茶会でカシャカシャとスマホを取り出して写真を撮っているのをみると、利休百首の「習いをばちりあくたぞと思へかし 書物は反古腰張りにせよ」を思い出します。

 

 

 この当時はカメラやスマホなんてないので、そもそもそれを持ち込むのはどうなのよ?という話なんですが、配り会記をその場で取り出して見るのも同じ扱いだと私は思っています。

 

 その茶会の場に全力集中していないということになるからですね。

 

 聞き逃したら、後で配り会記で確認すればいいことなんですから。

 

 私は茶会備忘録を書くにあたって、できるだけ配り会記を見ないで書いています。自分が覚えていることをできるだけ書くようにして、間違いがないかを後で確認するのですね。

 

 母に言わせると「異常に覚えてるわよね」となるのですが、それぐらい集中して聞いているんですよ。

 

 そして、それが総括になって、次に同じような物が出たときにどう褒めるか、どこを見ればいいかの反省会にもなり、正客を上手にやる練習になります。

 

 正客をしないときも、同じことをすれば、自分が正客気分で道具を褒められる訳ですし。

 

 皆様も「写真なんか撮らずに自分の言葉だけで伝えてみませんか?」

 

 

 

 

 

 綾冠さまのお席を辞して、向かったのは円成庵。

 

 ここは、三畳半台目の小間席。

 外の腰掛待合で並んで待つのが常ですが、時間がありそうだったので、母とWAさんに食事を取ってくるように勧め、私は残っておりましたら、御家中の方がいらっしゃいまして、いろいろ御家中のお話をしてくださいました。

 

 その方は諏訪氏庶流で武田家に仕え、勝頼の直臣となって、滅亡後に安藤家に仕えたそうです。多くは江戸の下屋敷に詰める事が多かったそうで、明治になって磐城平に戻られたようです。

 

 御家中だけにやはり御家流さんを習われて居られますが、「不調法で」と謙遜されておられましたが、磐城平の武藤先生(雪枝くんの先生)の御家中とのこと。

 

 いい方と知り合えました。磐城平でお茶会があるときはお知らせいただきたいものです。

 

 さて、お部屋に入りますと、雄壮な字の掛軸が迎えてくれますが、目を奪われるのはなんといっても風炉と釜。

 

 綾冠さまから「円成庵には若林さんの作品がでております」とのことで、どんなものだろうと思っておりましたら、なんと糸目千筋の釜で、鐶付が蜻蛉です。最初は翅が見えず、変わった鐶付だな、なんだろう……と思いつつも下の乾坤風炉(八角風炉・八卦風炉)に目が行っていたものですから、蜻蛉に気が付かなかったんですね。

 

 目を凝らしていると「あ! 勝ち虫!」なるほど、新暦端午にちなんだ席としては必然でございました。

 

 相馬の水指は氷裂紋なのですが、墨貫入が上の方だけで、下には入っておらず、馬がまるで氷原を駆け抜けるかのような素晴らしさ。ただし、内側の貫入は底まで墨貫入になっているという凝りよう。素晴らしい道具でした。

 

 棗は昔棗とのことですが、珠光好とはことなり、下膨れの溜塗、これは後で調べないとと思ったのですが、出てこない。まだまだ私の知らない道具がある。精進を怠ってはいけません。

 

 主茶盌は李朝の堅手とのことですが、どうも李朝中期の珍品っぽかったです。とある美術館が閉鎖した際に流出した品のようでした。箱は合わせの箱で、伝来がないようでした(態々箱を持ってきてみせてくださいました)が、李朝中期で間違いないとおもいます。いくつかの特徴がでておりましたので。

 

 毎度のことですが、惜しげもなく唐物を出してくださる(このお席も菓子器が紅安南の菓子鉢)のですが、客が茶入以外の唐物の扱いをご存知ない方がちらほら(いや大分?)見受けられ、大鉢をひっくり返したり、金継ぎ部分を持ったりするのをみるにつけ、この度量こそが大名茶なんだなと思います。

 

 町方の茶会では見ることのできない道具にきちんと物語を載せて、茶会を開かれることの意義、私も大切にしたいとおもいますね。

 

 自分の開く茶会では唐物オンパレードなどということは無理にしても、客を愉しませるための工夫というものは必要と存じます。

 

 6/14(日)のお茶会で、皆様がそこを愉しんでいただけたらと思っております。

 

