「メディアに干されるのは痛いけど、間違っていることは言いたくない」ロンドンブーツ1号2号田村淳氏×河野太郎議員対談【後編】 1/3
ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏が休日を利用して、気心の知れたスタッフと主にネットで活動しているという「淳の休日)」。ファミレスで国会議員とざっくばらんに語り合う新企画「ザクバラ」取材、後編をお送りします。(6月28日取材)【編集部 田野幸伸】
※前編はこちら
山本太郎はメディアからいなくなった
淳:原子力のことでも質問いっぱい来ているんですよね。各電力会社の株主総会で、電力会社側がはっきりと「脱原発はしない」と発言したことを受けて、それでも河野さんは脱原発の立場は変わりませんか?変わらないとすれば何を柱に原発推進勢力とどう戦っていきますか?今言っていたようなことですよね?
河野:そうですね。要するに3.11までマスコミは、原子力のことをほとんど報道しなかったじゃないですか。あれは原子力から、電力会社から多額の広告料をもらっていたから。原子力の報道って出来なかった。でも今メディアがそういう報道をしてくれるようになって、国民もいろんなことがわかってきた。
逆に国民がどうしたいかを選挙で選ぶわけです。脱原発の人を支持するのか?原発推進の人を支持するのか?それは国民の一票で政治家が選ばれるわけですから。推進しようと思っているならば、推進したいという人を当選させてください。だけど脱原発と思うなら、脱原発の人を選ぶじゃない。
淳:そこで意思表示するしかないんですね。僕もこうやってメディアに出る仕事をしていて、山本太郎という人間とは若い頃から仲良くて、今もつながりがある。あいつは反原発を掲げて真っ先にデモとか参加して、メディアからいなくなっちゃったんですよね。
「うわっそんな過激なこと」というか、自分の意思表示をした、あいつはあいつなりに過激な部分があったけど、意思表示しただけでメディアから消されるんだと思った。そのことを福島みずほさんに言ったら、私のところに来たらいくらでもかばったのにと。
結局太郎はメディアに復活することはなくて、今も時々デモに参加しないか?と言って連絡が来るんですが、俺は「反」じゃない。「脱」だから、「脱」の気持ちで「反」のデモに参加するとその人たちとも気持ちを一つに行進出来ない。メディアに出ている以上、東京電力というものがスポンサーとして作っているテレビ番組もある。
俺はだからといって自分の意見を変えるわけじゃないけれど、そもそもテレビの仕組みもわかっているし、自分がどうやって生きてきたかもわかっているから、それに対して「反」だ「反」だということだけの責任の取り方をしたくない。やっぱりメディアに干されることで発言出来なくなるのは僕としては痛い。
だけど間違っていることは言いたくない。その狭間にずっと揺れ動いてきて、結局選挙でどこに投票するかまだわからない。基本は「脱」、(原発は)無くなればいいなと思っている。
河野:坂本龍一さんが何年か前に青森県の六ヶ所村という使用済み核燃料を溶かしてプルトニウムを取り出す工場に、反対だと言って声明を出した。坂本龍一さんもラジオから干されそうになったって言っていました。
淳:それはなんなのでしょうか。国が動くんですか?(苦笑)。
河野:東芝って原子炉を作る。東芝EMIって東芝の傘下じゃないですか。
淳:なるほど!
