はい! 奈央です。
前回まで、ディーゼルエンジンのことをご紹介していますが、今回はその燃料である軽油のことをご紹介します。
先日、下の表を示して、軽油とガソリンを比較すると、沸点に差があるくらいでその他は目立った違いが無いような・・・ということを書きました。
各種燃料の特性 *GTL(合成燃料)
環境優良車普及機構HPよりお借りしました。
ところが、化学的に言うと、かなり違っていました。
ガソリンについて
ガソリン(イギリス: petrol、アメリカ: gasoline)とは、石油製品の一種で、沸点が、30~220℃の範囲にある石油製品の総称です。
この名称は、「gas(ガス)」とアルコールやフェノール類の接尾辞である「ol」と不飽和炭化水素の接尾辞である 「oline」 に由来する
ガソリンの化学組成
ガソリンは、約250~300種類の炭化水素(炭素Cと水素Hだけから成る化合物)の混合物です。
下の図に、ガソリンに含まれている主な化学物質の化学構造を示しました。
ガソリン中に含まれている化学物質の例
ネットdeカガクHPよりお借りしました。
具体的には、炭素数4 - 10の炭化水素の混合物です。
鎖状のもの、環状のもの、二重結合を持った不飽和炭化水素類、さらに、トルエン、キシレンといった芳香族化合物類と多彩な低分子量炭化水素類の集まりなんですね。
ガソリンをガスクロマトグラフィー(GC)分析した結果が下の図です。
約250~300種類の炭化水素(炭素Cと水素Hだけから成る化合物)の混合物という説明に納得ですね。
ガソリンのGC分析
SHINADZU HPよりお借りしました。
それじゃあ、次に、ディーゼルエンジンの燃料である軽油の化学組成を見てみましょう。
軽油の化学組成
軽油は、原油を蒸留(石油精製)することによって得られる炭化水素混合物です。
沸点範囲は180 - 350 ℃ 程度です。
そして、主成分は炭素数9 - 26程度のアルカン(鎖状飽和炭化水素)です。
軽油のGC分析
SHINADZU HPよりお借りしました。
*アルカン(鎖状飽和炭化水素)って?
じつは、例えば炭素数10のアルカン
これを化学構造式で書くと75種類もあるんです。
でも、これらが全て混合されているという訳ではないと思うんですよね。(たぶん)
有機化学の散歩道HPよりお借りしました。
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ガソリンと軽油を比較してみると、沸点だけの違いじゃないことがよく分かりますね。
はい! 今回はここまでです。
次回は、この軽油が空気中の二酸化炭素と水とから合成できる!という技術がネット上で騒がれています。
これについて、少しご紹介したいと思います。
それじゃあ、またね。