コミュニケーションの学校 回覧板(錦糸町&両国&浦和) -16ページ目

仕事と家族と人生と

最近、ハーバードビジネスレビューを読み返していると、
面白くて面白くて読み止らなくなってしまいます。

大学生のときも読んでいたけど、いやー、あの頃はホント、
「知った気になっていた」だけだとつくづく思う。
いや、今もなのかもしれないんですがね(苦笑)。

P・F・ドラッカーは、1992年「多元化する社会」で次のように言っています。


「社会やコミュニティや家族は、いずれも安定のための存在である。
 それらは、安定を求め、変化を阻止し、少なくとも減速しようとする。
 これに対し近代組織は、変革のための存在であり、
 常にイノベーションをも取らすようにつくられている。
 イノベーションとは、オーストリア生まれのアメリカの経済学者
 ジョセフ・シュンペーターの言う創造的破壊である。
 したがって組織は、製品、サービス、プロセス、技能、人間関係、社会関係、
 さらには組織そのものについてさえ、確立されたもの、習慣化されたもの、
 なじみのもの、心地よいものを体系的に破棄していくように編成されるべきである。
 要するに、組織はたえず変革を志向しなければならないのだ」


「組織の機能は、仕事に知識を適用することである。
 しかも知識の特質は、それが急速に変化し、
 今日の当然が明日の不条理になるところにある。
 これに対し、技能は緩慢に変化し、しかも稀にしか変化しない」


すごい。これは、すごい。
なるほど、ビジネス(イノベーション)とコミュニティは相反するものなんですね。
社会に資本主義が浸透していくほど、社会は不安定になっていく。
これってすごく重要なことなんじゃないかと思います。

いうまでもなく、資本主義の原動力は絶えざるイノベーションです。
でも、そのイノベーションは、社会やコミュニティや家族や人間関係を
しばしば破壊していく。こんな自明なことを意識している人って少ないのでは?

イノベーションは、「変化」、さらには「成長」と言い換えることもできます。
逆の言葉は、「安定」「平凡」「調和」・・・。

安定がいい、平凡がいい、スローライフがいい、
その言葉は「成長したくない」の宣言といっても過言ではないでしょう。
そして、周囲が成長している中で、成長しないことは、後退や破滅に等しい。
なんて厳しい時代なのでしょうか、いや人生とはそんなものなのか。。。

とはいえ、安定や調和は、これもまた人間の大切な欲求だと思います。
自然界は、宇宙は、発展しながら調和していることも真実なわけで。
要はバランスが大事ということなのでしょうが、
果たしてその割合はどのぐらいがいいのでしょうかね~。

また、ドラッカーは速度についても言及しています。
技能は知識よりも遅い。まったくその通り。
せっかく身につけた技術や技能がいきなり役立たなくなることもある。
ロボットやコンピュータに置き換わってしまったりして、
技能工は常にリスクにさらされている。
昔は、「腕一本で食っていく」「一つのことを追求する美学」なんてのが
あったのでしょうが、現代において、その価値観は疑ったほうがよさそうです。

最後にこれが重要だと思うのですが、ドラッカーは
「社会が今日ほど多元化したのは600年ぶりであり、中世もまたそうであった」
と語っています。

中世も現代と同じ問題を抱えていました。それは、

「だれが共同体の利益の面倒を見るのか」
「だれが共同体の利益を規定するのか」
「だれが対立するもろもろの組織のバランスを図るのか」

ということ。
そして中世は結局その答えがでず、主権国家が勝利してしまったとか。
要は、多元社会は崩壊して、「絶対的支配者」が力で押さえつける
主権国家に集約されてしまった、ということです。

多元化は、人類が未だに解決したことのない問題です。

自分は「多様性(ダイバーシティ)」を支持したいですが、
資本主義と両立するかは、ちょっとよくわかりません。
ドラッカーはNPOにその未来の種を見たようですが、日本ではまだまだ。

ともかく「変化と安定はトレードオフの関係だ」ということは
頭に入れておいて損はないでしょう。

変化(給与アップ)も、安定(終身雇用)も、どっちも欲しい!
なんて道理は、そもそも通用しないのですね。

・・・ん、と考えれば、こういう発想もありそうです。

正社員  → 薄給で終身雇用
非正社員 → 高給で契約制度

正社員が「高給で雇用保障されている」のが問題なのでしょう。
企業は宇宙原理に合わせて人事制度を変えるべきですね(笑)。


閉じ込められた想いは腐敗する。

自分が思春期だった頃、インターネットは一般的じゃなかった。
大学のとき、知らない人とメールしてみて、
「あー、これはなんて素晴らしい世界なんだろう」と感じました。

思春期にとって、現実社会は、窮屈すぎる。
他人との距離感がよくわからないし、同年代の相手だってわからない。
いまなら軽く流したり、受け止められることも、
真に受けて深刻になっちゃったり、ウジウジ悩んじゃったり。
仲の良い友人ほど、心配させたくない、弱みを見せたくない、
なんて強がったりして、でもやっぱりお話は聞いてもらいとも思うわけで。

ある日、ふと、インターネットで弱音を吐いてみたら、
いろんな意見がバーっと飛んできました。
本当にいろんな意見があって、視野が広くなった気がしました。
ただ、一番良かったのは、解決なんてしなくても、心が軽くなったこと。

