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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 ロンドンでジュリー・アンドリュースが主演して大ヒットしたミュージカル「マイ・フェア・レディ」。


 1964年に映画化された時は主演はオードリー・ヘップバーンに交代。歌のレッスンはしたけどオードリーではミュージカルにはならないと歌は吹き替えになった。

 そのサントラ盤をディスクユニオンで購入。


 ヒギンズ教授役は舞台から引き続きレックス・ハリソン。その年のアカデミー賞ではハリソンの主演男優賞。作品賞、監督賞など8部門受賞。これは製作と担当したワーナー映画のジャック・ワーナーの政治力の影響大。


 オードリーはノミネートでも落選。その年、受賞したのは「メリーポピンズ」のジュリー・アンドリューズだったという皮肉。周囲はヒロインを降ろされた敵討ちだと囃し立てた。


 ということで、サントラ盤のイライザの歌は吹き替え。吹き替えたのはマーニー・ニクソン。「王様と私」のデボラ・カー「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッドの吹き替えも担当した「最強の吹き替え」歌手。


 それにしても、この作品は良く出来ている。まさにミュージカルの金字塔。日本でも再三、舞台で上演されているのは当然。ヒロインのイライザが下町娘から(見かけだけ)淑女になる変身ぶりも物語的。


 アラン・ジェイ・ライナーとフレデリック・ロウの楽曲が完璧。ヒギンズの「なんで英語ができんのか?」イライザの「すてきじゃない?」「踊り明かそう」。イライザのパパは歌う「運がよけりゃ」イライザの思い慕うフレディの「君住む街で」などなど、どれもスタンダードナンバー。やはりミュージカルの基本は楽曲の出来。


 その点、最近のミュージカルは薄くなった。話題の「ウィキッド」だって、後年スタンダードになりそうな曲はない。


 ミュージカルはやっぱり楽曲!

 

 93年の第1作から32年で7作目になる新作「ジュラシックワールド復活の大地」。これまでの6作はそれぞれ3部作で、この作品は新章の始まりという位置付け。


 主演するのはスカーレット・ヨハンソン。若かりし頃の繊細な美少女から、今やアクション映画で活躍するスターになったヨハンソン。

「ジュラシックワールド復活の大地」★★★☆☆

 

 残念!という評判。まあ、その意見に納得だけど、娯楽映画としては合格点。結構、ハラハラ、ドキドキして楽しめた。

 

 でも設定には無理目さが目立つ。今までは3部作が前提だったけど、今回はこれが最初で最後かな?この島へ行く動機も、あまり説得力がないし、途中巻き込まれる家族も魅力がない。

 

 最初はこれはIMAXで観るべきかな?と思ったけど、この程度の出来なら、ドルビーアトモスの追加料金も、もったいないと思えるほど。


 この映画、ほんとにギャレス・エドワーズの作品?何か製作途中にもめた?ジュラシックシリーズの中では最低作かな?


 やっぱり30年前のあの驚き!マイケル・クライトンの原作を読んだ時に、ああ!こんなアイデアと唸り、さらにスピルバーグの完璧な映像化。あのワクワクはまったくない。手垢のつき方がハンパじゃない。その意味でも残念さが倍増。

 

 

 ディスクユニオンの特価ワゴンでワンコイン(100円)で買ったのはフィリッパ・ジョルダーノのアルバム「ロッソ・アモーレ」。


 収録曲は「愛の歓び」「ある晴れた日に」などプッチーニやヴェルディなどのオペラ曲からモリコーネなどの楽曲が並んでいる。

 このジャンル、セミ・クラシックとでもいうのだろうか、いい方は悪いけど、エセなクラシック。


 この人も、この当時は、人気があった。サラ・ブライトンの流れの人。でも、サラはミュージカル出身なので、クラシックの歌手というイメージはなかった。


 このアルバムは2002年のリリース。当時は結構話題になった。エンヤとかケルティックウーマンとか、このジャンルの人、時折現れる。(国内なら「千の風」の人。世間では、あの人がクラシックのテノール歌手だと思われている。「めざましクラシック」のレベル?)


 ディスクユニオンで100円だったので、試しにと聴いてみた。まあ、やっぱりエセ。世の中の人はこれを「クラシック」だと思うのだろうか?それは、ちょっと悲しい。

 記録映画「WAR BRIDE戦争花嫁」。TBSのディレクターの叔母が、戦後,米兵の妻としてアメリカに渡った記録。


 2022年、91歳でオハイオで暮らしている。監督は、この戦争花嫁の妹である母と共に訪れる。



「WARBRIDE戦争花嫁」☆☆☆☆☆


 「報道特集」のワンコーナーでやるべき内容。劇場公開するレベルではない。

 一番気になったのは、戦後5年も経つ米国を繰り返し「敵国」と表現すること。


 この若いディレクターは「敵国に嫁ぐことなに抵抗はなかったのか?」と盛んに叔母に問いただす。でも戦後直後だって、アメリカを敵国なんて思っていた人はいなくなっている。まして5年も過ぎた後でアメリカを敵国扱いなどしていないだろう。


