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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 今年は敗戦80年。戦争を振りかえる映画が何本か製作されている。その1本「木の上の軍隊」。終戦しても、そのことを認めずに木の上で2年間も過ごした上官と下級兵士の物語。演じたのは堤真一と山田裕貴。


「木の上の軍隊」★★★★☆

 原作は井上ひさしの戯曲。舞台なら二人劇なのだろう。映画は沖縄本島の北部に近い伊江島を舞台にしている。激戦の沖縄戦のなかでも熾烈だったと伝えられる伊江島。

 映画はこの島に大きな飛行場を作るところから始まる。島民の土地を取り上げて島全体を飛行場にしてしまおうという計画。しかし、飛行場完成目前になって、かえって米軍の標的になると、飛行場を爆破する。

 島民の生活や人権などを一切考えない日本軍の勝手さを見せる。そのシンボルが堤真一演じる上官。彼は自分が信じる事しか受け付けない。その結果、終戦して2年も日本の敗北を認めない。

 気のいい、地元出身の兵士を演じる山田裕貴がいい。上官の無理を飄々として流す。彼の家族への熱い思い、家族愛には泣ける。それを虫ケラのように扱う日本軍の非情さ。

 戦争なんてそんなものといえば、そんなものなのだろう。一人の命が重かったら戦争などできない。

 カムチャッカ半島で起きた大地震。その影響で日本列島を襲った津波騒動。そんな地震直後に三浦半島の葉山へ。目的は写真展だったけど、行く途中で緊急ニュースが出て驚いた。


 それでも無事に写真展も観て、ランチ場所を探した。避難指示の影響なのか、ネットで調べたレストランは休業のところも多かった。(単に平日の休業日なのかもしれないけど)

 結局、たどり着いたのは逗子マリーナの裏手にある海鮮食堂。急に探して行ったわりには、なかなか気分のいい食堂だった。お客さんは地元のサーファーみたいな人が多かった。値段も観光料金ではなかった。




 注文したのはマグロの頬肉定食(1500円)。頬肉って柔らかい。ちなみに定番のしらす丼は1100円。200円で大きなかき揚げも追加できる。 

 ランチを満喫して夕方には築地本願寺の盆踊りへ。7月の末から8月に週末にかけての4日間開催される恒例のイベント。週末は避けて。いつも平日に友人を誘って参加。

 自分は踊らないで見学するだけ。でも、見ているだけで楽しいイベント。




 昨年のお正月1月1日に発生した能登地震。地震の規模も大きく、被害も甚大だった。さらに、その年の秋には豪雨被害。震災から、少しずつ回復をしていた能登に悲劇が重なった。

 その豪雨の後の能登半島を描いた映画「生きがい」。震災映画だと思うと気が重かった。映画は被害者の実態に、なるべく近いい描き方だった。


「生きがい」★★★★☆

 主人公を演じたのは鹿賀丈史。元学校の教頭。頑固な性格で周囲からは「黒鬼」と呼ばれて敬遠されている。

 この設定が見事。避難所にも馴染めずに、崩壊の危険がある自宅にこもる。さらにガサツなボランティアを怒鳴り散らす。

 彼の世話を甲斐甲斐しくみる根岸季布からは「ボランティアさんを怒らすなんて!」と叱られる。

 そんなリアル感のある被災者の姿がさりげなく描かれる。監督は宮本亜門。素材の割に意外なあっさりとした演出に好感。

 鹿賀丈史演ずる主人公に象徴されるように、キレイごとでないのがいい。

 7月の末、一昨日は忙しい一日だった。南町田から葉山を目指して移動。葉山にある神奈川近代美術館で開催されている「上田義彦」写真展を見ることが目的。

 しかし、車で横横道路を走っている時に緊急ニュース。それが、一昨日の津波警報。横横は三浦半島の山側を走っているので、そこは安全と葉山を目指した。

 逗子で高速を降りたけど、津波の様子がわからない。大きなパーキングのあるコンビニで状況を見るために休憩。 美術館に連絡すると、高い場所にあるので、休館にはしていません、状況を見て、判断します、とのこと。

 葉山まで来たんだしと、美術館へ。

 

 確かに美術館は海には近いけど,高い場所にあった。ここなら、相当高い津波じゃなければ安全。ただし、海岸へ繋がる道は閉鎖されていた。

 

 

 このために葉山までやって来た上田義彦展。圧倒的な物量の迫力。上田義彦さんはサントリーの烏龍茶や伊右衛門、BOSSのビジュアルワークで知られた人。普通なら広告の世界はアートとは別物なのに、この人は広告写真すらアートにしてしまう、広告写真だけでなくセレブを被写体にした作品も多い。

