何を抱きしめてみても 心に開いた穴から

ぬくもりがすり抜けてゆく 秋の黄昏時に

 

枯葉が行く先を阻む そう思える自分を拒む

幸せを語らずとして知る 愛は育む物とも知る

 

消滅の彼方に 霧は晴れるのだろうか

生命の鼓動すら 響かない世界に

 

魂を売るような仕事を 目を見開いたように

感情が交錯してゆく 日々の黄昏時に

 

人間は行方をくらます 騙しあって誰かを励ます

幸せを形づけて知る 愛は地球を救うと捉える

 

消滅の彼方に 虹は架かるのだろうか

生命の鼓動すら 響かない世界に

 

幻滅の時代に 僕は助かるのだろうか

生命の許容すら 出来ない世界に

 

 

 

 

 

 

海に行ったら 光る砂浜を 星に見立てて

君の手を取り 流れ星になる 願い事 考えておいてね

 

山に行ったら 澄んだ空気に 日々を投げ捨て

君の名を呼び やまびこになる 合言葉 考えておいてね

 

よろめきながら 飛び回る天使は

私を見ても かける言葉もなく 立ち去る

 

遠くに行ったら 見える景色を 二人のものにして

君の手を取り 肩を寄せ合う 僕の事 信じていてね

 

君と暮らせたら 些細な不安も 全て受け入れ

愛という名の 盾になってみせる 僕の事 信じていてね

 

とまどいながら “明日”のない言葉に

夢を見ても 描く術もなく 消し去る

 

よろめきながら 飛び回る天使に

“私を連れて どこかへ行こう”と つぶやく

 

 

 

 

 

 

 

かわいい名前を 呼んでいるうちは 気づかなかった

保存が利くよう 冷蔵庫にしまった 愛を放ったまま

 

季節は移ろい 時間の迷子と 手をつないでいた

 

優しい名前を つけているあいだは 気づけなかった

保護ができるよう 脳裏に焼きつけた 思い出を放ったまま

 

ふたりは虚ろな 時代の迷子と 化してしまった

 

文明の利器で 温め直してみても

今夜のお鍋の具のように ただ欲望を 満たすだけ

 

罪悪感のない 満腹感に浸ったのなら

今宵の月の笑いを見ながら 差し障りなく 眠るだけ

 

 

 

 

 

 

丘を 越えたら もうすぐ 海の煌めき 見える

青に 染まる 視界はまるで 映画のようで

 

ぼやけた 思い出に ケチをつけて 

笑いあった 霞む 地平線 華やかな 宴

 

名残多き 日々の憧憬

 

夏の風 ~ゆりゆらら~

君だけは そう 問いかけて?

 

おどけた シャツが そっと めくれて 

掻いた あくび ふさいだ 夕陽の 面影

 

波の調べ 騒いだら

 

バタ足で 遊泳 とぐろ巻いて

波風が 口づけを 交わす

 

夏の風 ~ゆりゆらら~

君だけは もう 迷わない?

 

 

(2016年7月)

 

 

 

 

 

 

涙 乾かせる“好き”なら 明日が見えたのに

別れ覗かせる さよなら 性格 今も 疑う

 

雨に打たれたわけじゃないのに 濡れた髪が 視界 遮る

街は 眩しすぎるくらいの 光に思わず 気を失う

 

雲の上を泳いでいる 君の話 耳を塞いでいる

何か言い出そうとした口びるに 恐怖 へばりつく

 

涙も 誇れる “好き”なら 過去を捨てたのに

風に吹かれる さよなら 性格 いつも 戸惑う

 

膨らんだ風船が割れるように 抱いた希望が 空に舞い散る

街は 眩しすぎるくらいの 光を着込んで 煌めいている

 

虹を駆け上がっている 君の姿 目を覆っている

足を引っかけようとした自分に 恐怖 つきまとう

 

雲の上を泳いでいる 君の話 耳を塞いでいる

何か言いたそうな口びるに 恐怖 つきまとう

 

