森博嗣さんの『黒猫の三角』を読みました。

 

 


3年前の7月7日の夜、当時11歳の高木理香が殺害された。
2年前の7月7日には、当時22歳だった井口由美が殺害された。
1年前の6月6日には、当時33歳だった久野慶子が殺害された。
そして、今年の6月6日、44歳になる小田原静江のもとに脅迫状が届いた。
探偵の保呂草潤平は静江の誕生日パーティの警護に当たるが、静江は密室の中で殺害されてしまう。
凶器に使われたベルトが過去の3件と同一のものだったため、連続殺人事件として捜査がはじまるが、密室の前に捜査はいきなり行き詰まる。


以前、森博嗣さんの『すべてがFになる』を読んだ際に、難読人名も良いかもしれないというようなことを書いた気がしますが…
前言撤回!! やっぱり読みにくいです。

保呂草潤平(ほろくさ じゅんぺい)、小鳥遊練無(たかなし ねりな)、香具山紫子(かぐやま むらさきこ)、瀬在丸紅子(せざいまる べにこ)、根来機千瑛(ねごろ きちえい)、志儀木綿子(しぎ ゆうこ)、…

小鳥が遊べるのは天敵の鷹がいないからたかなしなのかなぁとか、雑学にはなるけど、その感動もいつまで続くかなぁと思ってしまいます。

あまり出てこない重要な人物を難読漢字にしておくのは良い方法かも知れませんが、これだけ並べられると、読みづらさがメリットに勝ってしまう気がします。
でも、重要で、あまり出てこない人物を難読漢字にしておくと、テレビドラマでキャスを見ただけで犯人がわかってしまうという、アレになってしまうのでしょうか…
そうなのであれば、中途半端に難読漢字にを混ぜるよりも、皆を難読漢字にしておく方が良いのかも。

でも、本人同士は紫子のことを「しこちゃん」とか、練無のことを「れんちゃん」って呼んでいたりして、本人たちもやっぱり難読漢字を避けてるやんって…

ただ、物覚えの悪い私が、1発で名前を覚えたのは紛れもない事実なんですよね。
やっぱり、難読漢字はアリなのかも…

難読人名漢字を使うデメリットとしてもう1つ、名前の読み方に気をとられてしまって、ストーリーが頭に入ってこない!ってことが挙げられるのですが、この作品に関しては、そういった心配はご無用。
しっかりと話のスジを追えているのが不思議なところです。
登場人物の名前を1発で覚えた分、ストーリーに集中できるのかも知れません。

今回の事件では、密室殺人が2件出てきますが、私はどちらもお手上げ。
さっぱりわかりませんでした。
あとから思うと、シリーズ作品の罠にまんまと引っかかっていたわけですが、シリーズ第1作でこのトリックを持ってきた森博嗣さんは素晴らしい!
と同時に、このトリックを見破れなかった自分の馬鹿さ加減に呆れてしまうのでした。

 

 

 

 

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