 大島渚、草間彌生、ロバート・メイプルソープ、マイルス・ディビス、レイ・チャールズから木村拓哉まで、あらゆるジャンルのセレブの肖像。

 新作ではチベットの撮り下ろし作品。大きな展示室の間では奥様の桐島カレンさんやお子さんたちとの家族写真まで、500点近い点数が展示されていた。量だけでなく、質も高い写真展だった。葉山まで行く価値はあった。

 2017年のタイ映画がアメリカでリメイクされた「バッド・ジーニアス」。舞台になるのはシアトルの進学校。主人公は中華系の女子。優秀な彼女。でも経済的な問題があって、その学費は払えない。父親はなんとしてもというけど、自分は公立でいい。しかし、学校には特待制度があり、彼女は特待生に。

 彼女に近寄るのはお金持ちだけど、成績はイマイチの生徒たち。カンニングに報酬を払うというのだ。その誘惑に彼女は応じる。

「バッド・ジーニアス」★★★☆☆

 アカデミー賞作品賞に輝いた「コーダ」もそうだけど、オリジナルを観ていない人には楽しめる映画だろう。でも、オリジナルを観ていると、つい較べてしまう。

 アメリカの多くの観客はオリジナルを観ていないで、これがオリジナルの作品と思っているのだろう。日本でも韓国映画のリメイクなどが作られているけど、それも好みではないし、良いと思える作品は少ない。

 アメリカの場合は、今でも外国映画を観る層は限られているし(以前よりは多くなったといえ)、それがリメイクであることを知らない人も多いはず。

 このリメイクはカンニングに人種問題を絡めて、より社会的な意味のある映画に仕立てようとしている。それはそれで、悪くはないけど、オリジナルのゲームとしてカンニングを楽しむという明るさはなくなった。

 オリジナルを観ていなければ★★★★☆だったかも。

 シェールのベスト盤をディスクユニオンで購入した。女優としてのシェールは知っているけど、歌手シェールのことは、あまり知らない。

 元夫のソニーとのコンビで有名だった時代は、自分には空白なのだ。以降もシンガーとしてのシェールの音楽に触れたことがなかった。

 80年代になり、シェールが本格的に女優活動をした時に彼女を知った。メリル・ストリープと共演した「シルクウッド」やカンヌで女優賞を受賞した「マスク」など。

 その時は「あの」シェールというような紹介のされ方で「あの」の意味は実は不明だった。でも、この人は「あの」と語られような特別な人なのだと思った。たしかに普通じゃない雰囲気をまとっていた。

 女優としての頂点は「月の輝く夜に」。年下のニコラス・ケイジを惑わす中年女。ケイジも良かったけど、シェールなくしては成り立たない映画。この作品で見事、アカデミー主演女優賞に。

 その後も女優活動は続けるが、次第にトーンダウンして、歌手シェールに戻っていく。そして、98年「ビリーブ」が大ヒット。

 この時、初めて歌手シェールを認識した。以降映画出演は控えめながらも、ミュージカル「バーレスク」「マンマ・ミーア/ヒア・ウィ・ゴー」などに出演。歌える女優の魅力を見せてくれた。

 このベスト盤は自分にとって、今さらながらだけど、歌手シェールの穴を埋めてくれた。

 最近、やたらとスクリーンで観るようになったと思うのがペドロ・パスカル。現在50歳。テレビドラマのファンには「ゲーム・オブ・スローン」などの作品ではおなじみだったろう。でも、スクリーンで印象的な役をこなすようになったのは(主役級で登場するのは)最近。つまりは40代になってから。

 日本にも40代以降にスターになる俳優さん、少なからずいる。松重豊とか、遠藤憲一などはその典型。音楽家はだいたい早熟で30代になるまでにスターにならなければ、40代でスターになる人を見かけない。クラシックでも、中年以降になって有名になったのはフジコ・ヘミングぐらいではないか?