河野:それはまずいということになる。今までは東京電力がスポンサーをしていたから、テレビの歌謡番組で歌っている歌手は脱原発というとスポンサーから何を言っているんだ。となって弾かれる。多分、今は東京電力の影響力はかなりテレビ局には少なくなっているはずです。
でもそれでもテレビ局が自己規制をしていて、僕がなんで?と聞いたら、ローカルのテレビ局のニュースは、まだその地域の電力会社がスポンサーしていたりするから。
淳:なるほど!そこのしがらみがある。僕は「反」のデモに誘われても絶対に行かないんですが、この前首相官邸の前で4万人反原発のデモがあった。
河野:再稼働反対の。
淳:はい。そこにも参加してくれないか?と言われたけど僕は行かないと言った。だけどどこもそのことをメディアが取り上げないことには、疑問を感じたんです。なんでこれ、四万人もここに集まっているのは結構な人数なのに、なんでどこも取り上げないんだろうと思って、どこも取り上げないなら俺はデモには参加しないけど、自分がツイキャスなりUSTREAMを使ってこれを配信することは出来る。そう考えて行こうと思ったんですが、夜中だと人が集まっていないんですね。
河野:6時から8時でしょ。
淳:そうなんです。俺仕事があって、夜中に首相官邸前に行ったんです。タクシーに乗って。そしたら警備のおじさん二人くらいしかいなかったんで(苦笑)。でもそういう自分なりの物の伝え方というのはやっていきたいんですよね。
デモだけでは世の中変わらない
淳:・・・原発の質問がいっぱい来ています。反原発デモをご存知ですか?さっき言っていた4万人の。これは当然耳に入ってきますよね。それがやっぱりデモというのは自分たちの意思表示の一つだから、それはどんどんしていくべきなんですか。
河野:僕はちょっと疑問に思っていることがあって、人数が多くなればメディアも報道してくれるからいろんな影響を持ってくる。いろんなところで反原発デモをやっていて、50人で街を歩きましたと僕にメールでくれる方もいるんですが、それだけじゃ世の中変わらないよ。
エネルギー政策って国政だから、まず地元の国会議員のところに行って、私はあなたの選挙区のなになにだけど、私はこう思うけどお前はどう思う?ということを必ず聞いてください。
淳:なるほど。
河野:50人がデモしましたって言っても、他に知らないから。だからデモをするなら、ゴールは国会議事堂の事務所の前にして、デモ終わったらみんなで事務所の中に行って、俺はこう思っているけどお前はどう思うか言ってくださいと。政治家に直接・・・
淳:訴えかけないとダメだと。
河野:デモはこれだけ仲間がいるということをまず確認して、それぞれ訴えようというのが大事だから。
淳:効果的なデモじゃないと、ちゃんとした訴えも届かなければ意味が無い。
河野:だってあれだけ集まっても、野田さんはデモが聞こえてました、と言って再稼働しちゃうわけですから。だったら議員一人ひとりにみんなの思いを伝えてよ。それが大事なんです。
淳:なるほど。こちらは原発反対です、アリアさんからの質問。「原発反対ですが、再生可能エネルギーの動きが胡散臭く感じます。河野さん説明お願いします。」 再生可能エネルギーの動きが胡散臭いというのはどういうことなんでしょうかね?ほんとに再生可能エネルギーが実用化出来るのかどうか?ということなんでしょうか。
河野:ドイツなんかは、もうかなり進んできています。
淳:地熱でしたっけ?
河野:太陽光だとか、風力とかですね。
淳:そうだ。原発20機分の太陽光エネルギーが動き出したみたいなことをニュースで言っていませんでした?
河野:正確な数字はわかりませんが、太陽光発電は太陽が照っていないと発電しないので、フルに動いたらこのくらいになりますよ。曇っている時は下がりますよ。そこは若干上がったり下がったりする。
そこは少し違うのですが、それでもドイツは相当な部分を再生可能エネルギーでやるようになっています。ドイツは2050年までに再生可能エネルギー100%にしようぜみたいなビジョンを政府が出したり、政府の中の事務局が発表したりしていますから。日本もそれくらいやらなきゃいけないと思います。
淳:今度の選挙の焦点は、消費税か年金問題なのか、少子化対策をどうしていくのか、に加えて原発を。 河野:どうしていくのかということがわかるように選んでもらわないと。推進派はまだ隠れていますから。どうなの?というのを普段から確認してもらって、一票を投じてもらう。
淳:最初は自民党で一人で声をあげていた河野さんが、今や半々まで持っていったんですよね。何か動いたんですか?党内で。
河野:いやそれまでは、河野さんは原子力になると変わっている人だからと言われていたの。
淳:(笑)
河野:いきなり原発が爆発しているのを目の当たりにしたら、あれ?原発って安全なはずじゃないの?そういえば原子力についていつも(河野が)言っていたよね。もう一回話を聞いてみようかと。自民党の原子力の会議で今日の講師は河野太郎さんですと。
淳:へぇ。講師として呼ばれる。
河野:講師として呼ばれて、もうちょっとどうしようかという。
淳:この前自分がやっているラジオ番組に、元首相の安倍さんが来られて、原発推進じゃないですか。いろんな「反」の人の意見はあるけれど、推進しなきゃいけない理由をこんこんと説明された時に、俺はまたそういう人間なんでしょうね、その時はそうですよね、そうですよねって(苦笑)。
河野:(笑)
淳:説得力があることを言うわけですよ。でも僕は「脱」なんですけど、河野さんにしても安倍さんにしても。知識が豊富じゃないですか。そのことに関して。「反」にしても「推進」にしても知識がある。知識が無いと太刀打ち出来ない。気持ちだけでは「脱」とか「推進」とかって言っちゃいけないのかなって。ほとんどの人がそんな知識は無いわけじゃないですか。
河野:思いはあって、あれだけ福島の事故が起きて自分も怖い思いをしたし、子供のことも考えたし避難した方々のことも考えた上で思いはある。その思いを他人に納得してもらおうとする時にはやっぱり知識があった方が、他人も納得しやすい。
淳:思いだけじゃなくてですよね。
河野:思いだけじゃダメということはなくて、その自分の思いを伝える時には、やっぱり裏付けとなる知識があった方が伝えやすいから、本を読んだりいろんなことをやって少し知識を勉強して、ああなるほどこういうことなんだと納得して、友達を説得する。
淳:なるほど。まずは周りの友達からですよね。その時に読んだ本とかって覚えています?
