水の中。 -67ページ目

水の中。

海外小説のレビューと、創作を。

さてさて、今回のお題は「わたしの本の選び方」だそうで。

私の場合、本は常に本屋で。しかも三分ほどで選び出します。

図書館で相性の良さそうな本と出会う、そんな時間が持てたらステキなのですが……。
いいなあ、図書館。
学生のころはたくさんお世話になったものですが、朝から晩まで会社にいる、いや住んでるんじゃないかコレ?というすさんだ生活をしている今では、住んでいる町の図書館がどこにあるのかさえ知らないのです。

このようにせかせかした暮らしぶりなので、本屋でざっと見て、気合で本を掴み取る。
その時に私がどこを参考にするかと言うと
ココです、裏表紙のココ↓

12

私はここが大好物で、必ず読みます。
ここのあらすじで、ワクワクさせてもらえるかどうか、それが全てですね。
この方法でステキな作品に出会えることは、実はめったにないのですが、それでもよいのです。

まあ、オレとオマエのハダカの付き合い、

みたいなカンジでしょうか(なにそれ)

……しかしですね、そんながさつな読書家であった私も、ここ半年ほどこのジャンルに生息していたおかげで、実はちょっと変わってきました。

なんと最近では
「これそのうち読もう~」
というリストが、自分の中にあるのです。
自分の好みだけでは、絶対に選ばないような作品のリストが。


ここの書評書きの皆さんに、感謝。



著者: 篠田 節子
タイトル: 神鳥―イビス

(ちなみに、上のほうのあらすじは、この篠田作品のもの。凄絶なホラーなのですが、主人公男女キャラが必要以上に汚い系なのは、リアリティーでも出したかったのか……。かえって漫画チックになっちゃってるとこがせつない……。)

「待っていて、イーベン。できるだけ早く戻ってくるわ」

画家の卵・イーベンが出会った少女ジェニーは、古風な服装で、話すことも奇妙に古いことばかり。
再会するたびに成長していく彼女は、わずかな時間だけイーベンを訪れ、また来ると言い残して消えてしまう……。

                                                                                     

これは最初から終わりの予感のある、はかない恋の物語です。

巻末に解説を書いている恩田陸「ライオン・ハート」のような、時を越えたラブストーリーと言えば分かりやすいでしょうか。
ただ、あちらが大河メロドラマであるとしたら、こちらは静かな四行詩のような。
そう表現したくなるくらい、趣きが違います。

作者ネイサンは、実際に詩人であるらしく、ストーリーそのものよりも、世界の美しさ、光や風について、多くの言葉をついやしています。
悲しみも喜びも、とてもさりげない描写であるだけに、ドラマチック展開に慣れきった私のような感受性のひくい本読みは、「ふーん」と読み流してしまい、この作品のよいところの大部分を素通りしてしまいそうになるのですが……。

この物語で、主人公イーベンとジェニーは出会い、再会を繰り返し、そして、ある終わりを迎えます。

登場人物はそれを予期しているのですが、悲劇に泣き叫ぶこともなく、与えられたわずかな時間をいつくしみ、そっと微笑みあうのです。



こういった、別れを内包した美しい作品に出会うたびに、いつも考えさせられてしまいます。

終わりがあるから、美しいのか。
実らない想いだから、恋と呼ぶのか。

現実の、だいたいにおいては平和で幸せなはずの、終わりのない日常を、心を腐らせずに生きていくことの難しさ。

誰もがそれを知っているからこそ、手にしている日常が永遠ではないことを思い出させてくれる、このような儚い物語が、必要なのかもしれません。



(併録の「それゆえに愛は戻る」も愛と喪失を描いた不思議な物語。全ての謎をとく最後の4行がいいです。)

(評価★★)

                  12                         

お久しぶりにお伝えする、日曜朝七時半からのスッパー・ヒーローターイム

相変わらず楽しいマジレンジャーはさておき(置きっぱなし……)
私の大好きな絶好調・「仮面ライダーヒビキ」

今回は、ヒビキでなく、イブキさん大活躍のお話でした。

このイブキさん、先週まで私はずっと
「なんだろう……この人のホニャホニャしたセリフまわしと、脱力した演技は……」
と困惑しつつ見ていたのですが……

おお!なるほど! これはお坊ちゃま系おっとりテイストだったのですね!
実はイブキさん、猛士という、正義の鬼たち(仮面ライダー)を後援する組織の、名門のおうちの出なのだそうです。
イブキ役の役者さん(渋江譲二さん)を、何週間も

「このヘタクソめ!」
といまいましく思っていた、心の狭い(というかニブイ)この私……。

しかしお坊ちゃまでありながら、芯のつよいイブキさん、傷つきながらも、魔化魍オオナマズを見事に倒します!

