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とらっく整備士のきろくぼ

自分で行った整備や自動車情報をご紹介していきます。自動車に興味がある方はもちろん、整備をはじめたばかりの人や調べ物をしている方などの参考にしてもらえればと思います。

 

 今回はエンジン回転が上がらなくなり、チェックランプが点灯したとのことで入庫。

エラーは現地で消してきたらしく、表示されたエラーコードは

P0089 コモンレール圧力異常

故障診断していきたいと思います。

 



セルを回すとエンジンはスムーズにかかり、アイドリングも安定しているように思えます。

吹かしても聞いていた症状は出ず、スムーズに吹け上がります。

次に診断機を使っていきたいと思います。



アイドリング時


実コモンレール圧力が目標コモンレール圧力に対して高いです。

SCVデューティーは基準値30~40%に対して正常。

SCV F/Bは基準値1000mA前後に対して高いです。

アクセルオン時


コモンレール圧力はすぐに目標値に追従し、同じ圧力になりました。

SCVデューティーとSCV F/Bは振れ幅がひどくなりました。

アイドリング時は目標コモンレール圧力値にする為にSCV F/Bを上げて実コモンレール圧力を下げようとしているのか。


アクセルオン時はSCV系信号が不安定になる・・・

燃料噴射の補正値は大きいところはなかったのでインジェクターではない?


プレッシャーリミッター、SCV、サプライポンプの可能性を考えるけどまず、故障頻度が高く、調べたら思ってたより安かったSCVを交換することにしました。燃料フィルターは車検で交換したばかりとのことです。



周りにパイプがあるので、工具さえあれば簡単に外せそうです。

 

こちらの工具を使いました

 


しっかり包装されています。

 

AP 3/8DR HEXロングビットソケットセット ミリ (5個組) | ヘックス 六角 ヘキサゴン 6角

を使い比較的容易に交換できました。



そして再度診断機を覗いてみると・・・

アイドリング時


アクセルオン時


なんと、アイドリング時のコモンレール圧力の実数値と目標値が一致し、SCV系信号の上下が少し大きくなった気はしますが、F/Bの電流値が基準値内に変化。


アクセルオン時はSCV系信号の振れ幅が改善。アイドリング時から変化がなくなりました。

その後、しばらくアイドリングや空ぶかしで様子をみるもおかしな症状は出ず、試運転しても異常はなかったので、これでお客様にお返しすることになりました。



今回はSCV(サクションコントロールバルブ)の交換で一発で改善したのでよかったですが、もっと複雑な難しい故障も対応できるようになるためにもっと経験を積んで学びたいと思うdamonoでした。

 

 

 

☆今回作業で使った工具☆

 

 

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 先日、タペットカバーパッキン交換をした三菱ふそうのファイターさん。オイル漏れが治ってないとのことで戻ってきてしまいました。

 

前回の記事

三菱ふそうファイター 2KG-FK65 6M60エンジン オイル漏れ タペットカバーパッキン交換


エンジンを見てみると・・・

 



ビショビショですね・・・

くぼみにタプンタプンに溜まっています。

パッキンにごみでも噛んでしまったのでしょうか?

きちんとつけたつもりでしたが、それでもここまで漏れるのは何か大きな原因があるということですね。

エンジンの左後方から一番漏れ出しているようです。

オイルを補充すると6L入りました。ほぼ半分減っています。これほどだとエンジンが焼き付く恐れがあり非常に危険です。



ひとまず、エンジン周りをきれいに洗浄してエンジンをかけてみます。

エンジンが暖まり、アクセルをふかしていると・・・







オイルフィラーキャップの下が濡れている?

一度ふき取って再度様子を見ていると



!!



キャップからオイルがツーっと

やっぱりキャップから漏れてます。

そしてエンジンをとめ、キャップを外してみると

プシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(二秒くらい)

キャップの裏側のパッキンはやぶれたりしていませんでした。

これは、エンジン内圧が異常に高くなっていますね。

それによってオイル漏れが起きていたと考えられます。

そして内圧が抜けない原因は



PCVシステムの詰まり



がよくある原因で上がりますので、まずはそこを診ていきたいと思います。

まず、ブローバイホースは前回タペットカバーパッキン交換時に外して中を覗きましたがそれほど汚れていませんでした。

次にブローバイフィルターとケースを見てみます。



ケース内はそんなにひどい汚れはないなぁと思い蓋の裏を見てみると







バルブが動かない!

しかも少し飛び出てる!?

