劇場版 天装戦隊ゴセイジャー&仮面ライダーW 感想レビュー(W編2/3)
続きです!
裏切りのマリア
なんやかんやで集まったT2メモリ(W組対応6本とエターナルを除く19本)をマリアに引き渡すはずの場に、現れた大道。そしてT2トリガーメモリを手にしたNEVER最後の一人、葦原賢。
演じるのはボウケンシルバー高丘映士役で特撮ファンにはおなじみの出合正幸氏。
「ゲーム・スタート」以外はほぼ無口でアクション少ないんでいささか地味なのが玉にきず。野菜かじれ野菜!
そんなわけで、アクセルの相手として激しいバトルを繰り広げる担当です。
“仮面ライダー”エターナル
平成ライダーでは色々作品ごとに定義が割れる仮面ライダーの名前(というか劇中で仮面ライダーと呼ばれないことも多々)ですが、Wでは「街の人々が付けてくれた希望の称号」という、ある意味では随一の重みを持っている設定です。
その名を汚すような克己=エターナルに対して怒りを燃やす翔太郎たちですが、対する大道は街の人々、ひいては人類全てをネクロオーバーにしてその救世主に収まる腹積もりなので、分かった上で仮面ライダーを名乗っているという。
悪役が自覚的に“ヒーローとしての仮面ライダー”を名乗る、っていう展開は(偽ライダーのような誰かを騙す場合を除けば)これが初めてか。
身体スペック、戦闘技能ともにファングジョーカーやエクストリームを上回っています。フィリップが冷静さを欠いていたのもあるんでしょうけれど。
というか、ファングジョーカー変身の時に翔太郎がポーズ決めて倒れたのが何とも印象的(笑)
エターナルマキシマムドライブ
マキシマムスロットに入れるだけで特にその後ボタンを叩かなくても発動。ただそれだけで旧世代ガイアメモリの一切合財を使えなくしてしまう脅威の能力。
エターナルメモリを財団Xが採用した理由はミュージアムに対する抑止力ということなんでしょう。
もしかするとシュラウドも、Wやアクセルの持つシュラウド仕様メモリ以外を強制停止させるシュラウド版エターナルとか作ろうとして失敗していたのかも知れない。
何はともあれ、これでミュージアムが丸ごと無力化されて解説役に回ってしまうということに。
というかファングやエクストリームってメモリ部分が全体の制御も担っていたのか、エクストリームが墜落したりファングが亜樹子の手中でぐったりしてたりと、本編ではなかなか見られない姿が映ってちょっと不意打ちラブリー。
そして亜樹子が持っていたT2メモリもサイクロンドーパント=マリアが無益な殺生を避けるように奪って……
風都タワー占拠
平和なイベントが一転恐怖のどん底に。NEVERの面々は変身しなくても警備員程度なら物ともしません。というか京水はこの中でもフリーダムすぎるわ!