えー、ちなみに、この猛士の東京支部のようなものが、いつもヒビキさんたちが集っている、甘味処「たちばな」なわけなのですが……。

そのころ、影の主人公(おそらく)・明日夢くん何をしていたかというとですね。

「ぼく、ここの人? お茶ちょうだい!」
「エッ……」
「あ、私もお茶!」

「ハイッ!」

甘味処「たちばな」で、店の人と間違えられ、いつの間にかお手伝いを。

「おー、似合う似合う」
「可愛い~!」

闘いすんで帰ってきたヒビキさんたち絶賛される、明日夢くんのバイト姿……。

どうやら、前回わたしが立てた「明日夢くんを正義の鬼にする」独自プランに、ちょっとばかり修正が必要なようです。

①ブラバン入部→ ②太鼓系の楽器をやる → ③「たちばな」の看板娘となり → ④何かにめざめて音撃戦士へ


……どうすれば……(苦悩)


いや、ちょっと(ちょっと?)遠ざかってしまったように見えますが、それは気のせいです。

まだまだ私は諦めませんよ!

明日夢くんの未来を祈りつつ、期待をこめて、来週へ。

         09              

ウチの犬(↑コレ)は、犬が大嫌いです。

生後まもなく我が家へ来て、歪んだ育ち方(責任の大半は私に……)をしたせいだろうと思うのですが、犬同士のつきあいが出来ません。

そのうえ、困ったことに、人間に対しても、ものすごく好き嫌いが激しいのです。

ところが、ご近所の嫌われ者であるKさんのことを大好きだったり、私の友達の心優しいTちゃんを大嫌いだったりするあたり、どうもその好き嫌いの基準が分からないのですが……少なくとも、人柄ではないような。

私の相方である、彼のことも大嫌いです。

初対面からもう何年も経つというのに、いっこうに関係が好転する気配もなく、
「なんで心を開いてくれないんだ……?」
と彼ががっかりしているので、彼らの親密度を上げるべく、私なりに改善策を考えてみました。

①おやつをあげてみる
②お手などをしてスキンシップ
③ふたりでお散歩


さあ、ミッション開始です!


①犬用ジャーキーをあげる

もらう

走り去る
(この繰り返し。進展なし。)

②触れ合うために、お手などをさせてみる

「ウウウウウウー!ウウウウウー!」

唸り声をあげつつ、いやいや手を出す犬。かなりイヤそうで、差し出す手が、ブルブルふるえています。

私が隣で睨んでいるせいで、ものすごくガマンしているようです。
唸りつづけています!

「犬ってこういう生き物だったか……?」

(そのただならぬ様子に、彼のほうが怯えてしまい、進展ナシ。)

③ふたりでお散歩

……ムリでした。


まあ、あれです。
相性というのもあるので、無理に打ち解ける必要はないのです。←飽きただけなんじゃ……

しかし、よそさまのわんこ達を見ると、初対面の人間にも、とってもフレンドリー!なのですよねえ。
そういう気立ての良い犬に出会うたびに、
「私はいったいこの犬に何をしてしまったのか……」
と背中にひんやりしたものを感じます。

反省(しても遅い)

「あなたが知っている、とっておきの純愛小説を教えてください!」

というのがお題である、今回のトラステ

純愛……純愛って、なんだろう。
そもそも、愛に純とか不純とか、あるのだろうか?

