森博嗣さんの『τ(タウ)になるまで待って』を読みました。

 



加部谷恵美、海月及介、山吹早月の3人は、探偵の赤柳初朗から依頼されたアルバイトで、駐車場から1時間も歩かなければならない山の中にある伽羅離館を訪れる。
伽羅離館には、超能力者の神居静哉が住んでいて、夕食後、恵美は神居とともに異界に迷い込むという体験をする。
その後、神居が瞑想に使う部屋の中で首を絞められて殺害されてしまうが、部屋のドアには内側から鍵がかけられており、窓ははめ殺しの上、鉄格子が取り付けられていた。


「Gシリーズ」の3作目です。
今回のギリシャ文字は「τ(タウ)」。
高校の時に使った気がするのですが、何を表すんでしたっけ?

舞台は山の奥深くにある1軒家。
しかも、殺害現場は密室と、相変わらず森博嗣さんが好きそうなシチュエーション。
その割には、密室の謎が呆気なく解かれてしまい、拍子抜け。
でも、説明されてしまうと反論できないような、綺麗な謎解きになっています。
個人的には、密室の謎よりも、異界トリックの謎解きの方が面白かったかな。

結末については、うーん、ちょっと消化不良かなぁ。
この、消化不良な感じが「Gシリーズ」の特徴になっているのかも知れません。
これも1つのリドルストーリーというやつでしょうか。

今回、西之園萌絵の出番は少なめ。
「Gシリーズ」に入ってから、メインが加部谷恵美たちに移っているので仕方のないところなのでしょうが、ある意味"異次元"な、森博嗣さんらしいキャラクターの出番を待ち焦がれていたりします。

ちなみに、海月及介と犀川助教授が顔を合わせるのは、この作品がはじめてなんですね。
前の2作でも顔を合わせていたと勘違いしていました…
この名探偵2人による電光石火の推理劇を楽しめる作品になっていました。

 

 

 

 

 

 

過去の「森博嗣」記事

 

 

 

 

 

 


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