海外に住んでいる日本人の方が、
一時帰国の際に日本で撮影を依頼されるケースがあります。
僕の経験では、この海外在住の日本人の方とのトラブルが非常に多いです。
不思議なことに、海外在住の外国人の方からのご依頼では、
むしろ律儀で、約束もしっかり守ってくださる方が多い印象です。
もちろん、僕が経験した範囲での話です。
ただ、海外在住の日本人の方には、
もう少しきちんとしていただきたいと思うことが少なくありません。
今回は、そんなお話を3つ。
●トラブルその1-プロなら何とかしてください
「海外から日本に一時帰国するので撮影してほしい」
そんなご相談がありました。
撮影場所はお任せするけれど、希望としては、
皇居と皇居周辺、赤坂迎賓館、京都、富士山、
そして東京から近くて紅葉が鮮やかな場所。
「全部で撮影時間4時間あれば足りますか?」
……。
足りるわけがありません。
そもそも撮影場所によっては許可が必要だったり、
撮影そのものが制限されていたりします。
それ以前に、京都と富士山と東京都内を4時間で撮影できると思っているのでしょうか。
海外からでも日本の地図は見られると思うのですが。
本当に知らないのか、それとも無茶なお願いをしている自覚があるのか。
どちらにしても、僕はこういうマインドが好きではありません。
とはいえ、僕も大人なので、
「4時間では足りません。なぜなら……」
と、移動時間や撮影許可の問題などを丁寧に説明します。
「日本に住んでいるプロでしょ。プロなんですから、どうにかしてください」
と言われました。
そこで、
「プロだからこそ、できないことをできないとはっきり申し上げているのです」
とお伝えして終了。
プロという言葉は、魔法使いという意味ではありません。
●トラブルその2-前回のことはなかったことに?
海外在住の日本人男性から、沖縄での撮影企画に応募がありました。
毎年春に沖縄を訪れるので、
そのタイミングで僕の撮影企画に参加したいというお話でした。
そういうご縁もあるのかなと思い、当選としてお申し込みを承りました。
その後、現地での移動や宿泊などについても、親切丁寧にご案内していました。
ところが、途中から話がおかしくなります。
「思っていたよりお金がかかるので、このままでは行けるかわからない」
まあ、それは仕方がありません。
旅行には予算がありますから。
しかし、その後に出てきた言葉が、
「なので、一緒の部屋に泊まりたい」
さらに、
「もし行けなかったら、お金は払えない」
……。
いやいやいや。
僕はカメラマンであって、無料の宿泊施設ではありません。
そもそも、行けなかったらお金を払えないというのも、
契約というものをどう考えているのでしょうか。
そんな条件では仕事になりませんので、きっぱりお断りしました。
すると、そのまま音信不通。
申込金も支払われず、キャンセル料も未納。
それが約2年前のお話。
ところが先日、宮古島の撮影企画に、
その方から何事もなかったように応募がありました。
「親が亡くなって前回はキャンセルしましたが、今回こそは宮古島に行きたい」
とのこと。
親御さんが亡くなられたというお話は、そのとき初めて聞きました。
もちろん、ご事情があったこと自体を責めるつもりはありません。
しかし、当時のお申し込みや、その後の対応がなかったことになるわけではありません。
また、過去の経緯をすべて水に流したという意味でもありません。
そのことについて何の説明もないまま、再び応募されても困ります。
そんなデタラメな人が選考のテーブルに載ることはありません。
海外に住んでいると、こういうたくましさが身につくのでしょうか。
少なくとも僕には理解できません。
●トラブルその3-お金を払ってくれない
海外在住の日本人の方から撮影を依頼される際、よく問題になるのがお支払いです。
「海外送金ができない」
「送金手数料が高い」
「日本に帰国したときに直接支払いたい」
などなど。
事情はわかります。
ただ、それはお客様側で解決していただく問題だと思っています。
以前は僕も、海外からの送金は大変だろうと考え、
撮影当日のお支払いを認めたことがありました。
その結果はというと、
待ち合わせ場所に来なかった方が2組。
日本円ではなく、現地のディルハムで支払おうとした方が1組。
……。
僕は日本で仕事をしている日本人のカメラマンです。
なぜ、事前の取り決めもなく、外国の通貨で支払おうとするのでしょうか。
海外旅行の残りのお金を処分する場所ではありません。
もちろん、カード決済や海外送金の手数料が高いことも理解しています。
しかし、それは僕が負担すべき問題ではありません。
撮影を依頼するのであれば、決められた方法でお支払いいただく。
ただ、それだけの話です。
そんな経験を繰り返したので、現在はこうした例外的な当日払いには対応していません。
海外に住んでいるからこそ、しっかりしてほしい。
いや、しっかりしなさい。大人でしょ?
もちろん、海外在住の日本人が全員こうだと言いたいわけではありません。
きちんとされている方も、たくさんいらっしゃると思います。
ただ、あくまで僕の経験では、海外在住の日本人の方からのご依頼で、
トラブルが非常に多いのも事実です。
むしろ、海外在住の外国人の方のほうが、
こちらの説明をきちんと理解してくださり、約束も守ってくださる印象があります。
言葉も文化も違う外国人の方とは問題なく仕事ができるのに、
同じ日本人との間で、なぜこんなことが起こるのでしょう。
僕は、お客様のためにできることは、できる限りやりたいと思っています。
でも、それはお互いの信頼関係があってこその話です。
一方的な要求を受け入れることでも、
約束を守らない方の都合に合わせることでもありません。
海外に住んでいることは、
無理な要求をしていい理由にも、約束を守らなくていい理由にもなりません。
僕が求めているのは、特別なことではありません。
普通に約束を守って、普通にお支払いいただいて、
普通に気持ちよく仕事をさせていただきたい。
ただ、それだけです。
そろそろ、僕のところにもきちんとした海外在住の日本人のお客様が来てくださらないでしょうか。
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