森博嗣さんの『すべてがFになる』を読みました。

 

 


大学の助教授・犀川創平は、研究室の学生たちと、1年生の西之園萌絵と共に、妃真加島へキャンプに出かける。
犀川と萌絵は妃真加島にある真賀田研究所を訪れたが、天才プログラマの真賀田四季が手足を切り落とされ、ウェディングドレスを着た状態で荷物搬送用ロボットに乗って部屋から出てくる場面に遭遇する。
さらに、真賀田研究所の所長・新藤清二も殺害されてしまう。


森博嗣さんの作品をはじめて読みました。

まず、癖のあるカタカナ語表記と、読みづらい登場人物名に手こずりました。
本筋以外のところで読みづらさを感じさせるのは、マイナスなんじゃないかなとも思いましたが、平凡な名前に比べると、名前とキャラクターの一致が早かった気がします。
重要人物に珍しい名前をつけておくのは、なかなか良い方法なのかも。
カタカナ語の方は、私も工学畑出身なので、思わずニヤニヤしてしまいました。
一般人には読みづらいかも知れませんが、私はちょっと懐かしさを感じました。

舞台は愛知県沖に浮かぶ妃真加島。
実際、愛知県には日間賀島という同じ読み方の島があるのですが、日間賀島をモデルにしたのかどうかまでは調べていません。
篠島(日間賀島の近くに実在する島)へ向かう船が途中寄り道して妃真加島で人が乗り降りしたことになっているので、おそらく日間賀島がモデルなんだろうなぁとは思いますが、島の規模は妃真加島の方が大きいでしょうか…。

孤島もの+密室ものと言えば良いのでしょうが、警察への連絡が比較的あっさりできたところに驚きました。
孤島という要素を取り除いても、まだ密室が残っているという判断なのでしょうが、思い切りが良かったなぁという印象です。
1ヶ所だけ、ちょっと無理があるかなぁと思ったこと以外、よくできた話だと思いました。

謎を解くカギはそこかしこに置かれているのですが、どれから着手すれば良いのか、どれとどれを組み合わせれば良いのかというところで、存分に楽しませてもらいました。

最後の締めくくり方も良かったのではないでしょうか。
もう1冊、読みたくなる作品でした。

 

 

 



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