森博嗣さんの『θ(シータ)は遊んでくれたよ』を読みました。

 

 


フリーターの早川聡史が、25歳の誕生日にマンションから転落して死亡した。
早川の額には、口紅で「θ」と書かれていた。
半月後、今度は看護師の木村ちあきが勤務先の病院から転落して死亡した。
ちあきの手のひらにも、口紅で「θ」と書かれていた。
2人の死は、事故または自殺として処理されようとしていたが、愛知県警の近藤刑事は、2人の身体に残されていた「θ」の文字が引っかかっていた。


「Gシリーズ」の2作目です。
『Φは壊れたね』、そしてこの作品と読んでみて、なんとなくこのシリーズの特徴が掴めたような気がします。

まず、探偵役は大学生の海月及介。
「S&Mシリーズ」の主役の1人であった西之園萌絵は、警察とのパイプ役や、情報の収集役の様子。
でも、萌絵がワトスン役かと言えばそうでもなく、ワトスン役は海月の同級生・加部谷恵美のようです。
しかも、ややこしいことに、海月が推理をする前に、裏で犀川助教授が謎を解いてしまっているみたい。
今後、シリーズを通して、萌絵と犀川から海月と恵美にバトンタッチしていくのかなぁ?と、いろいろ考えてしまいます。

物語の内容はと言うと…
うーん、よくわかりません…
よくわからないのは、森博嗣さんの作品によくあることでしたが、結局どういうことだったの? θはどういう意味だったの? と、わかったようでわからなかったというのが実感です。
探偵が推理を披露したものの、答え合わせがなされなかったと言えば良いでしょうか…

物語の序盤で、「θ」がどのようなときに使われるのか?ということを、近藤刑事が探し求めているのですが、私にとっては、「θ」といえば角度。
sin θとかcos θって使い方をすると思うのですが、これって一般的じゃないのでしょうか?
もともと電気系の人間なので、それが一般的だと思っているのかなぁ?
でも、大学(情報系)でも使った気がするのですが…
同じ工学畑の森博嗣さん(建築系)が書かれているだけに、ちょっと不思議に思いました。

なんだかよくわからないままに話が終わってしまったような印象を受けましたが、不思議と後味の悪さは無し(爽快ってわけでもないけど…)。
なんか不思議な作家さんだなぁと、改めて思ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

過去の「森博嗣」記事

 

 

 

 

 

 


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