とかなんとか、定義自体にケチをつけるという、思春期の中学生のような書き出しでスミマセン。

でもあのー、純愛って言葉そのものがイヤラシイよな、と私などは思うのですが。なんだか「さいこうの一番」みたいでヘンだよなあ、と。

しかし、あえて純愛を自分なりに定義するなら、
「どんな困難にも負けないで貫いちゃう愛」
でしょうか。

というわけで、小説的には「この後半はいらない」と言われ続け、私も「読まなかったことにしよう……」とさえ思っていた、
ハイペリオンシリーズ4部作のうちの後半にあたる「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」を推薦!

著者: ダン シモンズ, Dan Simmons, 酒井 昭伸
タイトル: エンディミオン
著者: ダン シモンズ, Dan Simmons, 酒井 昭伸
タイトル: エンディミオンの覚醒


えーとですね、ネタバレしないように、ボンヤリ内容を紹介するなら、
「いま、会いにゆきます」みたいな部分があります(ものすごくボンヤリしてるな……)

それにしてもやはり、これは二部作で終わっていても全然問題ないというか、むしろその方がよかった(カッサードのその後がどうしても釈然としない……)物語だと思うのですが、主人公エンディミオンの、愛のつよさに免じて


(というかなんというか、早朝から二日酔いの脳みそで、純愛について考えるのは無理だなと思いました……むしろ教えてくれ、純愛を!という気持です


                     08    

このところ、気持が下降線をたどっています。

なぜなら……職場が移転するのです。
単なるレイアウト変更ではありません、なんと同じビルの別の階へ行くのです!!

 (ちいせえ話だな……)

職場の引越……めんどくさ……。

この世には好きこのんで何回となく引越すひともいるというのに、神さま、どうして私は引越好きではないのですか……?
ああ、いっそ好きになりたいのです。

そんな私も、生きていれば仕方なく引越をすることもあるわけで。

しかし、荷物をまとめるのが大嫌いで。

持って行くくらいなら、面倒くさいから、捨ててしまおうとか思うわけで。

そうやって生きているうちに、思い出の品とかがまったく無くなってしまうわけで。

ところが、この世には、当然ながら、そういうものを大事に持ち続けているひともいるのですね!
友人の結婚式の二次会で、クイズのネタに「小学校のころの文集」や「幼稚園のころ描いた将来なりたい職業の絵」などを使用したのですが、保存状態の良さに感心しましたよ……。

私なんか高校時代の卒業アルバムさえ見つからないのに(どうしよう、捨てちゃったかも~)。

なんというか、こういうのは、まるで生き方を表しているようで、よくないなーと思ったりするのです。

思えば、たくさんのものを捨ててきたなあ……。

とか言っちゃうと、なんだかかっこよさげですが、これが何のたとえでもないところが、かっこわるいのです。

今後は思い出を大事に持ち続けていきたいのものだわ、と資料をシュレッダーしつつ思うのであります(←結局捨ててるし)


教養のための読書
娯楽のための読書

……激論!あなたはどちらのタイプですか?

                                                            07      

というのがお題の、今回のトラステ激論!になるかどうかはともかく(ならないよな……)、要は

「自分を高めるために読んでいるのか」

あるいは

「純粋に楽しみのために読んでいるのか」
ということですよね。

私は楽しみのためにたくさん小説を読みますが、興味のあることについて調べものもしますし、仕事で必要な勉強のために参考本を読んだりもします。

でも、本当に自分を高めたいのであれば、本なんか読んでいても意味ないだろうと思いますね~。

読書というのは、それほど尊い行為ではないのです。

たくさんのきっかけを与えてくれる、入口のようなものであって、それ自体が何かを生み出すようなものではない。

読書で得るものの多くは疑似体験であって、実際の体験から得るものとは、質も量も違うのですよねえ……。

そのあたりを承知しているのであれば、教養のために本を読むのも悪くない、と思います。



「一億玉砕」を叫ぶ、終戦直前の日本。

秘密作戦と称して、「伊507」とは名ばかりの、正式な艦籍さえ持たない潜水艦へと、集められた乗員たち。
この艦に装備された「ローレライ」とは何なのか。
作戦の裏で糸を引く、浅倉大佐の真の狙いとは。

多くの謎を抱えたまま、「伊507」は海へと出て行くのだが――





巻末の解説によると、本作は映画化を視野に入れ、「第二次大戦と潜水艦と女を出す」 という条件を元に書かれた物語だそうで。

現実の戦争を舞台にした物語。
戦争を知らない世代がこれを描くのはムリだろうと、いままで読む気になれなかったのですが……おお!

