~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -98ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

『これから企業に求められるものとは?』
~多様性と一様性~

 
先日とある企画で、法政大学の坂本先生との
パネルディスカッションに参加させていただきました。
 
パネルディスカッションの面白さは、
想定外の質問が飛んできて、それに真摯に答えるうちに、
自身の考え方が整理できるということです。
 

「これから企業に求められるものは?」
というテーマになり、私の口から出たものは、
 

「多様性」と「一様性」でした。
 

他パネラーの方のお話を聞いて、さらに確信しました。
 

どの企業も人財確保に悩んでいます。
本来持っていた「ものさし」を取り換えて、
多様性ある人材を活かせない会社は選ばれなくなるでしょう。
 

多様性とは、定年後の高齢者、女性、子育て中の女性、
外国人、障がい者、新価値観の若手社員、パート・アルバト、等々。
 

様々なバックグラウンドを持っている人を
会社も個人もwin?winで働けるようにできる環境。
 
「多様性」への対応は急務と言えます。
 

しかし「多様性」と「無法地帯」は別物です。
 
「多様性」へ対応する過程で「あれもよし。これもよし」、
何でもありの状態になってしまいます。
 
「多様性」ある企業になるには、
矛盾する「一様性」が一方で必要です。
 
一様性とは、つまり会社の軸となる考え方。
「理念」を指します。
 
理念なき所の「多様性」は、
崩壊に向かっているようにしか見えません。
 

以前ある先輩から言われました。
 
「コンサルタントになるような人は、
 やはり自分の個性を大事にしたい人が多い。
 
 個性がないコンサルタントはこれからやっていけない。
 一方で個性的なコンサルタントになるには、
 共通の土に深く根を張らなければいけない」
 

当時の私は「個性的」になることばかりを意識し、
今いる「土」には目を向けていませんでした。
 

「多様性」or「一様性」ではありません。
 
「多様性」の器を大きくしたいからこそ、
「一様性」を再構築することが必要なのだと思います。

100年経営研究機構の総会に参加。
最高顧問である新将命先生による講演。
タイトルは『長寿経営の原理原則』でした。

<ポイント>
○2015年データ
 倒産企業は8,812社。休廃業・解散企業は26,699社。
 合計すると35,511社にのぼる。

○原理原則とは、国境、業種、規模、時代を超越したものだ。
 原理原則をやり続けられる人は2%程度しかいない。

○魚は頭から腐るという諺がある。
 会社も頭から腐る。社長の影響力は80%ある。

○勝ち残る企業づくりの流れ
 経営者品質→社員品質・満足→商品・サービス品質
 →顧客・社会満足→業績→株主満足→最初へ
 このフローに照らし合わせて考えてみる。

○業績が良くても後継者を育てることができなければ、
 50点でしかない。テストでいうと不合格だ。

○時代も消費者ニーズも変わる。5年に1度くらい理念を
 見直してもみてもいい。何を引継ぎ、何を残すのか、を
 選択する。

○米国型経営がいいとか、日本型経営がいいとかではない。
 いい経営をしていれば、いい会社になれる。

○これからの企業がやるべきこと
 ・活きた企業理念の構築と活用
 ・長期的視野(5年)に基づいた成長戦略
 ・人財の計画的育成

○企業を大きくしたいと望む若手経営者が多い。
 ビックカンパニ―になる前に、グットカンパニーになることだ。

 

福島先生の集大成『真経営学読本』から引用します。
理念についても触れていらっしゃいます。

・売上とはお客様が自分たちの商品やサービスを
 選んでくださった結果であり、お客様から自分たちへの
 感謝であると捉えることができる。

・会社で働くことを「企業理念を現実化することである」と
 捉え、企業理念に共感した人たちが集まって、みんなで力を
 合わせ、企業理念を実現させていくことを事業と考えている。

・企業理念には6つの条件が必要です。
 1.社会性
 2.共感性
 3.独自性
 4.困難性
 5.絶対性
 6.普遍性 

・企業理念が浸透させる方法は、浸透するまでありとあらゆることを
 やるしかない。これとこれをやれば浸透するというものではない。
 ありとあらゆることをやるしかない。