演説シーン
最後の一本、ジョーカーメモリを風都住民に探させる。金に目がくらんだ風都住民の争いが映るという結構ブラックな場面が展開されます。10億本当に払うつもりだったかは不明ですが。
ミュージアムが裏で流通させてたメモリが結果的に目くらましになっているのがさらなる皮肉というか。
フィリップのアイデンティティ
翔太郎に、女を信じて痛い目に遭う担当って自覚があることに吹いた。分かっていても信じたいんだろうけど、結構客観的に自分を見てるな。
45話の前のエピソードなので、フィリップとしては結構シュラウド関連で揺らいでいる状態。激昂して翔太郎を殴るフィリップの姿は本編第二話の対比なのかな。
しかし単独行動でマリアに遭いに行ったら、そこで語られたのはさらに残酷な真実。
この時シュラウド本人はどこで何をしていたんだろう……一応、翔太郎も含めた三人体制に任せて自分は身を引くと決めた以上、彼らを信じて静観の構えだったんだろうけれど。
木陰で反応しないボムメモリをカチカチ鳴らして、フィリップを探して探偵事務所を訪れたら誰もいなくて、地味にしょんぼりしてるかも知れない。
フィリップがマリアに自分を重ねているということを知らなければ「私に出来ることは何もない……頑張るのよ来人」とか呟いて本人特に何もしてないとかか。
スカルが託した物
印象的と言えば印象的なんですが、同時に結構不可解なシーンだったりします。
あの時T2メモリ以外は使えなくなっていて、なおかつT2スカルはNEVERが回収済なので、現れたスカルが何者でどうやって来たのかが分からなかったりします。
・実はおやっさんの精神がバイラスドーパントの件と同じ要領でやってきた。
・MOVIE大戦2010で門矢士からもらったディケイドカードを介してやってきた異世界の鳴海ソウキチだった。
・スカルそのものは単に翔太郎が見た幻で、ロストドライバー自体は直前にシュラウドがやってきて書類の下にそっと隠していた。
・ビギンズナイトで消息を絶ったおやっさんが不可能を可能にした。だってハードボイルドだから。
考えられるのは上の4パターンかな。スタッフの本命としては4番目なんだろうけれど。
レイカ襲来
身体強化された戦闘のプロ相手でも、挑発して隙を作って切り札=ジョーカーメモリを見つけ出す翔太郎は今回まさしくハードボイルド。
ロストドライバーとT2ジョーカーメモリで、変身!
仮面ライダージョーカー
何気にW内では(フォーム名を除けば)名前が“ル”で終わらない初めての(そして唯一の? MOVIE大戦2011でどうなるかは分かりませんが)仮面ライダー。
存在自体がまさに切り札。
スペックとしてはサイクロンジョーカーの半分程度で、特にパンチ力1.25t・キック力3tというG3よりちょっと強い程度の数値にすげぇ不安が。と思ったらヒート戦でもメタル戦でも序盤はやや押され気味でした。
でもそこからカウンターで一発逆転を決めてヒートとメタルを次々打ち破るとか、格闘技能特化ライダーとして凄く渋好みの戦闘を見せてくれます。
ファングストライザーとか命名するセンスの翔太郎が、ここではシンプルにライダーパンチ・ライダーキックと発声しているのもやはり渋い。
変身ポーズとかパンチ直前のアクションは翔太郎役の桐山氏お気に入りのBLACKが反映されていますが、必殺技直前に鳴り響く効果音が昭和ライダーまんまだったりと、旨味満載でお届けします。
デザインとしてはMOVIE大戦2010のW・ジョーカージョーカーのセントラルパーテーションを黒くしてベルトをロストドライバーに変えただけなんですが、今回の活躍で人気爆発です。
ちなみにSHF仮面ライダージョーカーは8月7日~8日に秋葉原UDXで行われた魂FESにて先行販売された後、魂webで受注販売がなされるとのこと。
7日正午ごろにUDXの前を通りかかったんですが、あの恐ろしい行列というか人の群れに思わずひき返す壱伏でした。
決戦へ
変身出来るのは翔太郎のジョーカーだけで照井はどうするのかと思ったら、エンジンブレード生身ぶん回しだったという。
これで途中までルナ・トリガーコンビと渡り合っていた(両者とも途中で変身解除されたとは言え)んだから照井さんの根性半端ない。
メモリ受付中
T2ジョーカーメモリを風都住民に集めさせていたのに、来るメモリと言えばミュージアムが流通させた奴ばかり。
そりゃ受付のオカマもうんざりするわな。
というかまあ、大道を除くと受付出来る人間が京水しかいなかったのか……!
ジョーカー参上!
ルナドーパントの生み出したマスカレード軍団との大立ち回りがやはりかっこいい。テレビ本編だとストーリー展開と尺の都合でこうした乱闘は最終回近辺やイベント回に回されることが多くなってしまうわけですが、もっと平成ライダーも雑魚をなぎ倒す爽快感を押し出していいと思うんです。
うがーっ
メタル堂本の威嚇に威嚇し返すジョーカー翔太郎。なんかかわいいな(笑)
戦いは当初ジョーカーが押されていましたが、クロスカウンターで放ったライダーパンチがヒットして撃破!