 

 男子席から出まして、月光殿の縁に並んで月窓軒の席入りを待ちます。

 

 月窓軒は御家元席。

 

 また、とびきりの道具が出てくると期待していましたが、ブログを読まれている方は、既にご存知可と思います。そう、ハンネラ水指が目玉です。

 

 お床は消息で、安藤家から旗本竹中家に出されたものだそうで、後から調べたら、この竹中家は竹中半兵衛重治の直系だそうです。竹中重治の子、重門が関ヶ原の戦いで東軍に寝返っており、開戦前から井伊直政・黒田長政と通じていたとされています。

 

 美濃国不破郡に六千石で領地を拝した竹中家とどういう繋がりがあるのかというと、安藤家には飛び地で美濃に領地があったそうで、その辺りの関係かもしれませんね。

 

 風炉は珍しい今戸焼 白井半七の土風炉。

 こちらは、めくれなどができていたので、継いでもらおうと塗師に出したら全部塗り直されてしまって帰ってきたそうで、御家元もがっかりされておられましたが、今どきの塗師さんってそういう理解なんですかね。

 

 古い道具は塗り直さず接いで使うものなんですが……。

 

 釜は四方釜。これも江戸期の古いものです。釜膚のかせ具合がとても素敵でした。

 

 ハンネラ水指については、先に道歌で触れましたので省略しますが、しっとりと濡れた膚が乾き始めて土色をみせているのがなんとも言えぬ素晴らしさでしたよ。

 

 主茶盌は桜井戸。

 井戸の一種で、不昧公好の「桜井」系統の明るい鳥の子手の色をした井戸茶盌です。腰下から高台脇までを箆(へら)で削ぎ落としたような姿が特徴的でした。

 

 先代綾信公遺愛の品で、繕いが赤溜というのがこの桜の由来かと思われます。

 

 やや小ぶりですが、三客分のお茶がいただけるだけの大きさはあります。

 

 二盌目は安南で、見込み蛇の目のわたしの大好きな茶盌。これと紅安南で一対です♪(どちらも好き)

 

 三盌目は黒織部ですが、かせ方が違います。どうみても桃山陶か遅くても江戸初期。こちらも綾信公遺愛の品。なんと、普段遣いになさっていたそうで、400年使い込まれたからこその、あのかせた色なんでしょうね。

 

 そして花が負けてしまうほど上等な唐物花入に、若い女性の唇も負けてしまいそうな弁柄色の長香合(これも唐物)。

 

 必見だったのは菓子器で、一閑人祥瑞大鉢、二閑人祥瑞大鉢、三閑人祥瑞大鉢。いずれも明代の景徳鎮のもので、揃いででてくるのは始めてみました。全て閑人が外を向いています。

 

 この圧倒的な唐物づくしで物語を作るというのは、まさに大名茶ならでは。

 

 そして、一尾伊織の華奢な茶杓のたおやかなこと!

 

 しばし歓談させていただき、次のお部屋に向かいました。

 

 

 現在、お茶券の募集をしておりますのは以下の通りです。

 

【稲毛茶道会館・月釜】

令和8年6月14日(日)

 こちらは、私と北見宗綾先生の二人で席を持つことになっております。点心付きで4500円。

 

 6月14日(日)は旧暦四月廿九日。端午の節供が近いので、道具組みはそのようにしたいと考えております。

 

 会館主さまより、「お流派らしい道具で」とのオーダーをいただいておりますので、流儀の棚物などを使いたいと思います。

 

 お茶券は時間指定となります。

 第1席 10:40〜

 第2席 11:30〜

 第3席 12:20〜

 第4席 13:10〜

 第5席 14:00〜

 【ご希望の回をご指定ください】

 

 外部で持つ初めての席になりますので、皆様のご参加お待ちしております。

 

 ご連絡は、 darkpent@gmail.com または、X(Twitter)のDMInstagramのDMThreadsのDMまでお願いいたします。

 

 その他、手配可能な茶会がありましたら、告知いたします。

 

 

 月桑茶道教室では、随時お弟子さんを募集しております。
 
■月桑庵の特徴
点前偏重はしない
 月桑庵のモットーは「主客を大事にする」です。
 主客というのは「亭主=点前をする人」と「正客=連客の中で一番上座に座る人」のことです。
 