河野:97年からずっとやっているので、僕は当選したのが96年の10月で、97年の12月に京都会議があった時です。あの時日本は、日本政府はあと20機原発を増やしますから大丈夫と言っていました。ほんとにそれでいいの?大丈夫なの?って。
淳:そこに疑問を感じた。
河野:ということで仲間を集めて勉強会をやって、いろんな人を呼んで話を聞いていたりした。さっき言ったみたいに、使用済み核燃料はあふれるし、プルトニウムは燃やせないし、高速増殖炉は出来ないし、核のゴミはどこに捨てるのよと。何もつじつま合わないじゃん。一度立ち止まろうぜということになりました。
淳:97年から。
河野:僕は地元では日本の原子力政策はおかしいというのを書いて、全戸配布を3回くらいやったんです。地元では河野さん自民党なのに脱原発だよね。
淳:というのが(地元では)わかっているんですよね。
河野:で福島の事故があって、お前の言っていた通りに世の中がなっているねと。事故が起きなければ脱原発にならなかったというのもちょっと。
淳:そうですよね。事故が無かったらそのまま安全神話が続いて。もっと日本の国内に原子力発電所が増えていたかもしれない。
河野:今の倍にしますという計画がだったわけですから。
誰に投票すればいいかわからない
淳:いやあこれでも全然知識が入ってこないんだなあ。聞いたらうんうんって思うんだけどなあ…。今の話も「そうですよね、河野さん!」って思うんです。けど今僕と同じように知識というものに関しては、不安な人がたくさんいると思うんです。そんな人も何かしらの意思表示はしないといけない。
まだ選挙とかも行ったことが無い人が見てくれていると思うので。やっぱりどこの政党が良いとか、どの政治家が良いとかってわかんないと言っている場合じゃないですよね。
河野:そうですよね。
淳:今や。
河野:若い人って投票に行かない人が多いんだけれど、そうこうしているうちに年金制度が決まっちゃったら自分が65歳になった時に、年金制度が無かったみたいなことになったら困るわけですから。だからやっぱり選挙には行ってくださいと。これだけゴタゴタしていると何党がどうというよりは、まずはこの人はどうなの?というまずは人だと思うんですよ。
原発について、自民党も半々まで割れているけれど、民主党も結構割れていますよね。そうするとどの政党がというと、共産党は違うかもしれませんが、どこもみんな割れているわけだから、何党というよりも人がどうなの?って。とりあえずそこを見てもらうしか今は無いのかなって。
淳:河野さんはイラつくと思うんですけど、別に投票したい人がいないって。俺も投票する場合は普通に言っていた。わかんないし、誰に入れたい人とかもいないしって言っていた。やっぱり政治に興味を持つようになると、一人一人の議員が言っていることが違ったり、自分と意見が同じだとか、改めて言われるとそういう意見もあるのかと感じたり。
という部分が多かった。やっぱりそれはニュースを見に行くなり、ホームページをのぞきに行くなり、事務所をのぞきに行くなりで、知らなきゃいけないことですよね?
河野:そうですよね。出来ればそうやってほしいなと思います。
淳:ね。
河野:かなりの数の議員さんたちがホームページを作るようになったので、ちょっと暇な時にのぞいてもらってもいいかなって。
淳:今仲の良い議員さんって誰ですか?仲の良いというか。当然自分と政治理念が一緒じゃない人とは飲みに行ったりしない?