劇場版 天装戦隊ゴセイジャー&仮面ライダーW 感想レビュー(W編1/3)
仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ
→2/3
→3/3
→ゴセイジャー
第44.5話
ミュージアムとの最終決戦が始まる前にちょっとした最終回のようになっているというテンション高い作品です。
一つ一つの要素があちこちに絡んでいるので、そっち中心でまとめる方向で。
NEVER
正式名称NECRO-OVER。東映ヒーローMAX掲載の前日譚小説で詳しく解説されていますが、バックボーンとしては劇中で琉兵衛パパンが語った通り。
大道美樹博士が死者蘇生を研究→禁忌の領域に入ると判断して中断
→財団Xが着目して研究続行を要請するも美樹博士は拒否
→息子の克己(病弱)が手術を受ける目処がたった直後に轢き逃げ
→博士、克己を蘇生させるために財団Xの要求を呑む
→10年の研究および訓練で死者から生み出された不死の兵士ネクロオーバー克己が完成
→園咲琉兵衛のガイアメモリにプレゼンで負ける
→財団Xからの支援打ち切り、口封じに大道親子を抹殺しようとした財団Xのエージェントを克己が殺害
→克己から死を奪い人として大切な物も欠落させてしまった罪の意識から、美樹は彼の望むものを全て与えようと決意
→克己、夜な夜な出かけてはどこからか死体を調達しネクロオーバーの他四人を美樹に作らせる
→不死身の傭兵集団NEVER結成
→美樹はマリア・S・クランベリーを名乗って国際特務機関に入りスパイ行為
→人類総ネクロオーバー化計画のためT2ガイアメモリを狙う
→冒頭へ……
というのが流れ。なので、琉兵衛の説明(「NEVERとは~」とか「あの女が動き出した」)はNEVERの正体がネクロオーバーであり、バックに大道美樹博士がいることを前提としています。
蛇の道は蛇というか、琉兵衛は一応ミュージアムのドンとしてあれこれ情報を集めてはいたようですね。
ちなみに途中エターナルのマキシマムドライブでそれ以前のガイアメモリがことごとく使えなくなり、園咲家所有メモリも使えなくなっているんで解決をライダー任せにしていますが、琉兵衛さんの心境はどうだったんだろうか。
フィリップを制御装置にして人類を革新させる、っていうコンセプトは実は同じだったりするという。
ヘリコプター襲撃
NEVERは結構儲けているのか、どうも自前で輸送機っぽいのを持っているようです。GFドレッドロックのビークルモードみたいなの。財団Xのヘリの上につけて大道を降下させるとか、結構小回りの利く真似していますね。
大道が速攻でケース奪ってロストドライバーにセット、仮面ライダーエターナルへ。
ロストドライバーとかエクスビッカーとか、T2メモリの運用を前提とした装備を用意しているので、美樹もガイアメモリの情報をかなり集めていたようです。
というか、大道がフィリップを指して兄弟と呼んでいたので、フィリップがすでに死者であることもキャッチしていたらしい。
T2ガイアメモリはシュラウド(園咲文音)が途中まで作って封印していたメモリを元に財団Xが作っていた物だとTV本編で語られています。
恐らくはプロトタイプガイアメモリから、ライダー仕様メモリとT2メモリに分岐していった物と思われます。プロトタイプの時点で規格は大体出来ていたから、ロストドライバーとも互換性があったと。
なんか上記情報並べていくとかなりミュージアムの、というかフィリップ回りの深いところまで切り込んでるなNEVER。実はシュラウドと美樹の間に何らかの交流があったんじゃないでしょうか。園咲琉兵衛に怨念を持ちつつ死者の息子を守るお母さんの団、略してSOS団とか。
美樹=マリアがシュラウドのような立ち居振る舞いでフィリップの気を引くとか、ある程度シュラウドを知っていて雰囲気をトレースする練習を積まないと勝算見込めないと思うのです。
あと、同じ香水使ってたとかね!
