結婚式の写真写りが悪いとカメラマンの責任になることが自然な流れになっていますが、
そうでもないのが結婚式の写真です。
優れたカメラマンは新郎新婦さんを3割増しに撮影することはできますが、
最大でも3割増しです、それ以上は目が大ききなったり肌が滑らかになるアプリと同様で、
CGなどで加工というか偽造の領域に入ります。
写真は過程ではなく結果を写します、
例えばヘアメイクの仕上がりが残念だと当然残念な姿が写真に残ります。
かつらがズレていたり、着物の着付けが適当だと適当な姿が写真に残ります。
その場で直せるヘアメイクや着付けであればカメラマンが指摘して対応出来ますが、
直すのが困難な場合は結婚式には時間が無いのでそのまま撮るというのが慣例です。
この場合もカメラマンの責任にされることが99%。
また結婚式の前の日に長時間の飛行機移動や、
結婚式前日ぐらいからお酒を飲みすぎ顔がむくんだ新郎新婦さんが、
むくみの責任をカメラマンに押しつけてくるのも99%。
結婚式のカメラマンはそういう難儀な世界で生きています。
髪の毛にアメピンが1本残っていたら、
取るのを忘れたヘアメイクさんの責任ではなく、
指摘しなかったカメラマンが責め立てられるのが通例です。
結婚式場や写真館もそう言ったクレームがあると受け入れて、
カメラマンの責任にして返金していたので、
それが当たり前になってしまっているのも原因です。
カメラマンは起こった結果を撮っているだけで、
カメラマンが原因でない事がほとんどです。
以前、某有名デザイナーのウエディングドレスを着用した新郎新婦さんが、
ドレスの繊細な部分の取り付けが違っていたようで、
それについて「カメラマンがなんで指摘しなかったの?」と言われました。
本来であれば3cmぐらい取り付け位置が違っていたようですが、
こだわりの世界なので、間違った位置でもどちらも正解と言えば正解なものでした。
間違って取り付けたヘアメイクさんは責任を問われず、
その写真を残してしまったカメラマンの僕の責任に。
そしてその某有名デザイナーからも「カメラマンとしてあり得ない」と言われたので、
「そんなにこだわっているなら取り付け方をきっちり説明しない方があり得ない」
と有名デザイナーに丁寧にお返事して、
新郎新婦さんには。
「写真は結果を撮影したまでで、取り付け不備の責任はドレス会社とヘアメイクさんにあるので責め立てるのであればそちらに行うのが筋かと思います」
と丁寧にお返事しました。
まあこれが本来の誠意ある対応ですよね。
なんでも謝ればいいということではなく、
人と人として間違っている事には間違っているとちゃんと言わないと。
結婚式というと甘い世界に思われている方も多いですが、
実際はこんなことがとても日常的に行われています。
こういう裏の話をすると作り話と思う方も多いですが、
そう思うのであればそう思っていた方が幸せかもです。
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