 それより、アメリカさんと結婚する女性が、まともには見られていなかった事の方が大きい。つまり、彼女たちの中にはパンパンだった人も多く、世間はそう見ていた。その事実に目をつぶって描いても意味はない。


(戦後直後、内務省が進駐軍の要請に応じて、特殊慰安婦施設協会(略称RAA)を設立。国家がGIのために女性を用意した。そのRAAに1万人以上の応募があった。そんな時代だったのだ。この映画でも、少しだけ、この言葉が出てくるが、詳しく説明はしない。)


 このディレクターの叔母さんは純粋な恋愛婚。だから、美しいという描き方。


 自分の叔母は「特別」というエリート意識が気色悪い。叔母さんはオンリーさんでアメリカに渡ったけど,離縁されました、の方が、伝えるべきリアリティがある。


 これなら草刈正雄のファミリーヒストリーを見た方が遥かに、戦後の米兵との関わりに、真実に潜む逼迫した悲劇がある。


 さすがTBSの報道関係者。すべて自分のまわりはお花畑で美しいお話ばかり。アメリカに渡った叔母さまは日米の架け橋になり、プライドを持って生きた立派な生涯でした。これが私の一族です、とのこと。


 これお金取って見せるネタ?只でも勘弁。TBS様ってどれだけ偉いんだのか?金返せ!のレベル。(TBS製作の舞台劇の宣伝のための劇場上映だそう。意外に商魂たくましい!)

 渋谷ディスクユニオンにある特価ワゴン。ここへ来ると、まずはここからチェック。特価だからといって質が低いということはない、邦楽ならユーミンやミスチルも置いてある。売れたから数多く出回っている作品もあるのだ。

 今回購入したのはスティービー・ワンダー1987年のアルバム「キャラクターズ」。

 1987年にリリースされたこのアルバムはヒットしなかった。マイケル・ジャクソンとのデュエット曲まで収録されているけど、その曲もヒットしていない。(「ゲット・イット」ビルボード最高80位)

 60年代後半から80年代半ばにかけてスティービー・ワンダーは「特別」な存在感のカリスマだった。でも、このアルバムあたりから、普通のスターミュージシャンになる。

 それでも全然ダメなアルバムかといえば、やはりサウンドのクオリティは高い。そこがスティービー・ワンダー。ワンコインでは申し訳ないアルバム。

 朝ドラ「あんぱん」。好調さを保ったまま、残すはあと1ヶ月半。視聴者にとっては、やなせたかし=アンパンマンなのだけど、ドラマはなかなか、そこへは辿りつかない。

 ドラマはほぼ史実をなぞりながら、主役はやなせではなく妻を仕立てているので、なかなか複眼的な構成になっている。

 たかしは三越(ドラマでは「みつぼし」)勤務の時にいずみたくに知り合う設定になっている。しかし、二人が実際に出会うのは60年以降。永六輔からミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の舞台装置を依頼されてから。その出会いで名曲「手のひらに太陽を」が生まれる。

 そんな朝ドラのキャストの中で個人的に一番嬉しかったのは、ヒロイン「のぶ」のおばあちゃんとして登場した浅田美代子。

 実は、デビュー前からのファンなのだ。ミヨちゃんを初めて知ったのは「月刊明星」。ドラマ「時間ですよ」のオーディション(25000人から選ばれたと伝えられた)で次作に出演が決まった16歳の浅田美代子とモノクロの小さいコラムで紹介されていた。輝くばかりの太陽のような笑顔の少女、可愛かった。

 そして、始まったドラマの挿入歌「赤い風船」が大ヒット。オリコンチャートでは2位初登場で、翌週1位。当時アイドルブームといわれていたけど、デビュー曲1位というアイドルは誰もいなかった。

 それほど衝撃的なデビューだった浅田美代子。16歳だったミヨちゃんが69歳になって、朝ドラでおばあちゃん役。これがミヨちゃんらしい可愛いおばあちゃん。

 歌はもちろん、演技だって拙い(初々しい?)あのミヨちゃんが、おばあちゃんになっても現役で活躍しているのが何より嬉しい。

(当時はテレビだけでなく、映画「あした輝く」「しあわせの一番星」やコンサートにも行った。「虹の架け橋」の時は品川から京急で「ミヨちゃん」号が仕立てられ三浦海岸へ、友達を誘って行った!でも、本人はアイドルであることを「演じていたそう」。麻布育ちのお嬢さんなんだから、素朴なアイドルは演技だったろう)