……というかそうでも考えておかないと、フィリップがマリアに母の面影を見る展開にちょっと唐突感が。
(注:東映ヒーローMAXに掲載されていた前日譚小説によれば、美樹がミュージアムから財団Xに提出されたエクストリーム理論の資料を入手して、それを元にエクスビッカーを作ったとのこと。
フィリップの処理能力については書かれていた可能性が高いけれど、彼が死から蘇った園咲来人であることだということは書かれていたんだろうか……というか社会的に来人って死んだことになっているのかもちょっと分からないところ)
なお、この襲撃でばらまかれたガイアメモリの内、ジョーカーは事務所の屋根に食い込んでいたらしい。それが冒頭の雨漏りに繋がる、って単に安普請にガタが来たんじゃなくてあれ伏線だったのか!
復活ドーパント軍団
ウェザーとナスカが当たったのは特に名もなき風都市民。さすがに中の人が大したことなかったおかげで能力を使いこなすことなくアクセルに両方ともやられました。
エンジンメモリをアクセルドライバーに突っ込んでマキシマム、高速突撃とか面白いことやるなー……と思ったら本編でもアクセルタービュラーとかやってきて、最後の最後でも拡張性の高さを見せてくれるのが凄い。
Wと戦ったのはバイオレンスとアイスエイジ。サンタちゃんとウォッチャマンが変身。
メモリが勝手に適合者を探して飛んでくるという怖い状態。このメモリの飛びっぷりも3D映画映えするように設定されていますね。実際変身するたびにメモリが飛んでくる飛んでくる。
しかしまあ、ジョーカーストレンジが色々とひどい(笑)
サイクロンドーパント
無駄な殺生を避けるように現れた緑のドーパント。事前情報を見た時は「きっとNEVERに誘われたフィリップがこっそり変身して」とか思ってましたが、Wの目の前に現れたのでそれはなくなって……まあ案の定というか、マリアさんでした。
デザインが面白いことになってます。顔の右半分がライダーっぽい。と思ったらメタルもそんなんだった。他のドーパントはそうでもないのに……?
T2対策会議
コネクタが無くても変身出来る。メモリが適合者を見つけて飛んでくる。倒してもメモリブレイクはされない……と、かなり厄介なメモリ。
これまでも適合者診断は何らかの形で出来るようですが、メモリ側にその機能を実装しているということだろうか。財団Xが用いるとなると、候補者並べてメモリばらまくだけで適合者を判別出来て楽かもしれない。
今回はフィリップの物語で、翔太郎はアクション担当ですけど物語構図としては裏方に近い感じなので、いつもと比べて構図が逆転してる感じですね。
T2メモリ回収
AとKとBとクイーンが女子高生コンビの元に。
……アクセルは照井に飛んでったりしなかったのか……
Qメモリとクイーンが引き合ってしまってちょっとヤバいなんてシーンもあったりします。変身しないレギュラーキャストさんが変身したい願望をスタッフに話したら実現、みたいなことが平成ライダーではたまにあるんですが、Wの現場ではどうだったんだろうとふと思う。
キャストインタビューに色々あったりするかも知れませんが、全部は目を通していないからなぁ……
ヒートの女、レイカ
NEVERは死体なので体温がなく体が冷たい。そこに一番コンプレックスを抱いているのが紅一点の羽原レイカ。片腕マシンガールで主演していた八代みなせ氏が演じてます。
そんな彼女が手に入れたのはヒートのメモリ。
T2メモリの場合、適合者と出会ってスイッチを押されると適合者側にコネクタが生まれるようです。
レイカは胸元でセクシー。メタル堂本は背中に現れるので、いちいち脱がなくてはならない……!
ルナのオカマ、京水
須藤元気氏が演じるNEVERの一員で、オカマ。今回最もフリーダムだった人。しかも割と大道に信頼されていたらしいとか侮れない。というか、こいつNEVERの副隊長だったのか!
