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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 「夢千代日記」などで知られる名脚本家、早坂暁。早坂が92年に発表した自伝的小説「東京パラダイス」を読んでいる。さすが、名脚本家、ストーリー展開が実に視覚的で、しかも滋味に富んだ泣かせる小説。


 どこまでが本当の話なのかはわからないけど、相当な著名人が登場する。主人公は松山高校の学生。親には東大医学部を受験するといって上京する。しかし、彼の上京の目的は女を探すこと。かつての恋人が浅草でストリッパーとして踊っていると聞かされたのだ。

 とりあえず上京して、すぐに浅草に行く。そこで出会うのが永井荷風。しかし、文化に疎い彼は永井だとは気づかない。その浅草で早速スリにあってしまう。そんな彼を救ったのは風采の上がらない役人。その役人は劇場に出ている男を紹介して、彼女探しを手伝ったくれるという。その役人は後の関敬六。そして紹介される芸人が渥美清。スラれてお金のなくなった主人公(早坂)は、その日、渥美の実家に泊めてもらう。

 ここまで、およそ1/3。これから主人公は玉の井に定着して、ある女に会い、さらに友人の学生日記で日大芸術学部演劇科に出入りする。

 実際に早坂は東大医学部に合格して中退して、改めて日芸入り直して卒業している。ということは小説は「自伝的」ではあるが。まったくの「自伝」ではない。それにしても昭和の風俗満載で面白く読み進めている。

 赤狩りでハリウッドを追われたダルトン・トランボ。変名で書いた「ローマの休日」でアカデミー賞を受賞した脚本界のレジェンド。そのトランボが自ら監督も兼任した1972年の「ジョニーは戦場に行った」が終戦80年の今年、映画館で再上映。半世紀前の作品を初めてスクリーンで観た。

「ジョニーは戦場に行った」★★★★☆

 ハリウッドを追われた男ならではの反戦映画。舞台は第一次世界大戦。ヨーロッパに戦士として赴いたジョニーはその戦争で腕も足も失ってしまう。植物人間になったジョニーを軍は観察のために入院させる。

 映画は戦争のシーンはモノクロで、過去のシーンをカラーで描く。戦争へ行くことへ反対する恋人のカリーン。駅での別れ。そんなシーンがジョニーの頭の中では「生きている」と映画は伝える。

 しかし、軍は彼をあくまでも実験の対象として考える。そんな軍の卑劣さ、人間性のなさが描かれる反戦映画。ジョニーを演じるのは当時のライジングスター、ティモシー・ボトムズ。このあと、ボクダノヴィッチの傑作「ラストショー」にも出演。キャリアの初期に生涯の代表作に出会っている。いかにも、典型的で理想的なアメリカンボーイ。その年にカンヌ国際映画祭に出品され審査員特別賞を受賞した作品。

 

 先週の土曜日に行われた撮影会のアテンドで三重県の赤目四十八滝へ。この日も猛暑だったけど、滝周辺は涼しかった。

 体感的には5度ぐらい涼しいように感じた。滝の周りには緑が鮮やか。




 足元には苔なども生息して、まさにグリーンワールド。

 クーラーに頼りがちの生活だけど、自然は目にも体にも優しい、を実感した今回の仕事旅。役得か?

 スペイン映画「入国審査」。主役のカップルがバルセロナからNYに渡り、エアポートの入国審査で足止めされるようすが描かれる。


「入国審査」★★★★☆

 何と上映時間は77分。NYのエアポートの入国審査で「特別室」に連れて行かれる。その緊張感の77分。

 やはり77分にコンパクトにまとめたことが良い。話の展開に無駄がない。この短い時間に、実は彼にグリーンカード目的の擬装結婚疑惑があることが判明する。

 彼女との結婚を決める前に、ネットで知り合った婚約者がいたのだ。彼女はスペインで、グリーンカードを取得しているので、入国審査員は、彼女との結婚も、それが目的ではと疑う。

