森博嗣さんの『捻れ屋敷の利鈍』を読みました。

 



保呂草潤平は、美術品鑑定士として、熊野御堂譲の屋敷を訪ねた。
熊野御堂家の敷地の中には、メビウスの帯状の建築物、通称〈捻れ屋敷〉があった。
しかし翌朝、捻れ屋敷を構成する部屋の1つで、男性の遺体が発見されるが、捻れ屋敷の入り口は施錠されていた。
また、別の部屋に飾られていた美術品〈エンジェル・マヌーヴァ〉が持ち去られていた。
さらに、熊野御堂も敷地内のログハウスの中で絞殺されているのが発見される。しかも、ログハウスの入り口は内側からセメントで固められていた。


登場人物一覧を見た瞬間、鼻血が出るほど興奮してしまいました。
というのは大袈裟にしても、ドラミングをするゴリラなみに興奮していたと思います。
その理由は、西之園萌絵、国枝桃子、犀川創平という「S&Mシリーズ」のメンバーが名を連ねていたから!
ついに、「S&Mシリーズ」と「Vシリーズ」の融合です。

このようなシリーズ間の繋がりがあることを知ったため、刊行順に読んできたかいがありました。
「Vシリーズ」はそこまで好きじゃないんですけど、「S&Mシリーズ」が大好きなんですよね♪

「S&Mシリーズ」のキャラクターたちに起きた変化といえば、N大の国枝助手が私立大学に移って、助教授になっていたところでしょうか。

また、〈エンジェル・マヌーヴァ〉は、「Vシリーズ」の3作前、『魔剣天翔』から保呂草が追っている美術品ですね。
「S&Mシリーズ」から順にとまでは言いませんが、「Vシリーズ」は順番に読んできた方が楽しめると思います。
なお、『魔剣天翔』では、画家の関根朔太が〈エンジェル・マヌーヴァ〉を持っているという噂でしたが、熊野御堂が真の所有者だったといったあたりのいきさつはよくわかりません。

瀬在丸紅子のイニシャル"V"をとっての「Vシリーズ」ですが、今回紅子の出番は無し。
探偵役は主に西之園萌絵が務めることになります。

密室トリックの答えは、なかなか想像力を必要とするもの。
捻れ屋敷の描写もそうですが、頭の中に建物を思い浮かべながら書いている森博嗣さんに対し、文章から想像を膨らませなければならない読者は少々大変です。

西之園萌絵の登場にやる気が湧いてきたところで、「Vシリーズ」残り2作も制覇したいと思います!

 

 

 

 

 

 

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