風都タワー出現シーンでも、一人警備員を撫でまわして「いい男じゃな~い?」とかやってたし、キャラの濃さという意味では一番持ってった人ですね。オーズと戦ったというのも美味しすぎる。
「強くてイケメン!嫌いじゃないわ!強くてイケメン!嫌いじゃないわ!嫌いじゃないわ!」
ルナドーパントは幻影能力ということで、マスカレード軍団を生み出してバイクチェイスを展開するという便利っぷりを披露。幻覚とは言えちゃんと質量とか戦闘力とかオリジナルと遜色ないです。ルナメモリはやっぱり応用利きすぎてもう。
今回の映画はルナメモリのチートっぷりとサイクロントリガーのしょんぼりっぷりの落差が凄いです。
バイクアクションは今回の見どころの一つ。飛ぶわ蹴るわなぎ倒すわと、大迫力にもほどがある。Wとしても翔太郎としてもかなりのバイク捌きを見せてくれて、ここだけでもお腹いっぱいです。
トリガーエアロバスター!
何故かサイクロンMDで発動したサイクロントリガーの必殺技。
連射性能は高いけれど照準がブレやすいのか、広範囲攻撃に向く反面で単体の強敵を相手取ることは考えられていないのかも知れない。
もっとマスカレードの群れとかいたら大活躍してくれたに違いない。
メタル堂本
演じる中村浩二氏は平成ウルトラマンのスーツアクターでタイプチェンジする際のパワー系担当。ウルトラマンガイアではチームハーキュリーズの桑原隊員を演じてた方ですね。
ムキムキマッチョで棒術使い、そして背中にコネクタが出現するため変身のたびに豪快に脱ぎ筋肉を誇示するという、これまたビジュアルインパクトの強い人です。
NEVERとしての強化もあってか、生身でもWと渡り合えるとか凄いな。
ヒート・ルナ・メタルの強力三大ドーパントからWを救ったのは、またしてもサイクロン。
NEVERの戦略的には単にエクストリーム化していないWを叩きのめしてもフィリップを手に入れられないから、というのはあるんでしょうけれど、マリアの意思としては蘇りながらも遠くへ行ってしまった克己と、ドーパントから親子を守ろうとしたフィリップを心の中で比べて羨ましい物を感じていたのかも知れないですね。
元々の優しさはともあれ、何かしら情は移っていたんだと思います。
劇場版 天装戦隊ゴセイジャー&仮面ライダーW 感想レビュー(ゴセイジャー編)
劇場版感想
8/7から上映開始となった今年のSHT劇場版。先日行われたオフ会の際に、その流れで観てまいりました。
ちなみに3D版なので、いかに両作品とも「飛び出す」を意識して撮影していることが分かります。
3D版は上映前にゴセイジャー、W組の説明ムービーがあったんですが、その代わりに全て終わった後の特報がカットされていたようで……
両方観ろと!?
というわけで、以下感想です。ネタバレばっかりなので、それでも構わない人のみ反転してお読みください。
※3Dメガネを二つ重ねても6Dにはなりません。
※総文字数全角13,000字強なのに「半角40,000字以内で投稿してください」という警告メッセージが出て一気に投稿出来ませんでした。
W編は分割しているのでご了承ください。
・天装戦隊ゴセイジャー エピック on the ムービー
基本的にはテレビシリーズの延長線上でした。
ゲストの磯山さやか氏が元セイザーヴィジュエル(超星神グランセイザー)ということもあり、感覚的には従来劇場版の発表を見るたびに覚えていた「豪華ゲストを迎えたのはいいけど芝居は大丈夫か」という印象よりも「特撮OB・OGが来てくれるのか」という嬉しさの方が先に立ち、これまたテレビシリーズ(ゴセイジャーに限らず)に戦隊OBが出演する時の感覚に近かったですね。
もう一方のゲスト、髭男爵ひぐち君氏(アナウンサー樋口勝太役)はこう言っては何ですが出番の少なさは公開前から予想されていたし……とは言え相方の山田ルイ53世氏と共に天体戦士サンレッドで声優を経験している分、他の芸人ゲストに比べれば不安は小さいわけで。視聴者の「ひぐち君はいつ出るんだろう」という期待に今回応えた形となり、キャスティングとしては極めて順当と言ったところでしょう。