 昭和の名脚本家、早坂暁が書いた小説「東京パラダイス」。さすが名脚本家だけに物語の展開にワクワクしながら読み進めている。

 戦後の東京を舞台した風俗模様も興味深い。まるで戦後の混乱した東京へタイムスリップしたよう。

 この物語の後半に登場するのが神谷市子代議士。この人、関東大震災のドサクサに公安により殺害されたアナーキスト大杉栄を刺したことで服役していたのだ。これは当時大変なスキャンダルになったそうだ。
 大杉と一緒に殺された伊藤野枝は知っていたけど(最近も映画になっている)神谷市子は知らなかった。
 この小説、大抵の有名人は、想像できる仮名になっているのに(渥美清は悦見清、関敬六は関失敬という具合)この人は実名で登場している。葉山の日影茶屋で大杉を刺して服役したのも、戦後、社会党から立候補して代議士になったのも、そのまま真実。
 それにしても、この小説、戦後の混乱した東京の描写が実にリアル。浅草六区、玉の井、赤線だった新宿二丁目から、日芸がある江古田、渋谷の飲んべい横丁など、目の前に見えるよう。終盤には大阪の色町、飛田新地まで登場する。
 

 

 昭和の巨匠、清水宏の戦後直後の代表作「蜂の巣の子供たち」。復員兵が浮浪児たちに出会い、彼らと暮らすようすが描かれる。この映画が語り継がれる映画になったのは、登場する浮浪児たちは本当の浮浪児たちだから。

 監督の清水宏は、実際にこの浮浪児たちの世話をしていて、この映画にちなんで「蜂の巣プロダクション」を作り3部作を製作した。本物の浮浪児を使うことも、独立プロダクションを作ることも画期的なこと。実験的なことが好きな清水宏ならでは試み。

 神保町シアターの「戦後80年」特集で上映。まさに、その時にしか撮れない映画。映画としての完成度よりも、時代の空気が真に迫る。

 戦争は終わったけど、その傷跡はいたるところにある。特に親を失った子供たちは一番の被害者。でも、子供たちは、たくましく生き抜いている。たくましくなければ、生きられないのだ。

 そんなパワーをそのまま飾らずに映し撮った清水宏は、やはり只者ではない。新しいことを恐れない実験的な精神の持ち主。だから、作風は巨匠然と構えたものではなく軽やか。

 それが、時に巨匠という評価に繋がらなかった。器用なだけという評価。しかし、没後に再評価されて、こうして映画が上映されている。清水宏63年の生涯、没後60年。


 ピクサーの新作「星つなぎのエリオ」。主人公は両親を失った男の子。彼の心の支えは地球外の世界とコンタクトすること。しかし、そんなことを誰も真面目に聞いてはくれない。一層、孤独感を深めるエリオはある実験をして、なんと地球外へ脱出することに成功する。

「星つなぎのエリオ」★★★☆☆

 親を失い孤独な少年が宇宙の彼方に夢を馳せる。ハートウォーミングな展開なのだけど、既視感がある。どうもピクサーはパワーを失っているよう。決して出来の悪い作品ではないけど、かといって特別な作品でもない。いかにも夏休み向けのお子様をマーケットにしたアニメ。

 エリオのキャラも普通。両親を失って行き場を無くしたという設定にも新鮮味がない。それにエリオが行くユニバースの世界も今まで見たことのあるような世界。そこにいる孤独なキャラと心を通わすというのも特別ではない。

 あの電気スタンドのピクサーマークが出るだけで、期待感が広がってくるような過去が懐かしくなる。やっぱりラセターのいないピクサーはピクサーじゃないということだろうか?

 新宿のミニシアター「シネマカリテ」が来年1月に閉館というアナウンス。今月には丸の内東映が閉館したばかり。また映画館が減る。

 若い人には映画=シネコンが常識だろう。しかし、それ以外の選択肢もある。それを支えているのがミニシアター。  

 例えば今、シネコンは「鬼滅」にスクリーンを押さえられてる。鬼以外にも夏向きの映画があまた。川崎のシネコンも3サイトあるけど、番組は似たような構成。 

 そんな中、その穴を埋めてくれるのがミニシアターの存在。銀座ならシネスイッチ、ヒューマントラスト、角川シネマ。

 新宿なら武蔵野館、シネマート、ケイズシネマ、そしてシネマカリテだった。この中でもシネマカリテの存在は大きかった。老舗武蔵野館の系列。今の武蔵野館はテナントが入っていた3階を無理矢理ミニシアターにした映画館。設計から映画館ではないので、致命的に天井が低い。前の観客の頭がスクリーンにかぶる、都内でも見づらい映画館。

 同じ武蔵野系列でもシネマカリテは設計から映画館なので変形の映画館なれど、武蔵野館みたいな状況ではない。閉館するなら武蔵野館の方だと思う。

 ミニシアターの消失という意味では、自分にとってはテアトル梅田に匹敵する衝撃。あそこもいい映画館だった。番組、ロケーション、客層も良かった。

 シネコンが当たり前になるのは仕方ないけど、それに乗らない映画もあるのだ。