 

 

 

 

 

飽和状態の 光の粒が 川のように 路面を満たす

昨日までの 確かな記憶が 泡のように 脳裏で弾ける

 

温和怜悧な 心の奥は 赤信号に戯れ かき乱され

信じられない 荒れた言葉が 滝のように 口から飛び出る

 

まるで 秘密基地を探すように 光から逃げながら

畦道を駆け抜けてゆく 愛を盗むかの如く

 

真っ暗闇を 不安がらなきゃ いけない 年頃なのに

末梢的な 気持ちが私は 進入禁止の 扉を開ける

 

徹底された 理論に基づく 行動に 支配されていた

昨日までの 確かな記憶が 泡のように 脳裏で弾ける

 

計算違いに流した涙の 理由を探しながら

畦道を駆け抜けてゆく 愛を盗むかの如く

 

そっと 静かな雨に耳を澄ます 闇に包まれながら

茨道を切り裂いてゆく 愛にひれ伏すかの如く

 

 

 

 

 

 

 

手をかざした 粉雪が舞い降りた

孤独のぬくもりでも 溶けてしまうほど

 

優しさに飢えた 心は舞い散った

あなたのぬくもりで 燃え尽きてしまうほど

 

別れの足音も 聴こえないくらいに

鼓動に埋もれていたい 砂時計 動いたまま

 

記憶陰った ほら吹きが顔を出した

孤独のぬくもりは 何か思い出した

 

淋しさあふれた 心は舞い踊った

あなたのぬくもりで 消え失せてしまうほど

 

別れの辛さにも 動じないくらいに

鼓動と埋もれていたい 砂時計 動いたまま

 

冬の足音も 聴こえないくらいに

粉雪を溶かしてゆく 砂時計だけ 凍ってゆく

 

 

 

 

 

 

 

自殺する人が 増えている気がする

風のたよりが 信じられなくなってる

 

まぶたにまとわりつく 涙に問いかけてみても

夜の帳に湧く 切なさに 空風 吹きつける

 

電話越し 君が 震えている気がする

「僕が頼りだ」と 言い切れなくなってる

 

明日にしがみつく 瞳を問い質してみても

空の隅々に咲く 刹那に 太陽 照りつける

 

長生きすることに 疑問を感じている

それは 紛れもなく 君に言えない感情

 

希望を持つことに 恐怖を感じている

触れる 不文律 互いに聴かない感情

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつも励まされています」と

可愛い絵文字を添えて

桜並木の木漏れ日に

丸み帯びた文字を透かせて

君の笑顔を浮かべて読んでいる

 

時には時間に追われ

下弦の月が潜んでも

小説よりも馴染みのある

ぬくもりを文字に含ませ

君の気持ち汲みながら読んでいる

 

「明日 天気になぁれ」って

外れても微笑ましい予報

ちょっと 御高い便箋に綴ってあります

 

もらってばかりは悪いね

どう恩返ししようかな

桜並木の木漏れ日に

新品の五線譜透かせて

君の笑顔浮かべて詠んでいる

 

「明日も元気になれ」って

言葉にしたら気恥ずかしい事を

ちょっと小高い丘で唄っております

 

「明日も元気になれ」って

言葉にしたら気恥ずかしい事を

ちょっと小高い丘で唄っていきます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背中に生えた 天使の羽で 流れ星と 踊るような

心に芽生えた このときめきで とろける景色に 目を奪われる

 

窓に映る 視線に戸惑い 我が物顔で 相槌を打つ

恋人と呼べない距離で 同じ夢を見ていたいの

 

独り見つめた 零時の針を 鼻で 嘲笑うような

心に見えた このときめきで どよめく明日に 目を細める

 

妙に焦る 言葉に戸惑い 我が物顔で 首を横に振る

恋人と呼べない距離で 同じ鼓動を聴いていたいの

 

今 くちびるに 言葉が纏い 咲く夕顔は 風に戯れる

恋人と呼ばない距離で 同じ夢を見ていたいよ