訪問理美容ダイロク -21ページ目

バンクーバーってVから始まるんだー。その5

「寝るな!よし!目を覚ましてやる!」

と、カミンムラさんの家から連れ出され着いた所は、バンクーバー警察署斜め前のストリプティーズパブでした。

ステージが有る以外は、普通のバーですが、ステージには消防士が降りて来そうな棒が1本天井の穴から降りています。
そこから衣装を着けた女の人が降りて来て衣装を脱いで帰って(棒を登って帰るわけではありません)いきます。

恥ずかしいので、ちょっと舞台から離れた所(時々日本代表と思い込んでしまいます)に座り、直視は出来ないので、視角のスミでガン見します。

「法律が違うから、警察署の前はわかるけど、何で真昼間にストリップ見ながら酒飲むの?」と聞くと、昼夜逆転した生活をしている人がいる事や夏になったら白夜で夜もどうせ明るいしと言った後、だからと言ってお酒に甘い訳ではなく、ビールでもむき出しで歩き飲みすると警察に捕まると教えてくれました。

カミンムラさんの家に帰ると本格的なパーティーです。
一口では口に入らない程の牡蠣や新鮮なサーモンなど、カナダで最初で最後の美味しい料理でした。

「田邊起きろ!」と起こされたらソファーに寝かされていました。

「う、う、眠たい。」とお決まりになったセリフを言うと、「観光だー。」と車で連れ出されます。

同じ様な景色を1時間ほど走ると、何も無い畑の中の道に車を止め、「ここはなー、晴れていたら物凄く良い景色なんだぞー。」と曇って霧がかかった灰色1色の景色を説明します。

暖流のおかげで暖かいバンクーバーは、冬場暖流のせいで、雲と霧がかかり観光には向かない季節なのです。

ここに来たのは、何処に行ってもこんなもんだと教えるためらしかったのですが、遺品を届けにと久しぶりにFさんに会いに来た私には、景色などどーでも良かったのです。

それでも何箇所か観て回り、Fさんのピックアップトラックに乗り換えFさんの自宅へと向かいます。

100キロほど離れた自宅に高速道路でも無いのに1時間ほどで着きます。

カナダ人の奥さんと可愛い3人の娘(長女は、私の娘と同い年で後の2人は初対面です。)に何と挨拶しようかと考えながら駐車場に入ります。

目の前には、大きな白いお家が建っていて幸せの香りがしています。

玄関に向かおうと大きなスーツケースと格闘していると、Fさんが「おい!こっちだ。」と呼び止めます。

え!そっちは。

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子猫、保護しちゃいました。

2日前、朝から仕事に出かけようと車を発進したら、曲がり角で家内が車を止めます。


「何か、子猫らしき物が。」と家内。


車を降りると、確かに隣家の駐車場に子猫がいますが、近づくと逃げて車の下に行ってしまいました。

そこで、後ろから車が近づいて来たのと、仕事の時間に迫られ泣く泣く出かけました。


帰って来たらいないだろうと思って帰ると、今度はお向かいの駐車場にゴロゴロしていました。


よく見ると、痩せてキツネの子のような顔をしています。

家内と子供がエサで気を引き捕まえようと、出かけました。


いくら痩せているとは言え野生の動物がそんな簡単に・・・・。

捕まりました。


えー、捕まえたのー!


じゃー、ともかく動物病院へいかなきゃ!


病院に着き寄生虫やノミとりをお願いし、待っているとオバチャンが話しかけて来ます。

ここには、動物好きしかいないと言う安心感からか、えらく馴れ馴れしいく我がネコ自慢(いかにナツイテいるかを)を話続けます。

結構時間が経ってからネコちゃんを見せてもらうと、所々毛が抜けています。


訳を聞くと、「ガンなの。」との答えが返って来ます。

治療費の話を聞くとかなりの金額ですが、こちらが聞くまで、お金や治療の苦労を一切していないのに気が付きました。

苦労より、可愛さの方が数段上回っているのですね。

頭が下がります。


寄生虫もおらずノミも駆除してもらい家に帰ります。

100均でトイレになりそうな物とエサ入れを買い、ダンボールでお家を作りエサをあたえます。


とりつかれた様にガツガツ食べます。

何日か食べていないようです。

なでると背骨がゴツゴツ当たります。


次の日、何回もエサをやって落ち着くとトイレもすぐに覚え、手に頭をこすり付けノドゴロゴロ鳴らします。

良かったー。

人にイジメられていないようです。

人が大好きです。


エサをあげると、食べては寄って来て頭をこすり付け、又、食べに行きをくり返します。

やさしくなでます。人の手があたたかく、やさしい物だと思ってくれるように。


さー、飼い主を探さなきゃー!


訪問理美容ダイロク-子猫

バンクーバーってVから始まるんだー。その4

その小さな家に、疲れてよろよろしながら入り、ご挨拶をし、「すいません、タバコを吸ってよろしいでしょうか?」と尋ねると、「どうぞこちらへ。」と家の奥に案内されました。

そこは、犬小屋兼倉庫と言った庭に面した部屋で、ドアの下に犬の出入りする小さめのドアが有り、暖房が入っておらず、缶ビールを冷やして有ります。


そこに、山盛りになった吸殻の入った灰皿(タバコを触るのもイヤと言っているように。)が置いて有り、「どうぞ。」とタバコを進められました。

あー、これが犬扱いかー。

物凄く肩身の狭い思いをしながらタバコを吸いました。

家の持ち主のカミンムラさんは、女性で通訳と観光ガイドを仕事になさっています。

大人に成ってからカナダに来たのですが、電話だとネイティブと勘違いされるほどの英語力(私には分かりません)の持ち主です。

カミンムラさんがカナダに来た理由がすごいんです。


結婚相手(籍はカナダでと言われたそうです)がカナダ人で、その頃流行っていたヒッピーでした。
日本中をさすらっていて、ミステリアスな雰囲気をかもし出していたそうです。

そして旦那さんから「結婚記念にヨットでカナダに行こう。」と言われ2人してヨットで太平洋を横断してカナダにやってきたのですが、何とそこで旦那さんが逮捕されたのです。

旦那さんは、軍人だったのですが、軍を脱走して日本に来ていて、勿論パスポートも持っていないので、望郷の思いが強くなって帰りたくなっても、ヨットで帰るしか方法が無かったのです。

日本中をさすらっていたのでは無く、逃げ回っていたのです。

そりゃーミステリアスなはずだ。

その後も一波乱二波乱(含む離婚)有って現在にいたっていらっしゃいます。

カミンムラさんの100年経った家は、持ち主を同じ暖かさをかもしだしています。
そして落ち着いた雰囲気のインテリアの中でネコが外を見ていますが、その窓ガラスの表面がゆがんでいるのです。

100年前のガラスです。

荷物を置き、一服したとたんにFさんが、「パーティーだー。」と叫び、ダウンタウンに引きずって行かれました。
つづく