 点前偏重というのは、お茶を点てることばかり教えて、お客さんとしての振る舞いとか、道具の由来や掛軸の意味、お菓子の種類と食べ方などを教えないということです。
 
 慣れてくれば正客の稽古もできますし、さらには御詰め(末席のお客さん)の稽古もできます♪
 
 月桑庵はそういうところを大事にしています。
 多くの教室は、免状や許状などをとることを主眼にしていますが、月桑庵はそういう点を重視しません(急がれる方は特訓しますけど)。しかし、自分で恥を掻いて覚えるものよ!という言い方もしません。
 
 

先生の点前が毎月見られる
 そして、毎月「お茶会へ行こう」を開いておりますので、私の点前を見ることができます。
 普通の教室ではだいたい年に1~2回見せていただければ多い方などという話を聞きますが、下手をすると、先生の点前など見せてもらえないなんてお教室の方が多いらしいです。
 
 ですが、月桑庵では毎月薄茶と濃茶の点前を私がさせていただいております。
 自分と何が違うのか、よーく見ていてください。
 
 

お茶の雑学が学べる
 私がいろんな流派に関心があって、歴史が好きで、道具の由来が大好きなので、いろんなお話をいたします。道具組みのお話もいっぱいいたしますよ。



 ④リモート稽古導入

 遠隔地にいるお弟子さんには、リモート稽古も可能です。お道具は用意していただく必要がありますが、遠くて月に2回通えない!という方でも稽古が出来るようになりました。最低年1回は実地稽古を受けていただきます。

 

 


 
■都流って?

 当流は「表千家都流茶道」が正式な名前です。
 でも、表千家と名乗りながらも、表千家さんからの分流ではありません。
 家元先生は「荒木宗仙」とおっしゃいまして、信長に叛旗を翻した戦国武将として有名な「荒木村重」の子孫にあたります。直系ではないそうですが(荒木村重の三男の家系のようです)、家伝として茶道が伝わってきたとか(お寺に)。

 荒木村重は、信長に仕えていたころから「数寄者」でありましたが、信長の死後、大阪に戻って利休に師事して千家の茶を学びました。利休十哲にも数えられるほどの数寄者でした。茶名は「道薫」といいます。

 大正時代になって、『広く大衆に弘めたい』と発起され、上京し、流派を興したそうです。



■稽古日
 土曜日教室/内田宗地
  第二土曜日、第三土曜日、第四土曜日
  第一日曜日、第二日曜日、第三日曜日、第四日曜日

  祝日から2回
  お茶会へ行こう・お茶事へ行こうの日はお稽古なし

  お茶会へ行こうの前日は準備を手伝う人だけ稽古あり

  お茶事へ行こうの前日は稽古なし

 その他平日・祝日についてはご相談ください。
 

■料金
 月謝制
 入会金/一カ月
 7,000円+

「お茶会へ行こう」または「お茶事へ行こう」の水屋参加は無料です。

・その他
 水屋料 1000円/回または2000円/月

 ※水屋料は奥伝以上より頂きます。

 ※水屋料とは道具の片付け方やメンテナンス方法の教授と水屋道具、消耗品の使用料です。


 薪料   1000円/都度

 ※薪料は炭点前をするときだけです。


 中元・歳暮 年二回(1ヵ月分の月謝と同額)
 初釜   別途
 流茶会(年一回) 別途
 教授会(年一回) 別途

 点前料 7000円(お茶会の際に点前をする際にいただきます)
 ※演奏会などのエントリーフィーみたいなものです。

 ※学生は割引があります。




■内容
 点前は、三千家と似ているようで違い、武家茶とも異なる茶道は、古流に近い流れを持ちます。丁度、古流から利休を経たのち、古田織部が武家茶を確立させる前の手であることが解ります(荒木道薫は利休十哲の一人。直伝されているとされます)。

 特徴としては、裏千家と同じようなふっくらとした泡立ちの薄茶と、棚物に飾り残しをしないこと、宗旦以後の棚物については使ってもいいことになっていますが、原則として邪道とすることです(邪道とは数寄であって本道ではないということです)。

 月桑茶道教室は内田宗靜(母)と内田宗地(私・男)の二人で教えております。男の点前と女の点前とが教われます。

 茶道を習われる方には着付けを無料でお教えします。

お問い合わせ先
03-3554-4345(自宅)
darkpent■gmail.com(■を@に替えて送信してください)