河野:いや、全然意見が違うけど全部別というのは無いんですよ。たとえば原発ゼロの会という、脱原発の会議に出て、社民党の阿部知子さんが事務局をやってくれています。臓器移植法案を改正するという時には、僕と阿部さんが対局にいたんです。彼女は絶対反対、俺は改正。真っ向から。なので、ある点では意見が100%違うけれど、別に人間同士で戦っているわけではなくて、意見が違うだけだから普通に飲みに行って飯食って、一緒の考えの時は一緒にやったり。
淳:一つの法案が反対だからといって、人間としての付き合いが無いわけじゃない。で分かり合う部分もあればそこで話すし。
河野:なので僕と共産党はあまり意見が一致しないことが多いけれども、でも共産党の友達も結構いるし、一緒に中国行ったなんてこともあるし。たまたま原発の件ではなんとなく意見が一致だよねということもある。別に意見が違うから飲みに行かないということではないんですよ。
淳:この人と今度ここのファミレスで話し聞いてみればという人はいないですか?
河野:どういう人がいいですか?
淳:いや、河野さんが、この人の話を聞いてみてよってという人でいいです。
河野:僕と主張が。
淳:一緒でもいいです。
河野:近い人もいますし。
淳:反対の方がいいですかね。じゃあ。
河野:反対というと何をもって反対かというのはあれだけれども、たとえば自民党の中でも長老の部類だと大島理森だとか、顔が怖い副総裁とかね。
淳:ええっ(苦笑)。お越し頂けるのでしょうか(苦笑)。俺は山本一太さんは対談したことがあります。
河野:山本さんとはアメリカの大学に行っていた頃大学院に来ていたので、三十何年間先輩後輩でつるんでいます。
淳:そうなんですか。山本さんは大丈夫です。つながりがあるので。山本さん以外で。
河野:じゃあ大島さんで。
淳:大島さん…
河野:総理経験者なら麻生太郎。
淳:うわーっ!麻生さん、ファミレス来てくれるかなあ…お話だけでもよいので。
河野:はい。
淳:ちょっとして頂いてもよいですか?
河野:誰からいきましょう?
淳:麻生太郎さんからいって頂きたいですね(苦笑)。
河野:では麻生太郎さんから。
淳:(河野)太郎-(麻生)太郎で是非。質問は来ている?いいですか。ざっくばらんに。カルピスソーダは今でも好きですか?と来ています。
河野:いや、カルピスウォーターです。
淳:カルピスウォーターなんですね。ソーダじゃダメなんですね。
河野:ウォーターなんです。ただ、暑い夏に街頭演説している時は水にしてください。カルピスウォーターが好きだとTwitterで広まった。選挙の応援に行くと、行く先々でカルピスウォーターが出てくるんです。でも暑い時は水の方が。
田村淳の結婚式には出席します
淳:この後はどこに行くのですか?という質問が。
河野:この後は奥さんと一緒にウチに帰ります。
淳:あら、お食事ですか?
河野:いや、おウチでご飯を食べます。
淳:奥さんの手料理。へぇ。奥さんとは結婚何年目くらいですか?
河野:19年。
淳:プロポーズの場所を覚えています?
河野:覚えています。
淳:へぇ。やっぱり結婚いいですか?僕は結婚していないんですけれど、家庭を早く持ちたいなと最近思いはじめているんです。持った方がいいですか?
河野:はい、持った方がいいです。
淳:僕が結婚した時は、式に参加してくださいますか?
河野:是非、喜んで。
淳:やったぜ~!(笑)やった。議員の人が結婚式に来てくれると格式みたいなのが一気に上がるんですよねえ。ありがとうございます。
河野:是非呼んで下さい。
淳:まずは良い人を選ばないといけないけれども。今日、こんなに質問に答えて頂けるとは。30分か40分くらいで終わりにしないといけないと思っていたので。こんなに長時間ありがとうございます。また何かの機会に。
河野:喜んで。
淳:このファミレスで。話をしましょう。
河野:はい。ありがとうございます。
淳:たくさん貴重なお話ありがとうございました。
河野:どうもありがとうございました。
淳:ということで第一回目のゲストは河野太郎さんでした。
◆対談前編◆
・ファミレスで河野太郎議員とロンドンブーツ1号2号田村淳氏が対談!~消費増税から原発問題まで~【前編】
