埋没の腕は超一流、しかし診断力はどうか?!

 

•二重整形の名医

•埋没専門医

•◯◯NO.1

 

…色んな二重埋没法の凄腕医師?がおります。

と言いますか、半分以上の美容外科医がこんなんな気がします。

 

埋没法は美容整形手術のキホンのキ

最初に教わり最初に行う手術です。

 

埋没ができるようになってから、次のステップで新たな手術を習うということが多いと思います。

この辺りの内容は↓

 

今回、話題にしたいのは「埋没をとんでもない件数を行う医師が次のステップに進まずに埋没をやり続けている」ことです。

私なりの理由を考えてみます。

 

①埋没のクリニック側のコスパが良いから

埋没の費用は10~20万円くらいが相場でしょう。もちろんもっと高いところも安いところもあります。

早い人であれば手術時間は15分程度です。経過診察もそこまで必要ないので、患者様に割く時間は少ないです。

 

例えば二重切開は60~120分かかります。抜糸もありますし、経過診察は頻回に必要です。

費用が30~60万円としてもコスパという意味では埋没に敵いません。

しかも手術自体が難しくて再手術やクレームになるリスクが高いです。

 

そして埋没の良いところは「元に戻ること」。これ何回も手術ができるのでクリニック側からするとコスパは最強です。

もっとコスパの良い「糸リフト」という手術もありますが、この話題は今度。

 

クリニック側がコスパが良いというのは、患者様側からするとコスパが悪い(必ずしもそうとは限らないが)可能性があります。

 

②患者様の数が多い

埋没をやりたい患者様の数は相当多いです。

それに対して、切開系の手術を望む人はかなり少ないです。

 

③埋没しかできない

手術はある程度の経験値が必要です。新しい手術も教わりながら繰り返していかないと、できるようになりません。

埋没の次は・・・意外と壁があります。

 

④マーケティング的な問題

埋没以外の手術も行うが、専門性を高く魅せるのがマーケティングに良い(らしい)ので、敢えて埋没のみ症例写真を出す医師がいます。

戦略的ですね。

 

 

こんなところでしょうか。

問題なのは③です。

埋没に関しては超一流の腕前があるが、他の手術はさっぱりという医師が実は多く潜んでいると思います。

診断力に欠けているので、埋没が適応でない患者様を見極めることが困難な可能性があります。

 

埋没が適応ではなく、二重切開(眼瞼下垂)が適応の患者様に埋没を行えば・・・不幸な結果になるのは目に見えています。

この結果は患者様を苦しめるだけではなく、当の執刀医も悩ませます。

どんな医師であっても「患者様の不幸せ」は辛いものです。

 

そこで、私からの一つの提案です。

ある程度、広く手術に精通している医師が最初にカウンセリング(診察)して、埋没が適応なのかどうかを判断。

埋没が適応ならば、埋没が得意な医師に振る・・・という流れが良い姿かなと思います。

 

埋没が得意な石は若手の医師が多いと思います。彼ら・彼女らは1日に何件も埋没を行います。

埋没の腕前は本当に超一流だと思います。例えば私は埋没は月に1〜2回しか行いません(美容外科新人の時代は1日に数件やってました)

おそらく、現役バリバリの埋没得意医師の方が埋没のクオリティは高いと思います。

 

こう言った取り組みは大手美容外科なら可能かと思いますが、おそらく大手美容外科ほどこう言ったことはやらないでしょう汗

 

以上、小さな個人クリニックの私のつぶやきでした。

 

 

この話はノンフィクションである

 

私が形成外科時代、かれこれ10年近く前の話だ。

トップの写真は本題とは全く関係がありません。ちょうど、この時代の話だということです笑

登場人物は本人だが、仮名にしているのと多少の装飾をつけています。個人情報ですので

 

糖尿病のHさんは60歳くらいの女性である

体重が100kg近くある大きな体であった

インスリンの治療を行っていたが、食事制限などあまり守れていなく、血糖値の状態はあまり良くなかった(医学的にコントロールが悪いと言います)

 

Hさんは足が腐ったいうことで形成外科に受診した

担当となったのは私である

明らかに足が感染・壊死していた(これを糖尿病性足壊疽と言います)

 

糖尿病は、細い血管が詰まりやすい

足の血管が詰まる→血流が悪い→ちょっとした傷で足が感染する→腐る

といった状況になりやすい


さらに糖尿病は足など体の末梢部位の感覚が鈍くなり、感染しても異常を感じにくいので、かなりひどい状況になってから病院を受診する

 

Hさんは足先が壊死していたのと、血糖値が500ぐらい(記憶によると)でそのまま入院となった

確か糖尿病内科で入院し、私は足の状況のみ診ていたと思う

 

足の治療としては、壊死している部分を切除(これをデブリと言います)する

ひどい場合は膝下・上で足を切断することもあるが、幸いそこまでひどくなかったので、デブリを日々行う方針とした

 

しかしデブリは痛い

軽い麻酔か無麻酔で腐った箇所を切り取るのである

腐っている部分は切っても出血しない

出血する部位まで切り取るのだ


一回に全ての腐った部位をデブリすることはできないので、毎日のようにデブリ(と洗浄)を行いに、糖尿病内科の病棟に出向いた

 

