⑥ の続きやっぱりこの方たちがいると舞台が締まります。
影の支配者(北翔海莉)
大貴族の生まれのタレーランは革命の動乱時は身を潜め、収拾すると潜伏時代に築き上げていた
コネクションを駆使しバラスを持ち上げ、バラスを見限り次はナポを皇帝の地位に押し上げて帝国を作り、
そしてナポレオンが失墜すると率先してナポレオンを追い落とす側に回った
常に要所要所で出てきては、自分は表には出ずに裏工作。国を動かすのは支配者ではなく
自分だとばかりに企み顔で、いかにも黒幕風に演じておられます。
ここでの演じていると言うのは中の人ではなくタレーラン本人が。誰かの視点に立って彼を見てしまうと、
「コロコロ尽くす人を変える蝙蝠男」のように見えてしまいますが、彼の基本理念はずっとかわらず
彼本人が言っている通り「愛する祖国の安定」ただその時々で高度な政治判断を下しているに過ぎず、
その理念を完遂させるためにあえて黒幕に徹したのでしょう(かのオーベルシュタインのように)
タレーランは外交面に徹してはいましたが(その方が他国との折衝を自ら果たすことが出来るから)
政治力という面のみ観ればナポレオンに勝るとも劣らなかったのでしょう。でも、自分が出るよりも
民衆から支持が厚くてカリスマ性のあるナポレオンこそが混乱のフランスを収められると思った。
だからこそ、帝国の安定の為の皇妃選びにも足を引きずって他国との交渉を行ったし、もしナポレオンが
自滅と言っても過言ではない失脚なんかしなければ、長きにわたってナポレオンを支えたと思います。
それほどまでに、タレーランにとってナポレオンは自分が認めていた男。(バラスやシェイエス等に比べ、
明らかに見る目が違います。他の人に対してはちょっと上から目線ですし)最後、去っていく
ナポレオンを最後まで見送っていたのは、誰であろうタレーランでした。。。
一体何を想ってナポレオンを送ったんでしょうかね?
北翔さん、かっこいいっすや、演者としては前々から素敵でしたけどね、お化粧がw
それが今回、ちょっと血が通っていないんじゃないかってぐらい不気味で(少し『薔薇の封印』で
新公主演やった時を思い出しました)杖をつきながら歩く姿も人を寄せ付けないオーラーをただ寄せつつ、
それでも時折熱っぽい演技がなんともギャップで普通にカッコイイタレーランさんでした
(スチールの時にどうかと思っていた鬘もwちゃんと似合ってましたよ)
何より歌!歌った瞬間の吸引力っていうんですか?ナポ様とはまた別な引きこまれる感がありました
星組にあって、北翔さんの歌ウマ加減が目立つ目立つ花の時はそんな事思わなかったんですけどね~
(月は観ていないので)うん、星組さんレバンガこの公演で色々と吸収できるといいですね!
専科になって初めてじゃないかってぐらい“専科らしい”役で、観る前はちょっと役不足ではって思いも
ありました。が、いざ蓋をあけるとちゃんと“北翔劇場”でした(笑)や、それに食われてない
(歌唱力以外)星組さんも大したもんだと、あちら目線では思ってますよw
裏で陰謀をめぐらす人たち(一樹千尋・美稀千種・美城れん)
タレーランに比べ、明らかに小物臭がするバラス・フーシェ・シェイエスのお三方(笑)(いや、史実の
フーシェはタレーランとは違う意味で傑物でしたけどね)
フーシェとシェイエス、そしてタレーランが出てくると物語的には陰謀が張りめぐされてそうでなんとも
落ち着かないのですが、観客としては落ち着いて観られると言う(笑)
シェイエスさんのどこまでも転がってきそうな体型がなんとも愛でたくなります
(それにしても、タレーランの企み曲もスルメソングですよねwつい歌いたくなる)
バラス閣下は「いるよね~こういうタヌキおやじ」と「良く観るよね~こういうヒロさん」のコラボレーションでw
そういう意味でも安心して観れましたそういや、今回は失墜させられ、その前は何度も何度も何度も
首を絞められ、その前は跡取りに死なれ妻に愛されず娘に先立たれ・・・散々ですね(笑)
(更に前だと、どうしようもない部下のせいで相当胃に負担がかかっていたと推測される)
陰謀と言えば、追放されたシェイエスさんがメッテルニヒとして再び登場wメッテルニヒもタレーランと
並ぶ外交の天才なのですが。。。いかんせん今回は出番が1幕とっぱしの出番から胡散臭さは
ムンムンでしたけどね(笑)タレーランとの芝居は「84期万歳!」って思ってました
続く