森博嗣さんの『月は幽咽のデバイス』を読みました。

 

 


オオカミ男が出ると噂される篠塚邸でパーティが開かれた。
瀬在丸紅子や保呂草潤平が招待されたが、途中から麻雀の面子として小鳥遊練無と家具山紫子、2人と一緒にいた森川素直が呼び出された。
しかし、3人が着く直前、屋敷のオーディオルームで見るも無惨な死体が発見される。
死んでいたのは、パーティの出席者の一人・歌山佐季。衣類は引きちぎられ、床一面には死体が引きずり回されたかのように血痕が残されていた。


「Vシリーズ」の3作目です。
瀬在丸紅子が探偵役を務めるこのシリーズですが、ようやく紅子の名探偵っぷりが発揮されます。
前作『人形式モナリザ』では、事件を解いたものの、それを公にしなかったため、警察の捜査が継続される羽目になった(様子)だったのですが、今回は名探偵らしく、警察を含め、事件関係者がいる前で推理を披露しています。

このシリーズには、探偵の保呂草潤平が登場するのですが、なぜか謎解きは紅子の役目。
そこに違和感を感じていたのですが、どうやら保呂草にも秘密があるみたい。
まぁ、1作目の『黒猫の三角』ほどの秘密ではないと思うのですが、次作が気にかかります。

犀川創平と西之園萌絵が活躍する「S&Mシリーズ」同様、このシリーズも1作目から順に読んだ方が良いようです。
どこから読んでも…というよりは、1つ1つ事件を解決しながら、人間関係にも変化が生まれてくる作品群って感じですね。

今回の事件は、小さなこと1つ1つに気をとられてしまい、広い視野でものを見れなくなると、森博嗣さんの術中にまんまとハマってしまうことになるような作り。
でも、広い視野で見ると、今度は細かいところに目が行き届かなくなってしまうから面白いです。

 

 

 

 

 

 

過去の「森博嗣」記事

 

 

 



過去の「Vシリーズ」記事

 

 

 

 

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