86避難者通信号、2020年8月6日  矢ヶ崎克馬さん「広島黒い雨」全面勝訴を喜ぶ ほか | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

矢ヶ﨑克馬さんより

 

86避難者通信号、2020年8月6日

 

皆々様 お元気でいらっしゃいますか?BCCで失礼しております。

 

沖縄は,人口あたりのコロナ罹患者数が日本一となってしまいました。地位協定によ

る米軍人の自由入国と米軍の情報共有の無さと罹患の可能性のある米軍人の無管

理状態等々があり、米基地内の感染増加と軌を一にして、沖縄県民の感染が一挙に

増加しました。

 

安倍さんの、単純にコロナ対策の無策無能ぶりだけで無く、主権国家を放棄した対応

 

と利権あさりが「棄民」を加速させています。

 

皆々様が無事お過ごしになる事をお祈りいたします。

 

 

 

8月6日、9日は原爆投下75周年です。

 

 

 

1  「広島黒い雨」全面勝訴を喜ぶ

 

(1)被爆75周年を迎えるに際し、ビッグニュースが入りました。「広島黒い雨」訴訟原

告84人に対して全員勝訴の判決が7月29日広島地裁に於いて下されました。全国

で沸き立つ歓声が起こりました。

 

 原告の方、支援の方共々に私も大喜びをいたしました。

 

 

 

(2)今回の判決で一番うれしいことは,高島義行裁判長はじめ全裁判官が、「真実は

如何にあったか」と、事実の究明を真摯に行い、75年間健康に苦しんできた原告の調

書を全面的に認め、今までの行政的線引き/切り捨ての理不尽さを解消する人道的

立場・見識を司法の気骨として発揮していただいたことです。

 

 

 

(3)矢ヶ﨑としては個人的にもうれしいことがありました。

 

意見書あるいは法廷証言が、ほとんど全てが真実として位置づけられて採用され

たことです。

 

広島では今まで一貫して見過ごされてきた「高度4kmに放射能を含む水平に広が

る原子雲」の存在(矢ヶ﨑:添付ファイル参照)を明るみに出し、その大きさと位置が

「黒い雨」雨域に一致することを意見書および陳述として提出したこと。これにより今

まで狭い範囲に空域を限定する科学的根拠とされて続けた「黒い雨に関する専門家

会議」の結論を「信頼できない」として,降雨域内外の放射法環境の蓋然性を認めた

ことです。

 

加えて,日米合作の「被曝線量体系:DS86」の「第6章:放射性降下物」のデータが全

て枕崎台風(床上1m洪水、太田川の橋20本流失)後に測定されており、被曝地の

重大な過小評価を行っていること,

 

内部被曝が無視されていること。

 

内部被曝は外部被曝的に評価できない被曝の危険性を持つこと,

 

などを証言しましたが、その全てが認められています。

 

                              

 

(4)そもそも,被爆者援護法での「被爆地域」はものすごく過小評価されています。

 

基本的には初期放射線(核分裂連鎖反応の起こった場所からの放射線)の到達範囲

に限定され、放射性降下物による内部被曝・外部被曝は全く無視されています。

 

このことは「科学的に不十分であった」のでは全くなく,アメリカの核戦略とそれに追随

する日本政府の「欺し」による権力支配によります。

 

「欺し」とは核兵器を「残虐兵器」と見なされることを避けるために、「破壊力は大き

いが,放射能で後々まで人々を苦しめ健康被害を及ぼすことは一切無い」という「虚

偽の原爆像」を描き出す政治的ペテン行為を科学の名においてさせたことです。

 

 

 

(5)ファーレル准将の東京宣言(1945/9/6)「広島・長崎では,死ぬべき者は死んで

しまい,9月上旬現在において,原爆放射能で苦しんでいる者は皆無だ」に始まり、

ABCC(方影研)、DS86,ICRP等あらゆる調査/測定/科学がこの虚偽のプロパガンダ

に従わされました。

 

科学の名においてなされた、歴史と真実を欺く政治的棄民行為(反科学)なのです。

 

 

 

(6)今回の「画期的」判決はようやく正当な評価がもたらされたものです。

 

 

 

2  長崎被爆体験者の生涯を掛けたたたかい「被爆体験者訴訟」

 

(1)長崎の被曝指定地域は東・北・西側は爆心地から5~6km、南側は12㎞。

 

南方向へ突出しているのは,長崎市全域を「被爆地域」にしているからです。

 

しかし、原子雲はほぼ円形で半径15㎞程度の放射能汚染地域を作り出しています。

 

 

 

(2)原爆の放射能分布は

 

①  水平に広がる原子雲がもたらす放射能環境、

 

② 爆心地の風下東側に広がる細い帯状地帯、

 

に特徴付けられます。

 

原爆の放射線被害を基本視点と考えれば、東側に突出した「被爆地域」指定であるな

らば合理性の破片はあります。

 

しかし南方向への突出はこの面からは絶対説明できません。

 

 

 

(3)水平に広がる原子雲の半径は少なくともほぼ半径15km程度の円であると明確

に判定されています(矢ヶ﨑:添付ファイル参照)。

 

長崎県民は現状の南方向への突出に合わせて,半径12kmの円内を「被曝地域」と

して見直おすことを要求しています。

 

 

 

(4)長崎被爆体験者訴訟は2007年に提訴されました。「被爆者」と認定することを求

めています。

 

670人の原告でありましたが、既に120名の方がお亡くなりになりました。第1陣、第

2陣に分かれて訴訟を行いましたが、非人道的、非合理的、行政権力と「多数派」に

従う,醜悪な判決で,完全敗訴しました。

 

 

 

