森博嗣さんの『四季 夏』を読みました。

 



13歳になった天才科学者・真賀田四季は、愛知県沖に浮かぶ妃真加島に、研究所の建設を始める。
四季は叔父の新藤清二と遊園地に出かけるが、そこで美術品泥棒に誘拐されてしまう。
事なきを得た四季は、自称科学者の瀬在丸紅子の生き方に興味を持ち、新たなものを望むようになる。


「四季四部作」の2作目です。
前作『四季 春』は超難解で、書かれていることが何を示しているのか、最後までよくわからないままでしたが、今回は比較的スムーズに頭に入ってきました。
でも、やっぱりよくわからない部分があるのですが…

この作品は、「S&Mシリーズ」の第1作『すべてがFになる』にストレートに繋がっていく作品になっています。
『すべてがFになる』の舞台となる妃真加島の研究施設が建設され、四季に関する大きな秘密も明かされることになります。
もし、『すべてがFになる』を今後読む予定があるのであれば、先に『すべてがFになる』を読むことをお勧めします。

「S&Mシリーズ」と「Vシリーズ」の融合点になる(であろう)「四季四部作」ですが、この『夏』までを読んだ限りでは、「S&Mシリーズ」は「Vシリーズ」の20年後くらいを描いたものだと思われるのですが、やっぱり「Vシリーズ」の第8作『捻れ屋敷の利鈍』に西之園萌絵が登場しているのが謎。
この作品だけ20年くらいあとを描いていると読めなくもないのですが、うーん、どうなっているんだろうと、頭を悩ませています。

物語は淡々と進んでいくのですが、終盤になって、「えっ、ちょっと待って!」という展開の連続。
『すべてがFになる』を読んでいるのだから、何が起きるのかは大体想像がつくのですが、「四季ちゃん、ダメだよ!」と心の中で叫びながら読んでいました。

ここまでが、四部作の2作目ということですが、残り2作品がどのような展開を見せるのか、今から興味が尽きません。

 

 

 

 

 

 

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