仕事のときはいつも「まいにちロシア語」を聞いております。

今日は第35課で「このクッキーなしには生きていけません」というタイトルに興味が湧いてきました。

実際のロシア語は、

Я не могу жить без этого печенья.

となります。

この単純な文ではありますが、文法事項としては3つあります。

1つ目の文法事項は、「могу」です。

これは「〜できる」という意味の不完了体動詞「мочь」の1人称単数形です。この「мочь」は不定形が「−ть」で終わらない珍しい動詞で、現在変化も不規則です。

変化表を載せておきます。

●動詞「мочь、〜できる」の現在変化

2つ目の文法事項は、「形容詞的代名詞の単数生格」です。

「形容詞的代名詞」とは何だか品詞名がいかつい感じがしますが、簡単にいうと「指示代名詞」や「所有代名詞」のことを言います。おそらく名前の由来は形容詞のように変化するからこのような名前をつけたものと思います。

ロシア語の面倒なところがこの形容詞的代名詞と結びつく名詞も変化するところです。

先ほどの文では、
этого печенья
の部分が形容詞的代名詞と中性名詞が結びついた生格形になってます。

これの主格は、
это печенье

です。


печеньяは、「クッキー」という意味ですが、格変化は次のようになります。


печеньяの格変化

上から順番に主格、生格、与格、対格、造格、前置格です。


●形容詞的代名詞の単数生格形


そしてさらに、指示代名詞「этот(この)」の変化表を載せておきます。



もし、私がロシア語で会話をすることがあれば、この〇〇というときに、〇〇の性・数・格によって自在に変化できないといけません。いちいち、頭の中で考えていたら、会話が成り立ちませんね。何度も何度も繰り返して覚えてしまうしかありません。そこがロシア語の大変なところです。


そして3つ目の文法事項は、「生格を要求する前置詞、без」です。

前置詞「без」は結びつく名詞や形容詞が生格を要求します。このほかに「у、〜のところに、〜のもとに/at」、「около、〜の周りに、〜のそばに/near」、「для、〜のため(の)、〜にとって/for」、「после、〜のあとで/after」などがあります。

理解しやすいように対応する英語の前置詞も「/」の後ろに書いておきました。



今回の文の応用として、

Я не могу жить без тебя.

あなたなしには生きていけません。

をあげておきます。


言われてみたいものですね。


今日の内容は、「まいにちロシア語12月号」の58〜61ページに書いてあります。