 こんな背景がなくても税関を通る時には緊張する。過去に2度ほど別室に連れていかれたことを思い出した。

 一度はハワイ。先にハワイに着いていた友人から薬を忘れたので持って来て、と頼まれた。その薬が大量だったので、税関に運び屋かと疑われた。

 二度目はマニラ。これは外見だけでヤクザに間違われた。パンツ一丁にさせられた。刺青がなかったので、無罪放免。どうしてヤクザに見えたのか。

 このようにワケもわからずに連れて行かれる可能性があり、相手が絶対的権利があるので緊張するのだ。

 それを77分再体験した。スッキリとしたラストも見事。

 ヒットした「東京MER」の続編「南海MER」。主演は鈴木亮平。東京で誕生したMERが成果を出し、全国にMERが誕生。医療過疎の鹿児島の島部と沖縄を統括する「南海MER」が政府指導で開設。しかし、稼働率が悪いところから、不用だとの声が上がる。責任逃れをしたい厚労省の大臣側(映画に登場するのは副大臣)は廃止を目論んでいるという設定で映画は始まる。

 それに現場でも、あまりにのんびりした環境にナースたちからは不満声も上がっている。そんなことろにトカラ諸島の島で噴火が起こる。さて、オンボロMERは活躍できるのか?

「劇場版TOKYO MER走る緊急救命室-南海ミッション」★★★★★

 昨年の「ラストマイル」に続くTBS製作のドラマ化作品。「ラストマイル」と同様に質の高いエンタメ作品に仕上がっている。前回は横浜の高層ビルに鈴木亮平と妊娠した妻との関係をみどころにしていた。しかし、今回はそれぞれの家庭事情は背景にはしているが、それ以上、物語には関わらない。それが良かった。本来の業務に集中してレスキューお仕事映画になっている。

 その舞台になるのがトカラ列島。これが、先日に悪石島の地震騒動があっただけにリアルに迫る。迫力のある火山爆発シーン。それに前半、ボンクラ医師のように扱われていた江口洋介の日々の行動が実際の救助には大きく役立つという展開もうまい。

 政府(厚労省)が求める派手な成果ではなく、日々の島の生活を見守ることが、救済につながるという離島ならではの事情が、うまくドラマに組み込まれている。

 それにしても鈴木亮平はすごい。どんな役をこなしても、その演ずる人に見える。今回はできる外科医師。細かい手つきとか、本職の人が見ても納得の手捌きぶり。よほどの鍛錬がなければ、あの動きはできないだろう。体づくりも含めて憑依型の演技。それをこのエンタメ映画で見せてくれるのが凄い。主演男優賞レベルの演技。それだけでも、この映画、観る価値あり。


 

 

 

 出張先ではいつも朝散歩する。今回の宿泊は名張駅前。名張の人には申し訳ないけど、こんなにさびれた駅前は珍しい。

 近鉄としては決して小さくない駅なのだけど、駅前には、お店がない。コンビニだけ。



 駅に立ち寄り知ったのは、ここが江戸川乱歩の出身地だということ。

 駅前には乱歩像がある。今年は乱歩作家デビュー100周年だそうで、乱歩にかけられたタスキに記されていた。

 近くには名張川が流れて、昔は栄えていたのだろう。町を歩くと、結構立派なお屋敷も目立つ。


 信楽も近いので焼き物の里でもあるよう。

 ホテルの玄関にはこんな立派な首尾が飾られていた。

 バイキングの朝食もなかなかに充実。

 小雨が降り始めた東京を早朝出発。神奈川に入ると雨はなくなり、静岡に入ると猛暑になった。

 順調に移動して午後には赤目滝に到着。さっそくロケハンに。



 外は猛暑だけど渓谷に入ると、体で涼しさを実感。清涼な空気。


 こちらも猛暑の連続で、これでも「暑い」そう。雨も少ないそうで、滝の水量はやや控えめ。




 それにしても流れる水の透明度には驚く。何mも澱みがない。でも、明日の撮影会のためには、夕立が欲しいと願っていたら、その願いを叶えてくれて、豪雨になった!

 さて、明日の風景はどう変わるかと楽しみになった。

 池井戸潤のデビュー作にして、江戸川乱歩賞を受賞した「果つる底なき」。今頃になって、やっと読んだ。

 池井戸潤を読み始めたのは「空飛ぶタイヤ」以降だから、それ以前の作品には、なかなか縁がなかった。

 池井戸潤を知ったのは、読書好きの知人から「今、直木賞にいちばん近いのは、この人」と教えてもらったから。それが「空飛ぶ」だった。

 「空飛ぶタイヤ」は企業小説にサスペンス要素が加わり、見事なエンターテイメント小説だった。

 この作品の他にもたくさんの作品が映像化。銀行を舞台にした「半澤直樹」は空前の大ヒット。池井戸潤は時代の顔になる。

 そんな作家の原点。デビュー作には作家のすべてが詰まっているというけど、これはまさに、そんな完成された池井戸潤の世界。

 舞台は渋谷の銀行。主人公はこの銀行の融資担当。債務回収担当の友人が蜂に刺され死亡する。蜂アレルギーだったのだ。しかし、これは事故ではなく、事件なのではないかと真相を追う。

