森博嗣さんの『神様が殺してくれる』を読みました。

 



フランスで知らぬ人がいない有名人イザベル・モントロンが殺害された。
モントロンが絞殺された部屋には、レナルド・アンペールの学生時代のルームメイト・リオン・シャレットが後ろ手に縛られていた。
そしてリオンは、モントロンを殺害したのはレナルド・アンペールだと警察に話した。
さらに、リールでもリオンの養父が絞殺されており、ミラノではピアニストのジャンニ・ピッコが絞殺される。
そしてまた、ピッコの殺害現場には、後ろ手に縛られたリオンがいた。


「S&Mシリーズ」、「Vシリーズ」、「四季四部作」と、シリーズ作品を中心に読んできたのですが、シリーズ外の作品も読みたくなって手を伸ばしてみました。

しかし、人物名が馴染みのないカタカナ名になっているということを除いても、どこか読みづらい。
いつもの森博嗣さんとは違うなぁと思いながら、少し苦労しながら読んでいたのですが、終盤になって、読みづらさの理由がわかりました(遅っ!)
文章が、アンペールの日記のような形で書かれていて、アンペールが思ったこと、感じたこと、話したこと、聞いたことが、単調につづられている感じ。
最後にその意味がわかるのですが、それまでは「森博嗣さんってこんなに文章が下手だったっけ?」と思いながら読んでいました。

森博嗣さんと言えば、〈理系ミステリ〉なのですが、この作品は"理系"の要素が皆無!
と言いたいところですが、カタカナ表記がやっぱり工学畑の人間です。
私も工学畑の人間なのでそれほど違和感を感じませんが、少し慣れが必要かも…
でも、それを除けば理系の要素はないので、普通のミステリとして読んでいただけるかと思います。

犯人については、聞いた瞬間「そんなのありかよ!」と叫びたくなりましたが、その後の文章を読んでいると、なるほどと思いだし、最後には納得。

2013年の作品ですが、LGBTにも切り込んだ作品になっていると言っても良いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

過去の「森博嗣」記事

 

 

 

 

 

 


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