ロジカルシンキングの基盤
物事にはよく原理原則があり、それを理解することで応用力が利くと言われる。例えば任天堂DSであれば、DSの起動方法、タッチペンや各ボタンの意味さえわかれば、ゲームを何となく始めることが出来、ゲームの習得スピードが速い。各ボタンの意味合いを知らなければ、ゲームを起動することは出来ても、逆にそのゲームを楽しむまでに時間がかかるだろう。ロジカルシンキングも原理原則をまず学ぶことが、(当然のことながら)最も重要である。
このロジカルシンキングの基盤を習得できれば、ある程度応用力が利くようになるだろう。本節ではロジカルシンキングの基盤を紹介していきたい。
ロジカルシンキングの基盤とは?
ロジカルシンキングの基盤とはズバリ「帰納法」と「演繹法」をマスターすることにある。「エンエキホウ?」「キノウホウ??」なんか中学校の時とかに社会科目で暗記させられた記憶があるけれども、取っ付きにくいなあと思われたかもしれない。ロジカルシンキングの基盤である演繹法と帰納法を習得するために、わかりやすく2つの概念を説明していきたい。
【図3-3:ロジカルシンキングの基盤:帰納法&演繹法】
まず帰納法から説明していこう。薀蓄を語ると、帰納法はフランシス・ベーコンにより提唱され、帰納的推理による研究法と定義されている。今の定義でポイントなる言葉は「推理」である。
図を見ていただきたい。帰納法とは簡単に言うと、複数の事象の共通点を導出して、結論を導き出す方法である。例えば、あなたの前に複数のコアラがいるとする。1匹目のコアラの指の本数は5本、2匹目のコアラの指の本数は5本、3匹目のコアラの指の本数は5本、じゃあ4匹目は?
ほとんどの方が5本と思われたに違いない。今の論理構築方法が正に帰納法である。
【図3-4:わかりやすい帰納法の図】
帰納法を覚えておくには是非図に描いてあるイメージを頭に焼き付けて欲しい。そうすれば絶対に帰納法は忘れないどころか、応用できるようになるだろう。
しかし帰納法には一点弱点があると私は思っている。先ほど「推理」という言葉がポイントであると述べたが、帰納法で結論を出す場合には「想像力、知識が必要になる場合が多い」のである。コアラの例は簡単だったのですぐに結論が導き出されたと思うが、世の中の事象というのは共通点を複数の名から見つけ出すのは難しいし、その共通点から一つの結論に持っていくのにも経験などがアドバンテージになることが多い。
よってロジカルシンキングの基盤、つまり原理原則を習得して頂く為には、余裕がある方には「帰納法+演繹法」、まず一つだけという方には次に説明する「演繹法」を習得されることをお薦めする。
さて演繹法は、三段論法とも言われる手法で、古くはアリストテレスの時代から使用されてきた論理構築方法である。演繹法はルールや一般論などの大前提を基に、観察事項などの小前提から結論を持ってくる方法である。キーワードは「前提」という言葉である。我々コンサルタントは結論を導き出すために様々な前提を置くことがあるが、正にこれは結論を導き出すために行っている手法である。
【図3-5:わかりやすい演繹法の図】
さきほども使ったコアラの例で考えてみよう。コアラの指の本数は4本である(大前提)という前提を置く。あなたは動物園に行ってコアラのまーくんに会ったとしよう。遠くからしか見れないので、指の本数は見えないが、まーくんはコアラなので(小前提)、まーくんの指の本数は4本という結論に至るだろう。これが演繹法という論理構築方法である。
ルールや一般論というのはいわゆる普遍的な法則でもいいし、自分が作った大きい前提でも構わない。その大前提を使用して、小前提(観察事項など)から結論を導き出すのが演繹法である。
演繹法は発想力は問われないので、純粋な論理の組立を行えることができ、ロジカルシンキングの原理原則を押さえるには適切である。この演繹法という論理構築方法は訓練すればするほど鍛えられるので、ぜひ参考書リストにある「13歳からの論理ノート」(小野田博一、PHP研究所)という本を使って訓練してみるとよいだろう。
ロジカルシンキングの原理原則を押さえるには、帰納法と演繹法を習得することにある。その意味を知るのがポイントではなく、紹介した図のイメージを頭に焼付け、ぜひコアラの例で示した論理構築方法をよく理解して頂きたい。