森博嗣さんの『恋恋蓮歩の演習』を読みました。

 



保呂草潤平と香具山紫子は、仕事のために世界一周中の豪華客船ヒミコに乗船する。
さらに、2人を見送りに来た瀬在丸紅子と小鳥遊練無も、下船しそこなって船の中に。
ヒミコにはスイートルームが3つ。そのうちの1つを使用する鈴鹿幸郞が商談のために持ち込んだ、関根朔太の自画像が何者かに盗まれてしまう。
さらに、別のスイートルームで銃声がしたあと、乗客の羽村怜人が海へ転落してしまう。


今回の舞台は、豪華客船ヒミコの中。
豪華客船でのミステリというと、内田康夫さんの『貴賓室の怪人』を思い浮かべてしまいます。
内田康夫さんは、実際に飛鳥に乗船したそうですが、森博嗣さんも豪華客船でのクルーズを楽しまれた…ではなく、取材されたのでしょうか?

『貴賓室の怪人』では、停泊地で下船したまま帰ってこなかった乗客が、船内で遺体で見つかるという事件でしたが、今回は海へ転落したというもの。
推理の幅が広い分、どこから攻めればよいのかが難しくなります。

ここ数作、裏の顔が見え隠れしてきていた保呂草ですが、この作品ではっきりとその正体が見えたように思えます。
豪華客船という舞台、ついに見えた保呂草の正体に犯行のシナリオが重なって、よりエンタメ色の強い作品になっています。

 

 

 

 

 

 

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