というか、あまりに順当すぎて妙に引っかかりがなさすぎると思ってしまうのは贅沢と言うものか。
主な流れ
ゲストヒロインとレッドが出会い、彼女を守るために戦隊メンバーが奔走。割とレッド&ゲストヒロインと、その他メンバーの組み合わせという構図が起きやすく、追加戦士も短いカットながら登場するが、クライマックスの巨大戦には参加しない。代わりに劇場版オリジナルの巨大ロボあるいは巨大ロボ用装備が登場する……
――という、戦隊劇場版のフォーマットに極めて忠実な筋立て。
ただしゴセイジャーの場合は、現れたゲスト怪人が「序盤で滅んだ組織の生き残り」、劇場ロボが「完全新規ロボでありながらコアメカ一台とヘッダーの交換で再現出来る」というゴセイジャーならではの構成がうまく作用しており、目新しさは少ないが堅実な構成になっていると言えます。
特に前者は、劇場版ならではの大規模戦闘シーンに大量の戦闘員を動員するための理由づけが「ウォースターの生き残りにブレドランが合流したため」という形でなされている。現役敵組織とは関係のない敵との戦いをメインに据えながら通常戦闘員との戦闘が本筋から乖離していない、というのは割と戦隊映画では珍しい。
ラグナレクの角笛
ある程度特撮なりファンタジー作品なり見ている人だとラグナレク(ラグナロク)と言われたら即座に「神々の黄昏」という表記にルビを振ることが出来るわけですが、ゴセイジャーが対象としているプレスクール層のために、他メンバーのためにハイドさんが説明するという形で改めて解説が入っています。
北欧神話ではラグナロクが到来した時にそれを報せるために吹かれる角笛デュラルホルンの話が出ていますが、この辺りは各種固有名詞をボカしつつ(というか北欧神話の固有名を挙げていったら初見だと何が何だかということに)、劇中のガジェットとしての角笛は「吹くことで破滅をもたらすアイテム」に変化しています。
今回それを悪の手に渡るまいとヒロイン・ラシルが逃げてきて、それをギョーテンオーたちが追いかけて撃墜するというのが、話の発端。
ヒロイン・ラシル
北欧神話の、荒廃した世界を生きていく男女リーヴスとリーヴスラシルに由来しており、最後は母星の生き残りと共に地球を旅立ち生きていく結末に繋がっている……と分かったのは、映画を観た後で北欧神話をウィキってみて知ったことだったりして。
本人は特異体質とか特殊能力とかはないですが、角笛のパーツを回収するために博物館に展示されていた隕石を別物にすり替えるなど、妙にアグレッシブな行動力が特徴と言えば特徴。
超新星のギョーテンオー、明星のディンパルト
共にウォースターで別行動をとっていた幹部。ギョーテンオーはキャプテンEO、ディンパルトはディープインパクトが名前の由来だと思われます。
ギョーテンオーは柴田秀勝氏が、ディンパルトは島田敏氏が担当しています。
ラグナレクの幻影
角笛によって引き寄せられた悪意から復活したウォースター怪人軍団。幻影世界でゴセイジャー+ラシルの六人に襲いかかるわけですが……
おそろいの自転車に乗ってアラタとラシルを追いかけ回す宇宙人軍団のシュールっぷりが破壊力高し。危うく噴出してむせるところだった。
しかもそのあと大門軍団に銃で狙われるとか、飛びぬけてカオスすぎる。
ゴセイナイト登場
横からいきなり現れてウォースターをずんばらり。テレビでは現在のところまだ幽魔獣としか戦っていないので、再生怪人とはいえウォースターとの絡みは初めてだったりします。
「彼女のことは私が護る。お前たちは先に行け!」とか言いつつ、その後のラシル登場シーンには姿を見せない理不尽っぷりが素敵。
チェイスネタとかここは任せろ!とか、直後のWと対比させるとシュール度合いが倍増するのがまた誰も狙っちゃいないんだろうけど凄い。
天装!
