『人件費と土地代と電気代の安い国』の工場には価格では勝てない
先日のFBの方で町工場のBtoC商品について、
「大手企業にはブランド力で、
『人件費と土地代と電気代の安い国』の工場には100均とかの500円商品とかで、
早晩上書きされますからね。」
とかまた誤解されるとうな事を書いてました。
以下は言葉足らずに関しての言い訳です。
職人の手作りとはお金が掛かるんです。
簡単に見えるようなものでも、
製作時間が掛かります。
製作時間を工数と呼びます。
ぱっと見で「1000円くらいかな?」とか思うモノでも、
工数から計算した金額で5000円とか10000円とか掛かるんです。
ここに出しても良い例が無かったのですが、
こだわりのオリジナルのキャンプ用品を製作している工場があります。
ブランド化して(一見、高額に見えるかもしれませんが)適正な価格で販売されています。
BtoCの製造及び販売として立派な姿だと思います。
でも、そんなにこだわりなんぞの関係無い”にわかキャンパー”には、
そういった道具は高価すぎるんです。
そんなニーズに応えるべく、
こんな商品が出てくるんです。
もちろんこだわりや愛情など詰まっていません。
『人件費と土地代と電気代の安い国』の工場には100均とかの500円商品とかで、
早晩上書きされますからね。
と言うのはそう言う意味です。
なのでそういった廉価で上書きしてくるモノに対して、
同じように安さで勝負するのではなく、
さらなる価値を見出してもらえる商品を創り出す必要があるのです。
日本の家電メーカーの進んだ道と
iRobot やダイソンが切り開いた道との違いが、
私ら光関連では、
ニコンとカールツァイスの違いが、
考えるには良い例です。
モノを作って売るとはホンマに難しい時代なんです。
それは BtoB でも BtoC でも変わりはありませんけどね。
製造業の活性化について
製造業の活性化について。
このブログで多分もう555万回くらい同じ事を書いていますが、
製造業の活性化には個の技術を高める方向が基本だと思っています。
バブル期までは町工場目線で自分たち製造側(供給側)に不足があり、
発注者側が製造側(作れる町工場)を探し回っていました。
無理矢理ねじ込まれたお仕事を同業者さんにFAXでねじ込んだら、
一周回って別の同業者さんからFAXで見積依頼が来た!
「これどこかで見た見積図面!あれっ?これ俺がFAXした…」
これウソのような本当のお話です。
バブル崩壊の不景気からリーマンショック前までは、
供給側と発注側のバランスにはまだ少しは情報ギャップがあって、
「目立ってナンボ!」よろしく、
展示会や工業系新聞の広告とかで自社の広報告知をやれば、
製造業者側にお仕事が増える機会も多かった。
問題なのはリーマンショック以降。
メーカーの製造部門の海外移転と海外の下請けへの直接発注の傾向で、
国内メーカーからの発注が減り、
国内製造側の受注数と受注額が減った。
何もしなければ仕事は減り続けるし、
目立ってももうナンボにもならない。
それはコロナショックまでの10年ちょっとで確認出来ました。
では、仕事が溢れている製造側(町工場)はどうしているのでしょうか?
ポイントは2つ。
まずは発注側(企業側)の情報ギャップを狙います。
もしくは受注側(町工場側)の技術レベルのギャップを狙います。
ギャップを差別化と呼んでも良いのかと思います。
どっちに転んでも自社には売り込めるだけの技術は必要です。
製造業の活性化について、
ただ待っているだけでは景気の競技トラック2周か3周遅れですし、
「目立ってナンボ」だけでは景気の競技トラック1周遅れ。
「情報ギャップを見つけて更に問題点を突破出来る技術が必要なのだ」と、
ニュース番組Mrサンデーの「まいあめ」さんの特集を見て改めて思いました。
「製造業の活性化!その為には目立ってナンボ!!」
っ言って騒いでも本業にはもう無力な時代になって干支一周以上が過ぎました。
今こそ真面目に本業を固める時期なのだ、
とやはり思います。




