かねてからお伝えし、延び延びになっていた、以下のエントリーの続編です。先に、こちらをお読みいただき、ご覧ください。
「小名木さんを批判するな」と言った神谷宗幣(1) 2023-01-19
「小名木さんを批判するな」と言った神谷宗幣(2) 2023-01-21
これから日本史を学ぼうとする人(大人)がどのような順序で本を手にしたら良いかを、研究者の佐藤信が記した件(くだり)があるのでご紹介します。読みやすくなるようこちらで細かく改行しました。十分長いので、今回、私のコメントは無しです。
出典は、放送大学印刷教材『日本の古代中世』(2017年)23、24ページです。
以下、丸写し。
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古代・中世史を学ぶ
古代・中世史全体にわたる歴史の流れをつかもうとする時は、まずわかりやすい日本史の概説として、
『日本の歴史』(中央公論社)、
『大系日本の歴史』(小学館)、
『集英社版日本の歴史』(集英社)、
『日本の歴史』(講談社)
などのシリーズを読むことをお勧めしたい。
大学教養課程の教科書としては、
『概論 日本歴史』(吉川弘文館)、
『大学の日本史』①古代 ・②中世(山川出版社)
などがある。
概説・教科書よりも専門に立ち入るならば、講座ものと呼ばれる
『集英社版日本の歴史』(集英社)
『講座日本歴史』(東京大学出版会)、
『岩波講座 日本通史』(岩波書店)、
『岩波講座日本歴史』(岩波書店)や
『日本歴史大系』(山川出版社)
などを読み、そこに引用されるさらに詳しい研究書・論文に入っていっていただきたい。
関心を持った個別のテーマに関しては、新書・選書・リブレットなどの書にあたって深める必要があろう。
人物伝記には、
『人物叢書』(吉川弘文館)・
『評伝選』(ミネルヴァ書房)
のシリーズがある。
定評ある論文の集成としては、
『論集日本歴史』(有精堂)・
『歴史科学大系』(校倉書房)・
『展望日本歴史』(東京堂出版)
などがある。
これまでの研究史を詳しくするためには
『研究史』シリーズ(吉川弘文館)や
毎年の史学会編『史学雑誌』(回顧と展望号)(山川出版社)
を見ていただきたい。
なお全国の史跡の紹介としては、
『図説日本の史跡』(同朋舎)
を勧めたい。
史料の読解を学ぶには、
『日本史史料』(岩波書店)
などのシリーズからとりかかり、気になる史料について定評ある注釈書をたよりに読解力を磨くことがお勧めである。いずれにせよ、史料の勝手な解釈により独りよがりに空想の羽を伸ばすよりも、
『日本古典文学大系』・
『新日本古典文学大系』
『日本思想大系』(以上岩波書店)・
『新編 日本古典文学全集』(小学館)・
『訳註日本史料』(集英社)
など、着実な注釈の付いた史料を読むことをお勧めする。その際すぐに現代語訳にあたるのではなく、
『新訂増補国史大系』(吉川弘文館)や
『平安遺文』
『鎌倉遺文』
『南北朝遺文』(東京堂出版)
などに収められたような主に漢文で書かれた古代・中世史料の原文の訓読・読み下し方を習得する努力をぜひ積んでいただきたい。
なお史料読解に必要な辞典について例示するならば、日本史辞典としては、
大部な
『国史大辞典』(吉川弘文館)、
机上版の
『日本史広辞典』(山川出版社)・
『平安時代史事典』(角川書店)・
『歴史考古学大辞典』(吉川弘文館)
など、
ハンディーな
『日本史辞典』(岩波書店)・
『角川新版日本史辞典』(角川書店)
などがある。
漢和辞典としては、
大部な
机上版の
『新大字典』(講談社)
など。
国語辞典としては、
大部な
『日本国語大辞典』(小学館)、
ハンディーな
『新潮国語辞典』(新潮社)
などがある。
古語辞典としては、
『時代別国語大辞典』(三省堂)、
人名辞典には
『日本古代人名辞典』
『古代氏族人名辞典』(吉川弘文館)
などがある。
地名辞典には
『日本歴史地名大系』(平凡社)・
『日本地名大辞典』(角川書店)
など、
歴史地図には
『日本歴史地図』、
『日本歴史地図 原始古代編』(柏書房)
などがある。
以上簡単に紹介した史資料・工具書の類を、ぜひ図書館などで一度手にとりめくっていただきたい。そこから、自分の頭で考える歴史の勉強がはじまるといえよう。
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