除染の監督員として楢葉町に住んでいる知人から、現地の除染のようすと線量の調査に来ないか、というお誘いをいただき、同僚の赤嶺太一議員と8月13日に福島県の楢葉町と富岡町に行ってきました。
福島第一原発20km圏内の今がどうなっているのか。
昨年の11月には原発を挟んで北側の南相馬市と浪江町に行きましたが、今回は初めての南からのアプローチになります。
この日はまず、常磐道の広野ICでおり、広野町のJヴィレッジの横を通りながら国道6号線を北上し、楢葉町に向かいました。
将来を嘱望された若きサッカー選手たちがかつて集っていたJヴィレッジには原発事故収束のための中継基地が置かれ、当時の面影はほとんどありませんでした。
楢葉町は現在、ほとんどの地域が「避難指示解除準備区域」に指定されています。「避難指示解除準備区域」とは、放射線の年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実と確認された地域のことです。
ここでの除染は住宅なら屋根瓦を拭く所から始めます。
瓦にも色んな種類がありますので、それぞれに合わせた方法が取られますが、かつてのような高圧洗浄機による噴水式の洗浄は、かえって汚染物質を拡散する可能性があることや、隙間から住宅内に浸水する可能性があることから現在では行われていないそうです。
住宅の上から下へ、丁寧に丁寧に拭いて行き、庭などの表土はおよそ5cm削り取り、植え木などは枝払いをし、それらによって出た廃棄物全てが放射性廃棄物として回収されます。
このような作業は道路、ガードレール、電柱、森、山、あらゆるところで行われ、膨大な量の廃棄物が発生します。それらを「トン袋」と言われる満杯にするとおよそ1トンの重量になる黒い袋に入れて、仮置き場に運びます。この際、袋の内側には汚染されていない山砂をいれて汚染物質の漏れ出しを防ぎます。
楢葉町ではこの夏もフル稼働で除染が行われていますが、このように細心の注意を必要とする作業はなかなかスムーズに進みません。
今年は梅雨の時期に東北では雨が長かったこともあり、全体的にはかなり進行が遅れているようですが、まず第一段階の除染作業を10月中には終わらせたいというお話でした。
まずは先ごろ、来年春に復旧・開通させるとJRが発表した楢葉町の2つの駅、木戸駅と竜田駅に行きました。
木戸駅の周辺は除染が完了しており、空間線量はおおむね0.3μSv/h程度。置いてあったトン袋の近くで線量を図ると0.79μSv/hでした。
ちなみに、大和市を出る際に家の前で計った空間線量は0.05μSv/h(これは私の持って行った家庭用簡易線量計の再下値が0.05μSv/hだったためで、実際はもっと低いそうです)。
私が昨年チェルノブイリに行った際、チェルノブイリ原発に最も近づいて計った空間線量はおよそ5μSv/hでした。
木戸駅前にはあの日以来、そのままになっている自転車などがあり、まるで時間が止まったようでした。
すこし海岸方向へ移動してみるとすっかり草むらに没した集落には未だに、津波で流された車や、被害家屋が点在しています。
ちなみに被害家屋で今後解体する予定の建物についても、前述の方法で除染が行われています。除染が完了していない建物を解体すると、解体業者が被害を受ける可能性があるからです。
竜田駅周辺もおおむね0.3μSv/h程度でしたがところにより0.4~0.5μSv/hになるところもありました。
コンクリートの割れ目や雨どいの下などの、いわゆるホットスポットではおよそ2.0~4.5μSv/hが出た所もありました。こういったホットスポットは除染の第二段階で対応していくそうです。
続いてさらに北上し、富岡町に入りました。
富岡町は南部から順に「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」、「帰還困難区域」に3分割されています。
「居住制限区域」は、年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、引き続き避難を継続することが求められる地域です。この地域は、除染や放射性物質の自然減衰などによって年間積算線量が20ミリシーベルト以下になることが確実と確認された場合、「避難指示解除準備区域」に移行します。
帰還困難区域との境、規制線ギリギリまで来てUターン。
まだ除染が完了していない地域での空間線量を計ってみると1.17μSv/hでした。平均しておよそ1.0~1.5μSv/hの地域が多いようです。ホットスポットでの値は6.64μSv/hでした
海岸沿いを南下しているとガレキの向こうには福島第二原発の姿も見えました。現在もたくさんの従業員の方々が出入りしていました。
常磐線富岡駅もまた、あの日のまま・・・
帰り道にいわき市の四ツ倉で「道の駅」に寄りました。
四ツ倉は2011年3月25日に私が初めて福島に入った時、規制線に阻まれてそれ以上北上できなかった地区です。今では道路もきれいに直され、今年は海開きもできたそうで、たくさんの海水浴客でにぎわっていました。まるであの日のままのような富岡と楢葉を見たほんの10数分後の光景に、なんとも言い得ない思いがしました。
楢葉町は規制区域が解除されたとはいえ、インフラが全く復旧しておらず、とても住める状況ではありません。富岡町は除染そのものがまだまだこれからといった状況です。
3.11からおよそ2年半が経とうとする今。まだ始まったばかり、そしてこれからやっと始まる地域があるということを私たちは忘れてはならないと思いました。
※なお今回記載の線量は専門家の指導の下で計測しており、信頼性のある数値であることを確認していますが、あくまで参考のために家庭用簡易線量計で計ったものであり高性能の線量計で計った場合と誤差が出ることがあります。
























































