心理セラピールーム ComingHomeの徳山なおこです。
なぜ私が心理セラピーをお勧めするのか
の続きです。
実はこの記事は、一か月ほど前に書いていたものです。
この一か月で、驚くほど世界の状況は変わりましたね。
先の見えない状況や
日に日に変わって行く状況への不安、
感染すること、感染させてしまうことへの不安など、
色々な感情やストレスを感じていらっしゃる方も多いと思います。
そのような中でも、
どこか、自分の深いところの安心感と繋がっていられたら・・・
心理セラピーと「ハートを開く」ということについて書きました
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クライアントさんから
ハートを開くって、どうすればいいんですか？
と聞かれることがたまにあります。
実はこれ、かなり難しいご質問なんです
というのは、
そのために必要なことはひとりひとり違うし、
「これさえやれば開きます！」という方法は無いんじゃないかと、
私は思っているからです。
（けれどもこれは、現時点で私の体験から思っていることであって、「これが正しい」と言うつもりはありません
）
ちなみに、私のハートは、と言えば・・・
開いているかは分かりませんよ～
笑
そんな私の体験ではありますが
先の記事で書いた
深く抑圧してしまった痛みに気づいて
そこに共感や理解、温かさを注いであげる
ということと併せて
お伝えしてみたいと思います
ある時、個人的なメールのやり取りをしていて、
相手の言葉が自分の中で引っかかったという出来事がありました。
腹が立ったとかショックを受けたとか、そういうことではなくて、
ちょっとイラっとした、というくらい。
すごく些細なこと。
・・・のはずが、数時間経っても、思い出してはイラっ
これはもう、立派な「反応」であり、
私の中に、その反応を生む何かしらの「抑圧した痛み」があるということです。
こういう時は、自分の中にあるその種を見つける、ということをして行きます。
これはもう、職業病というか趣味というか…笑
そうして自分の心を見て行って出てきたのは、
私の存在を、完全にまるごと否定されたような感覚
でした。
私は小・中・高校時代で、いじめを受けました。
いじめと言っても、それほど激しいものではなく、
陰口や、面と向かって悪口を言われたり、集団で無視をされたり…
といった程度ではありましたが、
恐らく、かなりショックだったと思います。
特に中学校時代は、田舎から東京に転向してきたばかりの、
知り合いも友達も1人も居ない状態でのことだったので、
特にショックは大きかったと思います。
「思います」と、ちょっと他人ごとみたいになっているのは、
ずっと、そのショックをあまり感じられていなかったからです。
恐らく辛かったのでしょうが、当時も、表面的には平然としていましたし、
自分でも「こんなことくらいで」と思っていました。
きっと、その痛みを感じてしまうと、
いじめられる惨めな自分を感じてしまうと、
自分が保てなかった。
だから感じないようにして、
「こんなことくらいで」と思おうとして、
その痛みを、深く抑圧してしまったのだと思います。
このいじめられた時の痛みは、
それまでの過去のセラピーの中でも、何度か出てきたことはありました。
そのたびに「ああ、本当はやっぱりショックだったし辛かったのだな」と思いましたが、
完全に癒された感覚というのはありませんでした。
メールのやり取りでちょっとイラっとした・・・という反応から見つかった
「私の存在を、完全にまるごとを否定されたような感覚」は、
この、中学校時代のいじめられていた時の痛みに繋がっていました。
そして、いじめられていた時、
私は、まさに「私の存在を、完全にすべてまるごと否定された」ように感じていたことに、
はじめて気づけたのでした。
「私の存在を、完全にすべてまるごと否定された」というその痛みは、
自分でも驚くほどの強い痛みでした。
そして、そのショックと痛みに加えて、
何故かみんなから嫌われてしまう自分。
その悲しみと、そして惨めさ。
自分は完全に価値の無い、劣った存在だという、
自分自身への徹底的な否定。
けれども、そんな自分であることが、