3D映画に合わせて、チェンジカードを画面手前に浮かせつつテンソウダーを開く、などと言った演出がなされています。
何故か名乗り順でハイドとモネが逆転している不思議。
戦闘
ブレドランが速攻で武レドランになって二度と戻りませんでした。
私としては彗星モードの方が好きなんだけど、本人はワイルドに振る舞えるチュパカブラの方がお気に入りなのかしら。
ディンパルトはダブルヒロイン攻撃であっさり爆死、南無。しかも巨大化もさせてもらえないという……
傷ついたドラゴンヘッダー
体表面(?)7割焦げて絶対あれ大破してると思うんだけど生きてるのか……凄いなヘッダー。
一度は圧されながらも、空中旋回から逆襲に転じて縦回転連続斬りとかしてくるレッドのアクションが素晴らしい。
しかしブレドランの計らいで巨大化!
巨大戦
ドラゴンヘッダーが負傷したためゴセイグレート出撃不能。
そこへラシルが登場。アラタから受け取っていた「天使の羽」に祈りを込めると、それが新たなゴセイカードに!
サモン、ゴセイワンダー!
ゴセイワンダー
巨大怪鳥型ゴセイマシン。羽に四つのヘッダーを搭載し、一台のマシンであるにも関わらずコクピットは五分割されているという……しかも特に何かをスキャンしたわけではなく、最初から怪鳥状態で出現しています。
どちらかと言うとミスティックブラザーの方が近いのかも知れない……
ワンダーゴセイグレート
ゴセイグレートの羽から分離したヘッダーがそのままにゅるっと体を出現させてゴセイマシンへ。そして合体!
予告映像で判明していましたが、頭部はゴセイグレートの物に鉄兜を被せた構成になっています。ミニプラでもそうなるんだろうか……頭の羽動かすのって地味に面倒なんだけれど。
武器はでっかい手斧。一度は窮地に陥るものの、ラシルの声援で倒れた状態からヘッダーパンチ&キック!
必殺技のワンダーストライクは、3Dで観るかどうかで一番評価が変わってくる技だなぁ……
戦い終わって
ラシルは同胞たちと旅立っていく。このシーンは花畑の奥ゆきが素晴らしかったです。
しかしまあ、大なり小なり他にもウォースターの生き残りとかまた出てきそうな予感はあるなぁ。武レドランがまた彗星のブレドランに戻ることはあるんだろうか。
総括
かなり手堅くまとめてきたな、という雰囲気。劇場版オンリーの要素を従来に比べて抑えて、ゴセイジャー本編内で見られた要素を持ってくるだけでもスペシャルっぽい作劇が出来るという、構成上の特徴を上手く取り入れています。
戦隊映画は(時系列上の矛盾に目を瞑れば)基本的にテレビ本編と地続きの世界観で展開するので、映画を見た人にとっては「なぜ劇場版で出た○○がテレビではなかなか出ないの?」という疑問が出て、映画を見に行かなかった人は「何か唐突に知らない勢力が出てきてさらっと説明してきたんだけどこれ映画の?」という消化不良感を覚えることになります。
その点で行けば、ゴセイワンダーはあくまでピンチヒッターでしかないのでテレビ本編で出なくてもおかしくないし、出たとしても劇場版の流れと密接に絡んでいるわけではないので説明は最小限で済みます。
(ハリケンジャーのテレビ本編でトライコンドルが登場した時の、おぼろさんの「宇宙伝来のカラクリメカ!」という説明が映画を見ていない人には唐突に感じられたもので……)
そのあたり、ゴセイジャーは巧く気を使っていると言えるでしょう。
3D画面以外の目新しさはちょっと薄いですが(とは言え例年その辺は似たような物)、その分アクションや画面構成のダイナミックさで魅せてくれるので、満足度は高いですね。
ところで、ワンダーゴセイグレートは(搭乗者のことを無視すれば)ゴセイグレートとは完全独立しているので、並び立つことも出来そうではあるんですが……
ミニプラ派としてはゴセイワンダー発売と同時にゴセイグレートの再販がかかるんでそろい踏みを再現させやすいんですが、DX派の人は大変だろうなぁ(苦笑)
お疲れ様でした!W編(1/4)はこちら!