連続小話『OLホステスは見た!』第10話です。
気楽にお付き合いください
容姿はNHKのアナウンサーっぽいと言われます。
民放アナウンサーでないのはなぜだろう

そんな私がOLをしていた20代半ばに迷い込んだ、夜の街でのお話です。
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ここから今日のお話。
出勤初日、おしぼり名人におしぼり指導を受けていると。
いよいよママも出勤してきた。
「つきこちゃん、いらっしゃい」
にこにこと嬉しそうに声をかけてくれるママ。
ところが。
「…ワンピース、シワシワやねえ」
女優並みのお美しい顔を、さっそく曇らせてしまった。
ポンコツでゴメンナサイ
「…ワンピースは次からどうにかしてもらうことにして。
どう?カオリちゃんに教えてもらって。できそうかしら?はじめは上手でなくて良いのよ」
と、ママが言うと。
「大丈夫だと思いますよ〜。お客様、新人の子に優しいから大丈夫やで~」
と、カオリさん。
2人にそう言ってもらったものの、教えてもらったことをこなすので精いっぱい。
できてるのかできてないのかすら分からないまま、なんとか初日を終えた。
2回目の出勤日。
お店に入ると、ひとりのお客様がすでにカウンター席に座り、ママと談笑していた。
「せんせ、この子つきこちゃん。先週から働いてもらってるの」
せんせとは先生のこと。ご高齢のお医者さん。毎日のように来ていた。
そのままわたしの話が続く。
「つきこちゃん、もう少し元気に『いらっしゃいませ~』って言えるといいわねえ。
せんせ、この子やっていけるかしら?ちょっと静か過ぎるかなって思うのよね」
せんせは私にまったく興味がなさそうだった。
「う~ん、どうやろねえ」
ちらっとわたしを見たけれど、特に意見はないようだった。
わたし自身も戸惑っていた。
確かに大きな声を出すことは苦手だけれど、緊張が解ければもう少しマシになるだろう。
それよりも、お客様たちと何を話せばいいのか分からなくて。
★「Bar まり子」のお客様たち★
年齢・・50代〜
職業・・大企業の要職、経営者、医者、弁護士など
ママ(年齢不詳)は自分のお店を持つ前は老舗の高級クラブで働いていた。
その時からの長い付き合いのお客様たち。
一方、わたしは小さな会社のOL。
そんなお客様たちと共通の話題がない。
そもそも人見知りだよ
「この仕事向いてないかもなあ」
と、思い始めていた。
しかし。
神はわたしを見放さなかった。
なんの神や
3回目の出勤日、救世主が現れたのだった
『OLホステスは見た!』第11話に続きます。
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