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おだんご日和

Dango茶屋・いちのせの徒然記


バスは、高台の停留所からしばらく山の中を走り、急に海沿いへ出ました。

 
  
小さな集落(があったであろう場所)が、雑草の生えた更地になっていました。

 

 

 

バスは、また山の中に入ります。
海と山が交互にやってくるのは、リアス式海岸だからだろうかと、なんとなく思いました。
削られたようなハゲ山のてっぺんに社があります。こんな山中まで津波が来たのかと不思議に思いましたが、その答えはすぐにわかりました。

 
  
重機で山を削っているのです。

 

前日、葬儀の後の食事会で、叔父さんたちが「山を削って住宅を作り、その土で高台を作っている」という話を思い出しました。

 

しばらく行くと、広い更地に出ました。
今思えば、このあたりが南三陸町の市街地だったのかもしれません。
(ちゃんと地名を確認していないので、間違っているかもしれませんが)



2013年6月に祖父の葬儀がありました。
もう3年前になろうとしています。

祖父は、宮城県 気仙沼市の小さな町に住んでいました。

震災から数か月後だったと思います。
祖父と電話で話して、私が「そのうち、また行くね」と言うと、祖父は「電車もなくなったからなぁ」と、存外明るい声で言い、なぜか私は叱られたような、申し訳ない気持ちになったのを覚えています。
結局、気仙沼には行かず仕舞いで、葬儀を迎えました。

 
  
ちょうど、その頃は「あまちゃん」と「八重の桜」が放送されている頃で、空港も駅も、能年ちゃんと綾瀬はるかさんでいっぱいでした。

 

仙台は、震災の被害をほとんど受けていないらしく、昔どおりのステキな街でした。
空港から駅までの電車から見える仮設住宅から震災の影を感じるくらいです。

 

祖父の家は、高台にあったので津波の被害は免れており、全国に散っていた孫一同が集まり、寝泊りすることができました。自宅葬だったので、近所の方が手伝いに来たり、親戚を出迎えたり、大変でしたが、ひさしぶりに孫が集まり(適切な言い方ではないかもしれませんが)良い思い出になりました。

 

帰りは、気仙沼から仙台まで、沿岸部を通るバスに乗りました。
津波の被害を受けた地域を観ておきたいという気持ちもありました。




 AKIRAは、私が小学生ごろの作品で、アニメ好きの友人数人と一緒に、近所のレンタルビデオ屋で借りて観たのが初めてだと思います。

 当時は何だが気味が悪いアニメだな、ということしかわかりませんでした。

 学生時代に再見した時は、破壊シーンとか、アクションシーンばっかりを繰り返し見ていた記憶があります。



 最初に観た時から「すごい映画だけど、あまり好きじゃないな」と思っていました。
 その原因を突き詰めて考えると「なぜカオリが死ななければいけないのか、納得が行かなかった」からだと思います。小学生の頃から、あのカオリが死ぬシーンだけは良く覚えていて、とにかく受け入れられない気持ちになっていました。
 当時の気持ち的には、「カオリが死ぬから『AKIRA』は嫌い」と言っても良かったと思います。

 そして、20年ぶりに再再見した「AKIRA」は、めちゃめちゃ面白かったです。

 今なら、なぜカオリが死ななければならなかったのか、よくわかります。
 彼女は、よくアニメに出てくる「獣性や暴力性をコントロールする巫女」への反論であり、パロディだったのですね。
 モスラの小美人、ガンダムのララア、ラピュタのシータ、ドラクエ4のロザリー、カオリは彼女たちのように男子をコントロールできず、無力で無為に死んでしまいます。

 アニメやゲームに出てくる巫女は、男子の暴走を止めて、物語に秩序を取り戻してくれます。
(その結果、生贄のように死んでしまう場合もありますが、男子の暴走は止まります)
 しかし、現実世界に巫女はおらず、暴走を止めることはできず、争いと破壊が起こってしまう場合が悲しいほど多い。

 監督は、責任を巫女に丸投げするアニメに辟易していたのかもしれません。
巫女なんて嘘っぱちだ・・・「女は、ぶん殴って黙らせるもんだ」という男の方が多いじゃないか、と・・・。

「獣性や暴力性をコントロールする巫女」・・・というモチーフは、宮崎駿監督も繰り返し描いていますね。
 しかし、宮崎監督の場合は、獣性・暴力性のコントロールに、なんとか男子も責任を果たそうと四苦八苦するところが面白いです。
「もののけ姫」では、アシタカとサンが一緒にシシガミの首を持ち上げる。
「ラピュタ」では滅びの呪文をパズーとシータの二人で唱える。

 鉄雄になるのか・・・。パズーになるのか・・・。巫女に頼ることなく、男子は(女子も?)自身の獣性・暴力性と向き合わなければいけないということなのだろうか。

 それにしても!(誤解を恐れずにいうならば!)「AKIRA」で描かれる獣性と暴力性の魅力的なことよ!





友人も私も、この企画をやっている間にどんどん忙しくなってしまい、話し合って一旦中止ということにしました。

 
  

 
 
友人のPCの中には、まだデータが残っているはずです。


 
色指定は、山高に私のイメージを伝えて、やってもらいました。 

この友人とは、有田焼のキャラクターを一緒に考えたり、「ジョジョ立ちするとスタンドが発現するプロジェクションマッピング」を考えたり、完成までたどりつかなかった企画がいくつかあります。
  



友人と作っていた(完成しなかったけれど)ファンタジーゲーム風ショートストーリーでした。
定番の「魔法使い」と「僧侶」も登場する予定でした。

 

 

キャラクターの関節はあえて描かなければ、レトロゲームキャラっぽくなるのではないか、とか考えていました。
安易です。

 
  
 
 
 
私のラフすぎるラフデザインから、友人は一生懸命3D化してくれました。