このバルブはフィルターが詰まり気味になったときにフィルターを通さずに圧力を逃がすバルブだと思うのですが。

両手親指で強く押すとパキッとなってピコピコ動くようになりました。

・・・これですね

これです。原因は

ブローバイフィルターとフィルターケースのキャップを交換し、試運転してしばらく様子をみると漏れは確認されませんでした。



結論

ブローバイフィルターの詰まりとフィルターケース内にあるバイパスバルブの故障により、ブローバイガスがインテークに抜けなくなってエンジン内圧が上昇。その為、密封性の弱いタペットカバーパッキンやオイルフィラーキャップからオイルが漏れたと思われます。

 

 

前回の記事

三菱ふそうファイター 2KG-FK65 6M60エンジン オイル漏れ タペットカバーパッキン交換

 

 

 

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 今回は、クリップボルトの先端をぶつけてえぐれてしまったのでボルトとナットを交換します!新ISO方式で平座ナットになります。

 



①ナットをゆるめる

②叩いてボルトを抜く

先端をハンマーなどをあててハンマーで打ち抜きます。



③新しいボルトを入れる



内側から新しいボルトを落ちないように軽くハンマーで叩いて入れておきます。

④ナットを締める

ナットを締めればボルトも同時に入ってくれます。



⑤増し締め、確認

規定トルクで締め付け、ボルトが最後まで入っているのを確認したら完了です。





●今回は一本だけの交換なのでホイールからドラムを外さなかったのですが、ボルト全部交換の時などでドラムを外した場合はホイールの穴に対するボルトのセンター出し作業が必要となりますので。ご注意ください。

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 タペットカバーからオイル漏れがあるのでパッキンを交換したいと思います!




   
 

 

 

①EGRパイプを外す

右側ナット三本、左側は12の十二角ボルト二本、ブラケットにボルト二本になります。

 



②ブローバイホースを外す

二本あります。片方はタペットカバー一層目についてます。

③カムポジションセンサーとパイプステーを外す

二層目リア側についているパイプステーを外しカムポジションセンサーを抜きます。センサーがついてるとぶつかってタペットカバーが取り出せないからです。

 



④カバーを外す

タペットカバーを固定してる12のボルト十八本を外し、一層目、二層目と取り出します。

⑤タペットサーキュラーをとる

前後についているタペットサーキュラー(通称かまぼこ)をとりますが、通常は液体パッキンがしっかりついているのでバールなどを使って取ります。

 



⑥エンジン側とカバー側の掃除

パッキンの当たる面をよく掃除します固形物がこびれついてる場合はスクレーパーを使って平らにします。

 

   

⑦新しいタペットサーキュラーをつける

全周に液体パッキンを塗り、規定位置につけます。

⑧タペットカバーをつける

新しいカバーパッキンをはめて二層目、一層目と規定位置にのせていき、十八本の新しいボルトを締めて固定します。締めるときは中心のボルトから外側に何回か繰り返して徐々に締めていきます。

⑨部品を元に戻す

取り外しの逆の手順で元に戻していきます。EGRパイプのパッキンも新品に交換します。

⑩エンジンオイル、エレメントを交換する

⑪エンジンを洗浄

⑫漏れ確認

エンジンをかけ、試運転をした後、漏れがないか確認しなければ完了です。

 

 

 

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 ギガのフロントライニングが減っていたので交換します。
新しいタイプの形状ですね!まだあまり交換したことがない方もいるのではないかと思いますのでご紹介します。






①幅を図る

元の中心からの距離を測っておきます。自分がわかればどこからでもいいです。



②バックプレートを遊ばせる

上下あるバックプレートのボルトを一本ずつ残してとり、残りの二本もできるだけ緩めます。
14六本で止まってます。



③表のアンカースプリングを外す

図のようにマイナスを入れて外します。



④リターンスプリングを外す

二本あるリターンスプリングをスプリングツールを使ってとります。スピンドルを支点にテコで矢印の方向にやれば比較的簡単に外せます。

 

 

 

 

 

 


⑤ライニングを開く

左右のライニングをバックプレートを少し手でよけながらパカッと開きます。

⑥裏のアンカースプリングをとりライニングを外す

スプリングがシューに干渉して外れやすくなっているのでマイナスを入れると簡単にとれます。

⑦エキスパンダーをアジャスターで縮める

アジャスターについてるプレートの向きに注意しましょう。

 



⑧洗浄しグリスを塗布

可動部、接触部にブレーキグリスを塗布します。塗りすぎは注意です。

 



⑨裏側アンカースプリングをつける

図のように片側のライニングをバックプレートに寄りかからせた状態、もう片方をスプリングが入る位置まで開いた状態にします。(台などにライニングを置くといいです)

立っている方のシューにスプリングをかけ、もう片方のシューには突起部が干渉してスプリングがかけられませんので、先端を穴に入るよう指で押した状態にします。その状態でシューを閉じるとスプリングが張った状態になります。




⑩表アンカースプリングをつける

マイナスにかけた状態で穴に入れた状態で、マイナスを返して回すと比較的簡単に入ります。

⑪リターンスプリングをつける

図のようにスプリングツールをスプリングが張る方向の斜め上に押し込むとかけられます。
スプリングの先端がくぼみからずれて前後に動かしたいときはバールなどを使うと簡単に動かせます。

 



⑫幅を調整する

始めに計った距離と違ければアジャスターで調整します。

 



⑬バックプレートをつける

⑭ライニング表面を整える

汚れなどついていたらペーパーで擦って整えます。

⑮確認作業

ライニングの付き方、スプリングの付き方に問題がないか確認し、なければ完了です。