けてしまうしちえさん的にもナポ様的にも軍服姿の方がしっくりくる気がしますね!
士官学校の十代から壮年期まで演じ、他者を寄せ付けないオーラ(皆に裏切られていくシーンなんて
怖さも感じたぐらい)それでも最後まで失われない獅子の様な王者としての風格と威厳。
この役は、ちえさんにしかできないなと思うぐらいでした。本当に素晴らしかった
同じく、ジョセもトップ娘役として長年の経験を積み、ずっとトップコンビでやってきたねねちゃんにしか
出来ないなと思いました!年上として常にちえさんをリードし、大人な色香と優雅さが薫る1幕、
一転してナポへの愛ゆえに全てをなげうった、海原の様な静けさと健気さが光る2幕。
“悪女”として名を残すほど演じ方次第では嫌味が残ってしまうのが、生き方に憧れすら抱いてしまう。
なにより最期まで品よく(例のシーンでもw)宝塚娘役らしいところ。ねねちゃんの集大成と言っても
過言じゃありません!(もちろん、ねねちゃんの宝塚人生は続きますけどね)
歌がちょっとキーがねねちゃんに合わなくてきつそうだな~と思うところもありましたが声量も増えて
感情が載っているので、特に2幕は心に響きましたこちらも頭が下がるばかりです。
しばらくこのコンビで観れないのかと思うと、やっぱりちょっと残念な気がしますね~
うん、やっぱり楽日近くに観に行こう(その前にチケット)
続く