(5)判決内容は、客観的な事実や法律に基づいた基準では無く、裁判官の(唖然とす

る様な)恣意的基準を特徴とします。

 

真実の探求は無く、上から目線で,「原告の訴えをただただ不当とする」理由を探し出

して根拠の無い基準で原告敗訴を言い渡したものです。

 

 

 

(6)特にひどいものは、

 

世界最悪の安倍内閣をはじめとする関係内閣の虚偽のキャンペーン「100mSv以下

の健康被害は臨床的には確認されていません」に乗っかった判決でした。方影研の

寿命調査や世界の疫学調査などの医療報告と完全に反する主張が判決理由でした。

 

線量で強いて法的根拠を探れば,それは1mSvなのでしょう。

 

 

 

(7)司法の果たすべき役割を放棄し、立憲民主主義で必要不可欠な「三権分立」の

司法の気骨など少しもない判決でした。

 

 

 

3 被爆体験者への一貫した国家的差別

 

(1)被爆体験者とは、

 

「あなたたちは,実際には被曝はしていません」

 

「被曝をしたのではないかという精神的ストレスがあなたたちの健康被害を

 

生み出しています。」

 

という、内部被曝を無いものとするための国家的策略によって、差別され続けた被爆

者なのです。被爆者を精神患者と見なす国家犯罪の犠牲者です。

 

 

 

(2)戦後一貫して核推進権力が被曝被害を無いもののように粉飾しようとする

 

情報操作の典型的犠牲者たちです(矢ヶ﨑克馬:知られざる核戦争)。

 

放射線被曝の実害を「あなたの精神が悪いからだ」と心のせいにする核戦略の主要

なプロパガンダなのです。投下直後のマンハッタン調査団の放射能測定結果は非常

に広域に渡って放射能が撒き散らされたことを示しています。

 

 

 

(3)認定された被爆者と同様な疾患に苛まされても被爆体験者は

 

「あなたたちの病気は精神病によるものです」とレッテルを貼られ、堪えがたい屈辱を

受けてきました。

 

被爆者と差別された「医療補助」を受けるにしても精神神経科通院証が必要とされ

るなど,国の「侮辱と差別」の制度で苦しめられている人々なのです。

 

国がハンセン氏病患者に対して行い続けた差別と同等です。

 

 

 

(4)核兵器を「残虐兵器」と見なされないために、内部被曝を否定し被曝事実を極小

化して隠ぺいしようとする米核政策に追随し補完しようとし続けた国際原子力ロビー

と日本国家による「知られざる核戦争(核の害を無い世に見せるための情報操作)」な

のです。実害を心の問題に変える詐欺的イデオロギーは,「被爆体験者」に始まり、チ

ェルノブイリ事故での健康被害を心の問題にすり替え、福島原発事故でも、「笑ってい

れば放射能は通り過ぎていく(山下俊一)」等々と棄民のために常に使用されてきました。

 

「知られざる核戦争」の常套手段/基本的情報操作です。

 

 

 

(5)最近,ハンセン氏病患者及び家族への国家的人権じゅうりんに対する判決が

 

出されましたが,その例に劣らぬ、国家による差別と人権じゅうりんが被爆体験者に

対して行われ続けています。

 

ただちに是正すべきです。

 

 

 

(6)知られざる核戦争の犠牲者は枚挙にいとまがありません。

 

広島黒い雨の犠牲者も全く同様です。

 

ビキニ被災者は半世紀経てようやく事態が明るみに出されようとしています。

 

7年間で27万人に及ぶ東電福島原発事故後の死亡書の異常増加(矢ヶ﨑:厚労省

人口動態調査の分析)は、コロナ以上に深刻です。

 

最近ひどい思想排除(知られざる核戦争の主要舞台)と痛感するのは、「放射能被曝」

という言葉自体がマスコミ等から排除され「風評被害」に置き換えられています。

 

「風評被害払拭」の掛け声とともに、官財民の総合協力により、抹殺されようとしてい

ます。

 

被爆体験者を被爆者と見なさない「知られざる核戦争」は今猛烈にその砲火を

 

強めているのです。

 

 

 

(7)長崎被爆体験者訴訟「2回目訴訟」にご支援を賜れば幸甚です。

 

 

 

我々の身近で、この科学の名においてなされる「棄民行為」は今なお続いています。

 

コロナウィルス渦にあっても日本政府は「PCR検査」と「医療」を拡充せず、感染者/

死亡者を見かけ上およそ10分の1にも過小評価する様に,検査と医療支援の拡充

を拒否しています。世界の心ある人が嘆く「大衆面前での棄民行為」です。

 

 

 

4  75年経た今も、真実の原爆の姿とその被害を確認する歴史的たたかいは

 

終わっていないのです。

 

核廃絶!

 

「知られざる核戦争」をやめさせ,

 

全ての人が大切にされる社会目指して力を合わせましょう!

 

 

 

 

 

私どもの「つなごう命の会」は、浄財だけに依存する放射能公害避難者支援・共存

団体です。

 

放射線被曝や福島原発事故の実態に対する情報を整理し、住民の命と暮らしを守

る放射能行政を求めております。

 

 

 

私どもの活動にご支援をくださる場合は、以下の口座にお願い申し上げます。

 

(矢ヶ﨑克馬)

 

e-mail:       yagasaki888@gmail.com

 

電話:      080-3187-5551

 

ゆうちょ銀行振替口座

 

口座記号番号:     01770-5-170377

 

口座名称:                          つなごう命の会 (ツナゴウイノチノカイ)

 

加入者払込み払出店           那覇支店

 

郵貯以外の銀行からの振り込みの場合

 

店名(店番):一七九(イチナナキュウ)店(179)

 

預金種目:                          当座

 

口座番号:                           0170377