さるすべり日記 -68ページ目

毎日書道展 二 (昼からビール)

きのうは お休みをとって 毎日書道展にいってきました

展示数が膨大で 1ヶ月の展示期間中 何度も展示替えがあり

一部をのぞき 毎週別の入選者たちの作品がならびます

今週は 私の作品が展示されるので

何度か会場に足を運ぶことになりそうです


それにしても ネットやメールの力は大きいなぁとおもいました

久しぶりに会うおともだちが会場に来てくれて うれしかったです

昼からアルコールで乾杯して

ゆるゆるした午後を過ごせました

ちょっとした 同窓会のようになりました


展覧会があるときは なるべく知人に声をかけて

へたっぴな作品でも観に来てもらえるようお願いしています

会場に展示してある他の方の作品も見ていただきたいのと

書道の魅力について 私なりのことばで 説明できる貴重な機会だからです

普段 先生から教わったり 自分なりに勉強していることを

あまり書道になじみがない方に話すというのは

けっこう難しいのです

また 知人の質問に答えられないときや あいまいな説明をしてしまうことがあります

でも そんな恥ずかしい思いをしながら 私も勉強していきます

つたない説明でも いくつかの展覧会に来てくださるうちに

理解が深まってゆき 徐々に書道の魅力も感じてくださるようになるのです


書道は はじめはとっつきにくいので

手書きが廃れてきた現代においては その必然性を失いつつあり

どうしても 目立ったことや斬新なアイデアに頼りがちです

でもそういうやり方では 本当に私が感じている書道のおもしろさが

伝わらないのです

書を鑑賞するときに 好き勝手に感じるままに観ればいい と

おっしゃる方もいらっしゃいますが

野球だって ルールを知れば なぜこの場面でバントなのか など

考えることもでき 理解が深まれば面白さの幅も広く豊かになります


会場で売られている道具や書籍を手に取りながら

作品を作る過程を説明することで 十分興味をそそられる内容なのです


私が公募展などに出品する理由は 半分くらいはそんなところにあります

書道の愉しさを 私の周りの人たちにひろく共感していただく

とてもいい機会だとおもっています


それと いつもえらそうに お稽古だから と言って

たのしそうなお誘いを断ったりして不義理を重ねているお友達に

日ごろのお詫びと感謝の気持ちを伝えたいということもあります


昨日来てくれたおともだちが 来週入院して手術するそうなので

土曜日あたり お見舞いにいきたいとおもっています

こういうときはお稽古はあとまわしです

どんな手術でも 麻酔して手術するのは たいへんなことです

色々と不安な気持ちがあるのだと思いますが

少しでもやわらいだ気分になってくれたらいいな



毎日書道展 一

きのうは 毎日書道展 を見に行ってきました

私は前期(Ⅱ)の期間で出品しているのですが

昨日は前期(Ⅰ)の最終日になるため お友達の作品を拝見しました

分野と名前のあいうえお順で 展示期間が変わるので

結局 全期間見に行く気がしています

 


 

仕事を早退したため 入場したのが すでに5時頃 (展覧会は6時まで)

なんとか知人の作品だけ駆け足で・・・

お友達が 2×6尺の大きな紙に 俳句!を書いていて

カッコイイ~って思いました

あまりゆっくり拝見できませんでしたが

やはり 勉強になる作品たちが いっぱい

役員の先生方は また今度行くときに じっくり拝見する予定です



 
 
 


毎日書道展 国立新美術館に 観にいらしたら

ぜひ特別展示をご覧下さい


第60回記念特別展示 「春敬の眼」
珠玉の飯島春敬コレクション

期間:2008年7月9日~8月3日
※火曜日休館

時間:午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
※毎週水曜日は午後1時開場。

会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)

入場料:毎日書道展入場券で参観出来ます。
(毎日書道展入場券:一般700円、大学生400円、高校生以下無料)

天才のはなし

きょうは 河野通勢 の展覧会をみに 松涛美術館へいってきました

灼熱の住宅街をのぼせながら歩いていきました

緑の下をなるべく選んだのですが すごい暑さですね


前に テレビで紹介 された 河野通勢 さんの絵をみて

その迫力に圧倒されました

松涛美術館で開催されるとのことでしたので楽しみにしていました


やはり 初期の頃の 裾花川周辺を題材にした一連の風景画が心にひびきました

幼い頃から 家にあったデューラーやレンブラントの画集などの模写をしていたようです

展示されていた何枚もの大きなスケッチたちも 多くは風景画と自画像で

画集の絵にあった木々の様子が 裾花川周辺に似ていたことから

夢中になってのめりこんでいったそうです

お気に入りの場所を何枚も何枚も執拗に描いていたことから

天才特有のどこか欠落したところがありそうですが

彼の人生を 様々な展示物から察するに そうでもなかったようです

(ネットで調べたところ いくつか彼の複雑な生い立ちについて書かれていました。

 他にもハリストス正教会の信者としての 周りからの視線など

 彼が自画像も数多く書いていたことの何か手がかりを得たような気がしました)

若さゆえの激しい思い込み 遠い憧れ 環境(金銭面だけでなく人間関係なども)

そういったいくつかの条件が重なって満たされたときに

人の心を揺さぶる一枚ができるのかもしれないと

私は そう感じました

20代になると 裾花川から 岸田劉生のいる東京・代々木に場所を移します

スケッチの用紙も小さくなり 余白のバランスもとれて

随分と瀟洒な感じになりました


河野通勢 さんは その後3人のお子さんにも恵まれ

挿絵や装幀の仕事が中心になっていきます
しかし55歳で亡くなってしまいました

彼の死後 個展がひらかれたときに

武者小路実篤さんが 河野通勢について という文章を寄せています

その手書き原稿が展示されていましたが それが

河野通勢 さんの後世の評価を総括しているようでした

そして 彼の才能を惜しむ声が 彼の実績よりも 彼のほかにあったかもしれない

もう一つの人生に向けられているようで

それは あまりにも強烈な 初期の作品たちのその先であるような気がしました


そんなところに 巨匠と天才のちがいがあるのかな

なんて おもったりしました