テレビのコマーシャルに使われて印象的だったクラシック音楽は随分たくさんありますが、私にとって一番衝撃的だったのは、ホンダプレリュードのコマーシャル、ボレロでした。
オーケストラの印象的なメロディに合わせ少し暗めの画面からひたひたと浮かび上がってくる低いシルエットの車。ヨーロッパ映画の一シーン? コマーシャルのイメージを変えるインパクトだったと思います。
その数年前に初めての自分の車としてホンダシビックを購入した私は知らぬ間にホンダ車のファンになっていたのかも知れません。そのコマーシャルを見た1982年は社会人になって何年目だったでしょう。初めて転勤を命じられ大阪の独身寮に放り込まれていた(笑)頃です。当面は自分の車を購入することは無いだろうとは思いつつ、そのコマーシャルの車、2代目のホンダプレリュードに痛切に乗りたいと思ったものでした。
そんな記憶からかボレロというとこのコマーシャルのイメージが離れません。
今日YouTubeでそのコマーシャルの映像を色々見たのですが、記憶と違っていたこともいくつもありましたが、やはりカッコいいなぁ。なんだか若かったあの頃の憧憬が甦ってくるようでした。
プレリュードという車、トヨタのソアラと並びその頃「スペシャリティカー」と呼ばれた車の代表的存在でした。スタイリッシュな2ドアクーペ、どう考えても実用に便利な車とは思えません。低い車体にリトラクタブル・ヘッドライト。ともかく形の良さに特化した(笑)車でした。その印象的なコマーシャルを見て、助手席に綺麗な女の子を乗せて走りたい、と思った若い男がどれだけ多かったか。この車がブームになり売れまくったことでよく分かります(笑) その頃は購入することなど考えもしなかったのですが、私もその「若い男」の片隅にいたのは間違いありません。今よりちょっと上質な生活を。夢を見せてくれるのにとてもぴったりのコマーシャルでした。
ボレロというとそんなイメージが強すぎて中々どの演奏が、と言う事が思い浮かばないのですが、最近見たこの動画、とても良い演奏だと思いました。
沖澤のどかさんが指揮するNHK交響楽団。
定評のある名盤、と言うとこれかな?
こちらにクリュイタンスが1953年に録音した音源がありました。モノラルですがこれもとても良い演奏だと思います。
ラヴェル:ボレロ―ラ・ヴァルス―スペイン狂詩曲(クラシック・マスターズ)
Andre Cluytens - The Complete Orchestral & Concerto Recordings (65CD)