そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」第97話「さらにやりとりしてみた」魔物の死骸の有効利用? | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」、4月28日「97 さらにやりとりしてみた」が公開されています。

 

『一通り方法を伝授すると、兵士たちは数人ずつ組を作ってトカゲの生き残りに近づいていった。

 一人が正面から向かって、舌の攻撃をかわしながら牽制をする。その隙に横から二三人で、腹の下に板を差し込む。協力して板の逆端を押し下げ、トカゲを反転させる。

 見事仰向けになった相手の、喉元を探って剣を突き刺す。』

『トーシャの横に残って見守っていたこの討伐隊の隊長と名乗る男が、うむと頷いた。

「なるほど、あのひっくり返す方法なら造作なく始末できるな」』

 

討伐隊の隊長はトーシャの説明に納得し2人に感謝します。

「もっと街に近づかれたところでいろいろ試行錯誤していたのでは、まちがいもあったかもしれぬ。君たちには感謝したい」

「君たちのことは領主閣下に言上しておく。追って報奨など沙汰があるだろう」

 

戻ってきた兵士たちはこの怪物対策についての感想や改善点について話すと同時に、残された死骸が有効利用できるのでは無いかと言います。

「ん、そうか。これだけ頑丈な皮なら、防具や鎧兜よろいかぶとのような革製品にできるかもしれないわけだ」

 

「そうすると、君たち」

隊長はトーシャとハックに言います。

「この大量の死骸の所有権は当然君たちにあるわけだが、一度こちらに預けてくれぬか。今出たように加工品としての価値が認められたら、相応の対価が支払われることになろう。運搬の手間や加工の試行錯誤などに要する費用は差し引かれることになるが、その上で素材の費用を支払うことを約束する」

 

「君たちはこれで引きとってくれていいぞ。朝早くから出張ってきていたのだろう。ご苦労様だった」

「はあ、それでは」

 

バルトルトと名乗った隊長の言葉をうけて2人は街へ戻ります。

 

「何にせよどうにか、上首尾と言えるか。街への脅威は消すことができて、俺はレベルアップを果たせた。お前に相談してよかったぜ」

「その上であの死骸が金になるというなら、予想以上の成果だな」

 

2人はまた彼らに与えられたスキルのことなど話ながら街へ戻りました。

 

家に戻ると孤児たちはもう活動を始めていました。心配していたサスキアやニール、そして家に残っていた女の子たちにハック箱の朝の出来事を話します。

 

「なるほどな。そういう対処法が見つかったのなら、衛兵で数を頼めば撃退も可能か。しかしやはり、街に接近を許したら一般人には大きな脅威となるわけだ」

「そういうことだな」

「ハックとトーシャ殿は、また大手柄というわけだな」

「どうなるかは分からないが、どうも近々領から呼び出しがあることになりそうだ」

 

イザーク商会の職員も到着し、この日もいつものとおり作業が始まりました。

イザーク商会からはジョルジョ会長も予定通り明日到着するとの伝言もありました。

 

 

 

 

 

 

そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」

「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。

4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!

 

ツイッターに感想がよせられています!

 

「・・・相手を援護(まも)ろうするトウコと、余計なことを言う彼女を黙らせたい犯人。両者のやり取りがクセになるミステリである。」

 

 

「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」

 

 

「そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。 被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集!」

 

「掃除機探偵面白かったので購入。 完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。 風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。」

 

「「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?」

 

「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」

 

 

こちらで第一話全文無料で読めます。

 

 

 

 

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

 

 

文庫版「掃除機探偵の推理と冒険」発売中

 

 

 

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。