これは私が形成外科1年目の時の話である

 

私は教授の外来の助手についていた。

1年目はベシュライバーといって、教授の外来につき、

•カルテ書き

•検査や次回の予約のオーダー

•抜糸などの軽処置

などを行う業務があった(おそらく現在もあると思う)

 

教授の外来は9〜12時なのだが、終わるのは大概15時頃。昼ごはんを食べずに通しでやるので意外と辛かった思い出がある。

しかし、多くの勉強ができた。医療の話だけはなく、教授の患者様との接し方など社会性も勉強できたのだ。特に教授の患者様はVIP(テレビでよく観る人も来られていた)や20年通ってる患者様、明らかに悪そうな人など…この辺は深掘ると長くなるので、追々に。

 

教授は他の病院やクリニックからの紹介で色々な疾患の患者様を診る。しかし教授としてもその治療に得意•不得意があるわけで、自信が得意でない分野であると他医師に振るのだ。

 

その日、とある疾患(静脈瘤だった気がする)の患者様が来られ、診察後に教授はその疾患に1番精通していたH先生(ちょうど同じ日に外来をしていた)に振った。

教授は私にH先生のサポートをするように命じたので、患者様ごと私もH先生の外来に移動した。

 

H先生は丁寧に再度診察をし、治療方針を考えた。その治療方針を教授に確認し、その上で患者様に提案した。

ただH先生は最後に「私はこの治療を専門にしているが、あなたの疾患を完全に治せるか自信がない」と発言した。

 

若い私は「何言ってるんだH先生。そんなこと言ったら患者様は不安になるだけじゃないか。H先生がこの疾患を1番治せるのに…」

 

しかし私の心の中の叫びのは裏腹に患者様は『H先生、私はあなたをとても信頼できます。今まで多くの医師にかかったが、先生のように正直に話す医師は初めてです』と目を潤わせて言った。

患者様は今までこの疾患に非常に悩んでおり、他の病院などで治療を受けたが治らずに困っていたのだ。

 

私は患者様の信頼を勝ち取る一部始終を見た。今でもこの思い出を忘れられない。

 

その後、この患者様はH先生の手術を受けた。その後の経過についてはわからないが、特に話題に上がらなかったので、良くなったのだと思う。

 

 

繰り返し話してますが、、

自称『得意』『No.1』は私は非常に恥ずかしいフレーズだと思います。

私はH先生は個人的にあまり好きではなかったですが、この一件の後見る目が変わりました(偉そうにすいません)。

 

H先生は少なくともこの疾患に関しては、母校で1番精通しておりました。ですが、自惚れるような発言は一切ありませんでした。むしろいつも『私なんでまだまだですよ』と話されておりました。

 

初心を忘れずに精進していきたいと思います。

 

▼うめだ美容外科クリニック▼

〒151-0053

東京渋谷区代々木2-16-14 AXT Yoyogi.Ⅱ

🚃新宿駅 新都心口改札 6番出口から徒歩3分

☎️03-6300-0050

⏰10時〜19時(火曜•水曜 定休)

 

 

 

わからないことやご質問がある方はコメントやメッセージをください。

TwitterやInstagram、クリニックのHPなどのリンクはこちら↓

https://lit.link/theracergo