痛すぎて惨めすぎて、
いじめられるような人間である自分が恥ずかしすぎて、
そんなの絶対に認められない。
認めたくない。
だから私は、その痛みやショック、惨めさや恥ずかしさを
自分から切り離してしまったのでした。
（ワークの中で、明らかにこの痛みを自分の中で切り離していたことも感じ取れました。）
これが、私がこの痛みについて、
ずっとどこか他人ごとのように感じていた理由、
そして、過去のセラピーで出て来ても、あまり癒されなかった理由です。
（過去のセラピーで出て来ていたのは表面的な痛みであり、その奥の真の痛みは抑圧されたままでした。）
人からいじめられる自分は、
完全に劣った価値のない人間なのだと思い、
そのことが痛すぎたために、自分から切り離した。
そのために、この痛みは潜在意識の奥深くに抑圧されたまま、
ずっと出て来なかったのでした。
ちょっと話は逸れますが・・・
この、
私の存在を、完全にまるごと否定された、というのも、
自分は劣った、価値の無い人間なのだ、というのも、
実は、私の思い込みなのです。
心の仕組みで言うと、
強い痛みを伴った体験によって、
深くそう思んでしまった。
ということです。
これは「感情学習」と言われるもので、
脳にその反応の回路ができてしまいます。
脳に回路ができてしまうのですから、
いくら「これは思い込みなんだ」と自分に言い聞かせても、
「自分は劣った人間ではない」と思おうとしても、
要は、認知のレベル（顕在意識のレベル）でどうにか変えようと思っても、
それは非常に難しいことなのです。
じゃあいったいどうすれば変わるの？？と思いますよね。
その大元のショック、痛みにアクセスして、
そのエネルギーを解放し、
さらに、新たなポジティブな体験をすることで（これはイメージ上でもOK)、
その反応の回路は解消され、
それに伴って自然と認知も変わる
ということが、研究で分かってきています。
これはまさに
「マトリックス・リインプリンティング」という心理セラピーで行っていることです。
話を戻して
この、いじめられたことにまつわる傷、
大きなショックや痛み、惨めさや恥ずかしさを、
「こんなにも痛かったんだね・・・分かったよ」
「ずっとここに、この痛みがあったんだね」
そんな風に理解して寄り添うことで、
その痛みやショックは、ゆっくりと自然に溶けて行きました。
と同時に、
こんな大きな痛みを抱えてたら、
そりゃ、あんな些細なことでも反応しちゃうし痛いよなあ・・・
そんな自分への理解も生まれて来ました。
潜在意識の奥深くに抑圧されていた痛み、
置き去りにされてしまった傷は、
共感や理解の中で、
気づいて貰えた、分かってもらえたと感じて、
その温かさの中で、やっと安心できるのです。
その時の感覚が、私の印象では
まさに｢傷が癒えて行く｣ような感覚です。
そうしているうちに自然と、
胸に、温かい光が灯ったような感覚が出てきました。
その光は、どこまでも深く優しく、
温かく私自身を受け止めてくれています。
「私はひとりじゃない」
そんな感覚が生まれてきて、
そして自然に、世界が優しく感じられました。
実際はどうかは分かりませんが、この感覚は私には、
ハートが温かく開いた
そんな風に感じられました。
自分の中に強い痛みがあれば、
その分、防衛も強くなります。
強い痛みが和らいだことで、自然と防衛も緩んだ・・・
恐らく、そういうことが起きたのだろうと思います。
そして私は、この胸の深い温かな感覚を感じた時に初めて、
自分に優しくなれた分だけ
人にも優しくなれる。
その意味が、真に体験的に理解できたのでした。
この胸の温かな感覚を多くの人が自分の中に感じられれば、
争いや競争は、きっと自然に減って行くことでしょう。
「心理セラピーを受ければ、必ずハートが開く」
そうは言えませんし、言うつもりもありません
けれども、
深いところに置き去りにしてしまった傷や痛みを、
自分の中で温かく理解して受け容れてあげることができたとき、
あなたは、愛や優しさというものを、
ご自身の中で体験されることと思います
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