 池井戸潤は元銀行員だからこそ、深く知り得た世界。話は渋谷を起点に半径5キロ程度の場所で展開する。


 銀行は渋谷駅前。問題になる融資先の社長の自宅兼事務所があるのは渋谷区大山町。代々木上原付近。主人公は幡ヶ谷と代々木上原の間にあるマンションに住んでいる。

 半導体にまつわる企業ミステリ。そこに銀行、商社の人間が複雑に絡む。デビュー→乱歩賞受賞の快挙も納得。

 本筋とは関係ないのだけど、気になったのが、主人公の通勤ルート。彼が住んでいるのが幡ヶ谷の図書館の近く。銀行が渋谷駅前なら、無理したら徒歩範囲。普通ならバスを使う。

 このあたりに昔住んでいたので土地勘がある。当時自分は勤めが新宿だったので幡ヶ谷を使っていた。でも渋谷に出るならバス、時間と気持ちに余裕があれば歩いた。

 バス?と思われる人もいるけど、このあたりは複数路線が運行していて5分ごとにバスが来る。乗れば渋谷まで10分もかからない。

 なんで池井戸潤は幡ヶ谷→新宿→渋谷という経路にしたのだろうか?話の本筋とは関係ないけど、たまたま近所に住んでいて、それぞれの場所が目に浮かぶので、余計に気になってしまった。




 原作を読んだ後、原作の舞台になった渋谷駅前の銀行へ。この地下に、そんな伝票倉庫が今でもあるのだろうか?

 朝ドア「あんぱん」が好調のままラスト2ヶ月。国民的な人気キャラ「アンパンマン」を産んだ漫画家やなせたしと妻の物語。今回は妻の視点で描かれている。同じ漫画家をテーマにした「ゲゲゲの女房」と同じスタンス。


 実際の奥様はあまり自分のことを語るようなキャラではなかったそう。でも、それを脚本家、中園ミホが堀り起こして、魅力的なキャラにしている。ヒロインの今田美桜は演技の面ではつたない部分も多いけど、それを周囲のキャストがサポートしているのが見事に機能している。傑作が生まれる時はそんな巡り合わせが重なる。

 今回も前半は竹野内豊、阿部サダヲ、吉田剛太郎などが支え、中盤は妻夫木聡、戸田恵子、津田健太郎がその役割を担っている。のぶの実家の家族を演じる江口のりこ、妹の河合優実などが安定した演技派ぶりを見せてくれている。

 全体に安定したドラマなのだ。この安定が、朝ドラに求められるものだと思う。それを知り尽くした脚本家が紡いでいるのが成功の大きな要因。前半は傑作だった「虎に翼」も後半は少し腰砕けになった。その心配は「あんぱん」には不要か?

 それにしても「あんぱん」もう2/3が終わったのに、やなかたかしは、まだ漫画家にもなっていない。このままだと、たかしは「アンパンマン」を書くところで終わってしまいそう。それなら、それで潔いとは思うけど。

 このドラマの一番すきなポイントは、北村匠海演じるタカシのキャラ。実際のやなせたかし先生の若かりし時はもっと押しの人だったらしい。しかし、北村匠海演じるタカシは、お人よしの、いじられキャラ。これがなんとも、ほんわかで、いい味。

 台風が日本列島、関東にも接近と伝えられるこの週末。撮影会のアテンドで三重県にある赤目四十八滝へ向かった。

 実は、赤目滝、ずっと奈良県に属していると思っていた。室生寺のある宇陀市はお隣、ここは県境を挟んで三重県・名張市になるのだ。

 撮影会は土曜日の8月2日。前日入りということで金曜日の早朝、東京を出る。車だと休憩を含めて7時間程度はかかる。

 台風9号は予想よりも日本列島、関東に接近している。それにしても、この時期で早くも9号とは、少しハイペースではないか。もちろん猛暑続きで、激しすぎるとはいえ、めぐみの雨だけど。

 早く出たので車は順調に台風の影響もまだなく移動。気になるのは帰りの時間。雨は欲しいけど、暴風雨は勘弁では、都合よすぎるか?

 東京を出た後は猛暑の晴天。ランチはいつもの鶏から定食(990円・税込)。値段も良心的で、ほんとに美味しい!