森博嗣さんの『Φ(ファイ)は壊れたね』を読みました。

 

 


C大学の大学院生・山吹早月が、友人の舟元繁樹の部屋で留守番をしていると、上階のN芸大生・町田弘司の部屋の鍵を開けて欲しいと依頼される。
舟元は管理人が決まるまでの間、仮の管理人としてマンションの各部屋の鍵を預かっていた。
山吹が601号室の鍵を開けると、町田の同級生・戸川優と白金瑞穂が町田の変死体を見つけた。
町田は天井からYの字に吊され、腹をナイフで刺されていた。
さらに、室内を映すビデオカメラが設置されており、テープには「Φは壊れたね」と書かれたラベルが貼られていた。


「Gシリーズ」の第1作です。
時系列的には、「Vシリーズ」、「S&Mシリーズ」、「四季四部作」のあとといったところでしょうか。「四季四部作」の最終話『四季 冬』とは時期が重なっているかも知れません。

「Vシリーズ」や「S&Mシリーズ」では、探偵役のイニシャルがシリーズ名になっていましたが、この作品では、主要登場人物に「G」のイニシャルを持つ人物がいません。
そのため、最後まで誰が探偵役になるんだろうなぁという点もドキドキしながら読んでいました。
あの人かなぁと思う一方、「S&Mシリーズ」の犀川創平と西之園萌絵の名前もあるので、今後の展開も含めてワクワクしています。

今回扱われるのも密室殺人。
本当に森博嗣さん好きだよねーと思いつつ、どこか安心してしまう自分がいます。
密室の扉を開けたときに起きた事象について、その後の展開でまったく触れられなかったため、自分の読み間違いか、それとも森博嗣さんのミス?なんてことも考えてしまいましたが、最後にそれなりの意味を持ってきたのでちょっと安心。
でも、ビデオにも映っていたんじゃないかなぁ?という疑問が残っているのですが、死角になっていたのでしょうか。もう1度確認する必要がありそうです。

密室の謎についてはちょっと期待外れ。
まぁ、このシリーズの顔見世興行と受け取れば、こんなもんですかね。

個人的には、このシリーズでも西之園萌絵がレギュラーメンバーの1人になりそうなので、ちょっとハッピー。
「Gシリーズ」もハイペースで読破することになりそうです。

 

 

 

 

 

 

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