毎日のように痛いデブリを行うので、

Hさんから私は『鬼医者』と言われていた

 

Hさんは明るい性格で声も大きく、鬼医者と言いながらもよく笑っていた

「今日も鬼医者が来たぞー」っと


バーのママ的なキャラで病棟のナースからも少しクセがあるけど(時々毒を吐くので笑)、慕われていたと思う

 

Hさんに旦那さんがいて、

旦那さんはよくお見舞いに来ていた


旦那さんは口数が少なく、旦那さんも時折発する言葉に毒がありちょっと変わった人だと思っていた


旦那さんはイケメンで、無口なイケオジという印象だった

頻回にHさんの言うことを聞き(Hさんがかなり旦那さんに無茶振りをするのだが、旦那さんは「はいはい」って言いながら無茶振りに答えていた)

すごく良い旦那さんと病棟のナースより有名だった

 

ものすごく失礼な話だが、

モテそうなイケオジと体重が100kg弱の大きな女性。しかも口が悪い(Hさん、ごめんなさい)

なんだが不釣り合いに感じた

 

 

主治医は糖尿病内科の医師で私は足の担当医であり、足の改善により私のHさんの回診は減ってきた


良いことなのだが、私にHさんに

「最近あなた、あまり来ないじゃない。もっと顔見せに来なさいよ!」と言われた

そんなお茶目なHさんであった

 

足は完全に治り、私の回診は無くなった

時折、言われた通り顔を見せに行ったが、少なくとも頻回にHさんの病棟に足を運ぶことは無くなった

 

Hさんは血糖値のコントロールの悪さからくる、心臓だか何かが悪く合併症に悩まされいた

次第に状態が悪くなってきて、しまいにはあまり話さなくなほど衰弱してしまった

 

ある日、Hさんの病状はかなり悪くなり昏睡状態になったと噂に聞いた


なんとなく、Hさんの入院する病棟に顔を出すと主治医から

「Hさんは持ってあと数日だ」

と聞いた

意識があるうちにHさんに顔出せなかったとやや後悔した

 

病棟を去ろうとした時に旦那さんに引き止められた「先生ちょっと時間もらえませんか」と

 

旦那さん 「実は私は若い時、芸能関係の仕事をしていたんだ」

「そうだったんですね」だからイケメンなのかと感じた

旦那さん 「あまり成功していなくて生活に困っていた。その時に助けてくれたのが妻であるHさんなんだ」

「なるほど」

旦那さん 「妻はあんなだけど…口は悪いけど・・・根はいいやつなんだ。私は感謝しているし愛している」

「・・・」

旦那さん 「先生ありがとう」

 

Hさんのその夜、息を引き取った

 

 

 

形成外科は命を助ける治療は少ない

はっきり言って生死を左右する場面はほとんどない

そんな私にとって、とても印象深いHさんと旦那さんだった

 

保険診療では美容とは全く異なった経験が得られる

保険診療時代はかなり大変な場面やストレスも多かったが、良い経験も沢山積んだ


研修医生活が終わり、いきなり美容外科に進んだ医師はこういった保険診療ならではの経験がないだろう

 

この経験が何に活かさせるのかわからないが、人間性が広くなるのではないか?!

特に医療業界は閉鎖的であり、一般社会とはかけ離れた生活で常識というものが異なっている

技術云々だけでなく、心意気として保険診療を行った方が良いのではないかと思う今日この頃である

 

Hさんご冥福をお祈りいたします

 

 

 

 

 

 

正解は『誰にもわからない』です。

 

最近話題です。

「フェイスリフト10年経つと肌質が悪くなる」

本当にそうでしょうか?

 

いったい誰がフェイスリフト後10年の比較検討をしたのでしょうか?

誰もしていません。


実際、10〜20年前に他院でフェイスリフトを受けた患者様の診察(他のご相談も含め)をすることがありますが、肌質はまちまちです。キレイな人もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。

 

理屈で言えばフェイスリフトによって

・肌への血流が多少なりとも悪化する

・皮膚が薄くなる

でしょう。ただし良い面としては

・皮膚が適度なテンションとなりハリが出る

という面もあります。

 

そもそもですが、フェイスリフト手術を受けるような患者様が術後の10年間、他の治療を受けないとは思えません。

レーザー治療とか、ボトックスとか、糸リフトとかHIFUとか・・・

 

仮に肌質が悪くなったとして、他の要因は考えないのですかね?!

 

私からすると

 

レーザー治療などの皮膚科治療をすると10年後に肌質が悪くなる

 

これと同じくらいのぶっ飛んだ発想です。

10年の比較検討なんてかなり非現実的です。

10年後に、手術を受けた執刀医の元に尋ねる患者様が少ない

そもそも、10年後に執刀医は美容外科を引退しているかもしれません。

仮に1年後に訪れたとして、他の治療を一切受けていないなんてことありますかね?!