福井節が。
いつもとおんなじ、福井節が炸裂していますよ!!

しかも上記の条件をクリアすべく、かなりムチャクチャなウルトラCを繰り出して……。

戦争という、たいへん扱い難いテーマを選択しているのですが。
パウラという少女の存在によって、この物語のリアリティーにかなりの負担を与えてしまって(なんか潜水艦ぽい表現……)いるのですが。
正直言って、ありえないこと満載なのですが。

そんなことは知ったことじゃねえと言わんばかりの力強い展開です。
この正面からぶつけてくるメッセージの強さの前では、たいていのツッコミは吹き飛ばされてしまうな……(感心) 。


「本当の勝利っていうのは、多分もっと尊いもんだ」
作中の人物が、こう言うのです。
本当の勝利とは、手に入れた当人にしか、わからないような何かなのだと。


しかし、そうして多くの血を流した末に、ようやく手にいれた何物かも、最終章では生き残った登場人物の苦悩へと変わります。

「手に入れた自由を腐らせてしまったのではないか?」

この最終章の誠実さが、物語の全てを救っているように思います。

戦争を知る世代ではなく、戦争を知らない世代のために書かれた、「終戦の物語」。

ここに紡ぎだされた希望は、現実の敗戦には無いものですが、読み手を怒らせて泣かせて、なおかつ考えさせてしまう、貴重な一作です。


                  10         

始まっていたのですね!

アメブロ内のことにうとい、自分の仙人ぶりに、ちょっとラララ~♪(歌うな)なカンジです。
えーと、拝見しましたが、ほほう……。

私はちょっと誤解していたようです。

「書評つながり」 終了後の企画なので、てっきり「皆で書評の書き方を学ぶ塾」なのだと思っていました。

ああ……「日記文学」ですか……。
日記……文学……(どっちもやってねえ……)。

おっと、今ちょっと意識が遠くなりかけたですよ。

でも、ブログを指導するという企画は画期的ですね。
私もそうですが、だいたいのブロガーさんは、「読んでもらう」ということに対して、あまり意識が高くないように思います。
ブログというツールが、とても簡単に公開できて、しかも個人的なものだからなのかもしれませんが。

私自身も、解析ツールなどは使用していませんので、ここをのぞいてくださっている方が、何を気に入ってくれているのか、本当に読んでくれているのかさえ、サッパリ分かりません。
まあ、解析されているところへ行くと、私自身ちょっぴり緊張してしまう(いや、なんとなく……)ので、この状態のまま、だらーんと続けていくつもりですが……。

日記であれ文学であれ、どちらとも縁がないココではありますが、刺激になるかと思われますので、新企画「山川塾」の、作家であり編集者である山川氏の温かい指導に、今後も注目していきたいです。

(ちなみに山川塾はこちら です)


                    07  


読書とは、たいていの場合、孤独な楽しみです。
というより、それを孤独と感じないのが、本読みという人種です。

まあ、でも、やはりどこかに「感想を語り合いたい」という気持もあるわけで。

この「本・書評・文学」というジャンルが賑わっているのも、日常生活ではなかなか交流がのぞめないという、読書界(ってどこ……?)特有の事情があってのことだと思います。

私にしてからが、読書仲間と言えば、本をくれる職場のAさんと、あとは私が読み終わった本を与えている実家の父、この二人くらいのものです。

しかし、性別が違うからか、性格が違うからなのか、この二人と感動ポイントが合った試しがない……。

先日会った実家の父に

「これ、軽い読み物だけど、面白かったから読んでみなさい」

と言われ、渡されたものを読んでみましたが、

えーと、釣り好きの作家が主人公で、
稚拙なエロが満載の、
控えめに言って、便所の紙にもならないような本でした。

ある人は面白いと思い、ある人はくだらないと思う。

それは何故なのか。

必要とするものが、人によって違うからなのか。


(それにしても、ヘタクソなエロを読むと、食欲が失せるよな……。)