腹くくった谷垣氏 解散確約を優先、強硬作戦決断のウラに小泉元首相
2012.8.6 01:08 [国会]産経
自民党の谷垣禎一総裁が今国会中の衆院解散・総選挙の確約を求める強硬作戦にかじを切った。消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の成立と解散という「二兎」を追っていた谷垣氏だが、解散を優先することにした。このタイミングを逃せば解散の機運を逃してしまうだけでなく、9月末に任期切れを迎える自らの命脈も尽きてしまうとの「お家の事情」もあった。
岡田克也副総理「なんとか法案を成立させてほしい」
大島理森副総裁「解散の確約がないと難しい」
自民党幹部によると、法案採決をめぐり与野党がせめぎ合いを続けた先週末、岡田氏と大島氏の間でこのようなやりとりがあった。
自民党は当初、法案を成立させたうえで解散に追い込む方針だった。野田佳彦首相が命運をかけている法案に協力した以上、首相から「見返り」として、解散時期について明示があると期待した。
ところが、首相は早期解散を確約しないどころか、1日に連合の古賀伸明会長と会談した際、来年度予算編成にまで言及した。これに激怒した谷垣氏が2日の記者会見で「俺にけんかを売っているのか」と珍しくすごんでも首相からはなしのつぶてだった。
自民党が2日の党幹部会で7日にも首相問責決議案を提出すると打ち出しても民主党が慌てる様子はなかった。首相は3日の内閣記者会のインタビューで解散・総選挙日程について明言を避けた。
自民党幹部は「首相が総辞職か解散の覚悟を示さない限り徹底対決だ」と対決姿勢を鮮明にした。
意外な人物も谷垣氏を後押しした。「政局勘」では定評のある小泉純一郎元首相だった。
7月28日。都内のホテルのロビーで、小泉氏が石原伸晃幹事長を呼び止めた。
「いったい何をやっているんだ。野党が解散権を握ってる政局なんてない。こんなチャンスは珍しいんだぞ!」
小泉氏は、それから10分にわたり石原氏に活を入れ、そのけんまくに他の客が立ち止まるほどだったという。小泉氏は他の党幹部や派閥領袖(りょうしゅう)らにも電話で「勝負時だ」と説得した。
歩調をあわせるように息子の小泉進次郎青年局長も1日、3党合意破棄を申し入れた。
これに対し、合意順守を求めてきた森喜朗元首相は5日、石川県小松市での会合で「自民党は国家百年の計と思って(法案成立に)協力すべきだ。そうでなければ民主党を割った小沢一郎(新党『国民の生活が第一』代表)にくみすることになる」と牽制(けんせい)した。
それでも党内で強硬論が強まるなかで、首相から解散の確約を引き出すか、解散に追い込まなければ、9月の総裁選を控え「谷垣降ろし」の号砲が鳴ってしまう。
「優柔不断が代名詞」ともいわれる谷垣氏だが、自民党幹部はこう語る。
「総裁は完全に腹をくくった。もう止まらんぞ」(佐々木美恵)