・最強の組織には3つの条件がある。
 1.組織が企業理念に共感した人たちの集まりであること
 2.働く人々一人一人が「自立型人材」になっていること
 3.働く人々が「相互支援の関係」になっていること

・仕事は人が幸せになるためにするもの
 事業は人を幸せにするためにするもの
 企業は人が幸せになる場所
 経営とは、あらゆる手法を駆使して、社会に貢献すること

※引用:『真経営学読本』

ある先生からご紹介いただいた鎌倉投信。
こんな非常な金融会社があるのか!と驚いたと共に、
大変うれしい気持ちになりました。

『投資はきれいごとで成功する』から引用します。

・投資はまごころ
 社会的意義をはたしつつ、利益を上げるいい会社が
 いい会社たる理由や経営哲学は、通常金融機関や
 コンサルタントが使う数字、財務諸表には表れない。

・社会性を追求するとお客様からの信頼が生まれ、結果として
 儲かる時代になった。会社が提供する商品やサービスだけで
 なく、その姿勢や思想まで知りたいと思うお客様が増えている。

・多くの金融機関は危機を乗り越えた後にお金を入れる。
 鎌倉投信は危機を乗り越えるためのお金を入れてくれた。
 鎌倉投信は他のファンドに勝つことではなく、いい会社を
 応援することを目的にしている。

・鎌倉投信はリターンの定義を変えた。運用会社の使命である
 「資産の形成」に加え、「社会の形成」、受益者の「心の形成」。
 3つのリターンが掛け算されたら幸せがもたらされる。

・いい会社の14の視点。
 人財の多様性、感動サービス、現場主義、市場創造、
 地域を大切に、技術力、オンリーワン、経営理念、
 グローバルニッチ、モチベーション、製販一貫体制、
 社員を大切に、変化し続ける力、循環型社会創造

・いい会社とは事業そのものが社会のためになる。
 私たちは社会性と経済性は両立することを証明したい。

・誰でもできるはずだけど、誰もできない。
 これこそが鎌倉投信の非常識な金融ベンチャーのミソ。

※引用:『投資はきれいごとで成功する』

久しぶりに中央タクシーの宇都宮会長のお話を聞く機会に
恵まれました。
毎回の事ながら、気づきと感動をいただきます。

宇都宮会長が考える「経営の柱」とは、

1.人間関係
全ては人間関係から始まる。いい仲間と仕事ができるか。
タクシーという業界では離職率が非常に高い。
ちなみに中央タクシー様は離職率は3%まで落ちている。
仲間から良い影響を受けて、家族から「明るくなったね」と
言われる運転手さんもいる。

2.社風
鍵山先生が言うように、
「社員は指示命令で働くのではなく、社風で働く」。
良き社風ができれば、指示命令はいらなくなる。
しかし良き社風を作るには10年~20年かかる。

3.理念の浸透
老舗の第一ホテルを見事V字回復。
給与も県下でトップクラスへ。
ハードが老朽化しており、最後の強みは人の力。
人の力を信じ続けた。
パートさん・社員さん向けの理念勉強会を毎月実施。
結果、社員は仕事に誇りを持つことができた。
今では楽天トラベルでも評価が高い。
一流ホテル以上の星をもらっている。
老朽化が進んでいるホテルでここまで満足が高いのは、
人の力が大きい。

その他にはタクシー業界の現状に触れていらっしゃいました。
特に地方では廃業・倒産が進んでいるとのことです。
車はあっても運転できる人がいない。
平均年齢70歳という会社も普通に存在している。

中央タクシー様はいち早くワゴンタクシーへシフトをしているため、
黒字経営ですが、運転手の採用は困られているとのことでした。
現在採用改善に向けて3本の矢を放っている最中。

宇都宮会長からは毎回「信念を貫く経営」とは何かを
学ばせていただきます。

「経営者冥利に尽きる」「私の誇りは社員」と
言い切って講演は終了しました。

中央タクシー様の無料対談映像です。
→http://cst-zero.com/interview/