「話す」とは、「放す」こと。
漠然とした想いや感情は、とくにネガティブなものであるほど、
心の奥底ですくすくと育ち、やがてあなたの精神を蝕みます。
心理学的には・・・(省略)・・・ということで、これ、本当です。

一人で抱えこんじゃダメだよ、想いは溜め込んじゃダメだよ、
言いたいことは、思い切って世の中に発信してみよう。

それは、あなた自身の存在価値を世の中に問いかけるに等しいのですが、
それこそがきっと「生きること」なのだと思います。

世の中には、学校にも職場にも本音を話せる人がいない、なんて方も
少なくないと思います。なかには疑問や改善案を心の中にとどめたまま、
悶々と日々を送っている方もいるでしょう。ただ、我慢しているだけでは、
状況は変わらないどころか、受身の人生は、あなたの自己評価を下げ、
あなたの自由意志は萎縮してしまいます。

メール、ブログ、Twitter、SNS…
現代社会で世界中に自分の想いを問いかける手段はいくらでもあります。
1人にでも届けばいい、そのぐらいの気持ちで始めて、
もう受身ではなく、自分の意志のおもむくまま、自分の人生を手に入れてください。

さて、これまで伝えられなかった沢山のあなたの言葉たち。
いまどうしていますか。一体どこにいってしまったのでしょうか。
もしかしたら、心の檻の中で、いまも怯え震えているのではないでしょうか。

なぜあなたの自己PRは通じないのか

これを知っているか、知らないかで、その後の人生が違って
くると思いますので記しておきます。

就職や転職のとき、自己PRと聞いて、「自分の優秀なところを
アピールしなければならない」と思っていませんか?

正解です(笑)。

いや、半分正解です。

問題なのは、「優秀なところ」という点が「何をもって優秀なのか」
についてきちんと把握していないケースが多いということです。

「そんなの企業によって違うからわからないよ~」

はい、確かにその通りで、本当は仕事内容や会社風土に合わせて、
その点をアピールすることがベストなのですが、
それらは枝葉っぱにすぎません。今回は根本問題をお伝えします。

みなさんは6歳から義務教育を学び始め、
偏差値教育の名のもと、要は「テストの点数」で、
ある意味「人間の価値」を図られてしまう世界に突入します。
それが大抵の場合、大学受験までつづくわけです。

10年以上その世界で暮らすのですから、
いやはや、そりゃもう、アタマはカチカチでしょう。

ご愁傷さまです(-人-)

と、自分も他人事ではなく、社会に入って苦労させられたのですが(^^)、
学校と社会のルールの違いは、端的にいえば、こう。

■学校 = 自分の能力が絶対の世界。他人を出し抜く競争が重要。
■社会 = 協力しなければ生きられない世界。協業・チームワークが重要。

企業・ビジネスも競争社会ですが、自動車ひとつ生産して売るのにも、
本当に本当に多くの人や企業が関わっています。
デザインを考える人、ネジを作る人、組み立てる人、検査する人、販売する人、
保険を取り扱う人、貿易する人等々・・・。
一人でお金儲けできることなんて、何一つありません。

テストのとき、他人と協力したら、怒られちゃいますが、
仕事で他人と協力しなければ、何一つ成功はないでしょう。

この視点をもったとき、同じことを言うのでも、全然違ってくるはずです。

「私はサークルで部長をやっていました。成功実績は、コンクールで優勝した
 ことで、それは私のアイデアがもとになっていました。誰にもできない発想
 ができることは自分の強みだと思います。ときにはマネジメントで苦しいこと
 もありましたが、粘り強く取り組み、人をまとめていく難しさも学びました」

こんなヤツ、ぶっちゃけ組織にはいりません。
「オレが、オレが」となっていて、正直ウザいだけです。
周囲への配慮がないし、手柄は全部オレのもの、そんなわけないでしょう。
真のリーダーは周囲の長所を引き出し、謙虚だからこそ慕われ、
仲間たちがついていくものです。

「私はサークルで部長をさせていただくことになりました。最初はできるか
 不安でしたが、先輩と相談したり、仲間一人ひとりとしっかりと向き合う
 ことで何とかやってこれました。人の上に立つにはそれなりの覚悟が必要
 で、メンバーだった頃にはわからない大変さも勉強しました。リーダーの
 経験は仕事でも周囲や組織に求められていることを察して、動くといった
 形で貢献していけると思います」

ま、即興で作りましたが、どちらのほうが魅力的な人間に見えますか?

スマップの曲ではありませんが、花は多様な色があるように、
人間も一人として同じ人はいません。

同じじゃないのだから、ときにはすれ違ったり、ぶつかったり、
自分の思い通りにならなくて不快に感じることも多いでしょう。
でも、その不快を受け入れられなくては、人間関係なんて築けません。

どこかの記事で読みましたが、
「コミュニティとは、不快な隣人を受け入れ、互いに尽くしあうことだ」
まさにその通りだと思います。

「奉仕の心」を持って、他人と付き合ってみましょう。
「奉仕の心」を持って、自己PRしてみましょう。

きっとあなたの状況がぐんぐんと変わってくるはずです。