もしもの時 水をどのように確保するのか? | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 もしもの時、食料を飲み水を電気をどのように備えておくかを考えてきました。避難生活が長くなると水は飲み水だけでなく、食器洗い、お洗濯、お風呂、とりわけトイレの水をどのように確保するかが重要になってきます。

 

 昭和初期には各家庭に井戸がありました。しかし、上水道が普及するにつれて井戸は無用の物と考えられ、多くは埋められてしまいました。日本のように災害が多発する所ではもう一度井戸の機能を見直す必要があるのではないでしょうか?

 

 絵のように上水道は浄水場から長い給水パイプで各家庭に送られています。地震が起これば、水道網は破断したり水漏れを起こします。給水管は地中に深く埋められていてどこが壊れているのか探すには掘り起こして確認する作業が必要になります。それが広域にわたるときは復帰に数ヶ月もかかることがあるでしょう。

 

 井戸がどのようになっているかの断面図です。昭和の時代、各家庭で使っていたのは淺井戸では水が涸れたり胃がんを起こすピロリ菌が含んだ水であったり、不都合がありました。もちろんピロリ菌は煮沸したり消毒すれば飲用できます。また、高度経済成長時代には工場排水が地下水に入り込み、有害物質が混入する事例もありました。

 

 これを見ると井戸は地震では水道に比べて給水パイプがはるかに短く壊れにくい性質であることが分かります。もちろん地下水で液状化することもありますが、それは井戸があってもなかっても起こりうることです。今回、能登半島で起こった地震でも営業している銭湯は井戸水を使っています。

 

 そこで井戸をもう一度見直してみて、こんなことを考えてみました。いつもは電灯線のポンプで水をくみ上げていますが、停電すれば使えません。もちろん発電器やポータブル電源を使えばポンプは使えますが、我が家にはありません。ここで気をつけなければいけないのは、特にポータブル電源の場合、モーターが動き始める始動電力は、定格の4倍ほど必要なことです。我が家のポンプは250W型ですが、モーター始動時には1000W程度の余裕がないとポータブル電源がいかれていまいます。もともとポータブル電源は、このような瞬間電力が必要な機器には不向きです。

 

 DIYでは電動ドライバーで動くポンプを売っています。このポンプは2000円でおつりが来る程度の物です。吸水側のホースは2m程度です。井戸の深さによって長さは変わります。画像では洗面器に吸水ホースを入れていますが、本番では井戸に下ろします。ホースの先端にはゴミよけのフィルターをつけます。吐水側のホースにはアタッチメントをつけて、ワンタッチでホースを延長できるようにしておきます。

 

 電動ドライバーですが、18V以上のブラシレスモーターでないと容量の小さいドライバーだと焼損する可能性があります。また、連続で使用するのは少し酷でしょう。吸水の強さは回転数で決まります。我が家の井戸は地下水位が2m程なので難無く揚水ができました。

 

 といってもこの程度の吐水です。それでもお洗濯、トイレ・お風呂の水を給水するには十分な量です。この電動ドリルポンプですと一分間に10リッターの水をくみ上げることができます。

 

 お洗濯       洗濯物が5kg 必要な水  50リッター程度

 お風呂       一人用      必要な水 200リッター

 トイレの水 一回          必要な水  10リッター

 

 おおよその目安ですが、お洗濯なら5分、お風呂なら20分、トイレなら1分で必要な水を確保できます。ポリタンクや農業用のタンクに入れて台に置いておけばポンプ無しで使用もできます。画像のドリルでは10分以上連続して使うのは無理かも知れません。

 

 家庭用井戸があるご家庭は、大抵電動ポンプがあるでしょうから、万全を期するならガソリンかカセットボンベの発電器があると便利です。それでも10万円はしますから、アウトドアをする方ならともかく、非常用だけに揃えるのはなかなかの物です。しかも、オイル交換や定期的に運転するなどメンテナンスが必要になるので大変かと。

 

 使わないときにはポンプ、ホース、ゴミよけのフィルターは丸めて保管しておきます。電動ドライバーですが家のはハンマードライバー用でモーターがブラシレスで18Vで動く物です。日本製だと二万円以上しますが、中華製なので6千円程度で購入できました。随分簡単な仕組みですが、ちゃんと動きます。このセットでドライバーとバッテリーも含めて1万円程度です。淺井戸があれば、水道が断水しても停電になっても少しはしのげると思います。

 

 いずれにしても、家庭用の井戸は非常時には地域の資源になり得ると思います。もう一度その価値を見いだしてもいいのではないかと・・・。

 

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