 その点、俳優という職業は別らしい。吉田剛太郎だって、スター俳優になったのは中年以降。もちろん舞台では主役をしていても、一般的な知名度はないという場合が多い。

 ハリウッドでは舞台経験を積んで、中年以降、スクリーンのスターになった人はあまり多くない。(モーガン・フリーマンぐらい。「ドライビングMISSディジー」で主演俳優になった時には、すでにお孫さんがいた)

 今、中年の輝けるスターはパスカルだろう。ハリウッドにはだいだいラテン系のスターという系譜がある。その系統に属するスター。

 なにせ2024年と25年だけで出演作が8本。その中には「グラディエーター」「ファンタスティック4」などの大ヒットした主演作が含まれているのだ。次回作は「スター・ウォーズ」の新シリーズ「マンダロリアン&グローグー」。演じるのはマンダロリアン。これもシリーズ化されるだろうから、大ヒットシリーズの2つを抱えるスターになる。80年代のハリソン・フォード以来の快挙。

 今のところ本人もマネージメント側も「大スター」という意識はないようで、ここ数年はけっして大作、主役に役を限定していない。これからは主役だけになりそうだけど、23年に主演したアルモドバル映画のようなキッチュな映画にも出て欲しい。


 深作欣二の実質的な遺作(この続編を息子、健太と共同監督)になった「バトルロワイヤル」(2000年)。中学生の殺戮ゲームを題材にしていると大きな話題になった。当時は、そんな素材が苦手だったのでパスした作品。それに東映の全盛期を知らなかったので、深作欣二の映画監督としての凄みを理解していなかった。

 深作監督を本当にすごい人だと深く認識させられたのは、京橋のフィルムアーカイブで深作特集を観てから。それを観て、人々が深作を偉大な映画作家として敬愛する意味が理解できた。今回は「さよなら丸の内東映」の特集で閉館の前日に上映される回を探して観る機会を得た。

 公開から25年。出演している俳優の数々がスターになった映画。今となると彼らの若い姿を見るのは新鮮。藤原竜也も、柴咲コウも、栗山千明も、高岡蒼佑も、塚本高史もみんな中学生役なのだ。


「バトルロワイヤル」★★★★☆

 この映画を観ると、終戦時に15歳だった深作欣二の大人への思いが反映されていることがわかる。ビートたけしが演じている先生は戦争の時の大人のシンボル。(戦後、掌返しに「民主主義」を礼賛したような大人たち)

 このバトルに特別参加する17歳が「れいわ」の山本太郎だということも笑えるネタ。安藤政信も不気味な殺し屋役で登場している。

 この映画を観て思い浮かべたのがアメリカ映画「ハンガー・ゲーム」(2012)。これも少年少女たちが殺戮ゲームを繰り広げる話。どう見ても、オリジナルが「バトルロワイヤル」だと思ってしまう。盗作!という話にならなかったのだろうか。もし、先に「バトル」を観ていたら「ハンガー」は「いただき映画」だと思うだろう。

 どちらにせよ、この映画を東映最後の直営館で拝見することができて良かった。深作欣二は根っからのアナーキストなのだと再認識できた。

 インド人の写真家プシュパマラの写真展「ドレスアップ」が銀座シャネルビルにある「ネクサスホール」で開催中。シャネルのこのホールで度々海外の写真家の展示を開催している。

 今回展示されたパシュパマラのことは知らなかった。海外では有名な人なのだろうか。1956年インドのベンガルール生まれ。90年代から、今回、展示されているような扮装をして、自らを写真に収めるフォト・パフォーマンスをしているそうだ。




 今回は会場をピンクに染めた大胆な展示。展示を見るのは楽しかった。写真自体は正直、自分の好みではなかった。時折、このタイプの人がいる。それを「面白い」と思える人向き。

 それにしてもシャネルには予算があるようで、入場者には、この写真展のプログラムになる写真集を手渡してくれる。

 マーベル映画の新作「ファンタスティック4」。キャスト一新の新シリーズのスタート。お腹いっぱいマーベル映画だけと不思議に1作目は成功する確率が高い。この「ファンタスティック4」リブート版もなかなかに快作だった。

「ファンタスティック4」★★★★★

 いいのは60年代に設定したこと。デザインがレトロ・モダンでクールなのだ。「ゴジラ-1.0」の時もそうだったけど、見慣れた物語を一気に過去へ設定すると、妙なリアリティが生まれる。

 この映画でも、あり得ないヒーローたちの活躍なのだけど、いい具合にフィクションとリアルが融合する。「スーパーマン」の新作もこの手を使えば良かったのに!と、この映画を観終わった後に思った。

 キャストでいいのは中年になって、やたら売れっ子になったペドロ・パスカル。「SW」の新作もあるし、50代でいきなり大作の主役の連続ってすごい。

 今回はアメリカのビジュアルのコピーにあるように「家族」の物語。これも、わかりやすくて良かった。その意味でも王道のエンターテイメント作品。アメリカで大ヒットというのは当然だろう。

 今回の悪役が大魔神なのはびっくり。あれ、著作権侵害のレベル⁉︎