 

それはレーザーや他の治療も同じです。

 

なんとなくですが、10年間の間糸リフトを受け続けた患者様の肌質の方が気になります。

年に1回一リフトを10本受けたとして・・・

10本×10年=100本

です。溶ける糸だとしても異常な本数かと思います。

 

オステオポールやアクアフィリングなど学会などで公式に良くないとされている治療以外の一般的治療を「○○ の治療は良くない」と表現している医師は

・サイコパス

・マーケティング的に誇張した表現を使う

・その治療をやったことがない

のいずれかと思います。

 

他人の批判は良くないです。

同じく他治療の批判も良くないと思います。

 

 

▼うめだ美容外科クリニック▼

〒151-0053

東京渋谷区代々木2-16-14 AXT Yoyogi.Ⅱ

🚃新宿駅 新都心口改札 6番出口から徒歩3分

☎️03-6300-0050

⏰10時〜19時(火曜•水曜 定休)

 

 

 

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https://lit.link/theracergo

怖さがあるから、なるべく怖くならないように手術の勉強をしたり、予習・復習を欠かさないのです。

これがどんなベテラン医師でも「手術が怖い」という理由でしょう。

怖さがなくなったら、それは医師として引退の時期でしょう。

感覚が麻痺しているかもしれません。もしくは有頂天になっているのかも?!

 

ちなみにこれは私の趣味のレースの世界でも全く同じです。

よく勘違いされやすいのは『レーサーは度胸が勝負』です。

私はプロレーサーを目指して頑張ってきました(2020年まで)。

何人か知り合いのプロレーサーがいます。

全員『極度のビビり』です。

 

特にスピードに関して極度に恐れており、街中ではかなりの安全運転です。

交通事故が怖いのです。レーサーだけに事故を起こした後の顛末をよく知っています。

驚きですよね。

普段300km/hの世界で戦う男たちは臆病者なのです。

 

彼らは「怖くないよう」走れるように日々訓練しています。

ですので、「サーキット」で「レーシングカー」で「彼らの走り」でいる分には怖くないのです。

ですが、一歩町中に出れば大変臆病。

臆病だから速く走れ、レーサーとして活躍できているのです。

 

度胸があり、怖いものがない人はレーサーに向いていません。

これはどんなレーサーも口を揃えて話します。

怖さがなくなったら引退を考えるようです。

 

私からすると『手術』も『ドライビング』も根本の精神は変わりません。

どちらも技術職であり、日々の訓練と勉強と初心が大切です。

 

 

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これは私が形成外科1年目の時の話である

 

私は教授の外来の助手についていた。

1年目はベシュライバーといって、教授の外来につき、

•カルテ書き

•検査や次回の予約のオーダー

•抜糸などの軽処置

などを行う業務があった(おそらく現在もあると思う)

 

教授の外来は9〜12時なのだが、終わるのは大概15時頃。昼ごはんを食べずに通しでやるので意外と辛かった思い出がある。

しかし、多くの勉強ができた。医療の話だけはなく、教授の患者様との接し方など社会性も勉強できたのだ。特に教授の患者様はVIP(テレビでよく観る人も来られていた)や20年通ってる患者様、明らかに悪そうな人など…この辺は深掘ると長くなるので、追々に。

 

教授は他の病院やクリニックからの紹介で色々な疾患の患者様を診る。しかし教授としてもその治療に得意•不得意があるわけで、自信が得意でない分野であると他医師に振るのだ。

 

その日、とある疾患(静脈瘤だった気がする)の患者様が来られ、診察後に教授はその疾患に1番精通していたH先生(ちょうど同じ日に外来をしていた)に振った。

教授は私にH先生のサポートをするように命じたので、患者様ごと私もH先生の外来に移動した。

 

H先生は丁寧に再度診察をし、治療方針を考えた。その治療方針を教授に確認し、その上で患者様に提案した。

ただH先生は最後に「私はこの治療を専門にしているが、あなたの疾患を完全に治せるか自信がない」と発言した。

 

若い私は「何言ってるんだH先生。そんなこと言ったら患者様は不安になるだけじゃないか。H先生がこの疾患を1番治せるのに…」

 

しかし私の心の中の叫びのは裏腹に患者様は『H先生、私はあなたをとても信頼できます。今まで多くの医師にかかったが、先生のように正直に話す医師は初めてです』と目を潤わせて言った。

患者様は今までこの疾患に非常に悩んでおり、他の病院などで治療を受けたが治らずに困っていたのだ。

 

私は患者様の信頼を勝ち取る一部始終を見た。今でもこの思い出を忘れられない。

 

その後、この患者様はH先生の手術を受けた。その後の経過についてはわからないが、特に話題に上がらなかったので、良くなったのだと思う。

 

 

繰り返し話してますが、、

自称『得意』『No.1』は私は非常に恥ずかしいフレーズだと思います。

私はH先生は個人的にあまり好きではなかったですが、この一件の後見る目が変わりました(偉そうにすいません)。

 

H先生は少なくともこの疾患に関しては、母校で1番精通しておりました。ですが、自惚れるような発言は一切ありませんでした。むしろいつも『私なんでまだまだですよ』と話されておりました。

 

初心を忘れずに精進していきたいと思います。

 

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